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信玄越え

竹は節があるから強くまっすぐ天に向かって伸びる。人も同じように節目を大切にすることで、強くなり、成長することができると言われます。年末年始や四半期ごとの決算、春分、秋分などの季節の変わり目等、毎年繰り返す節目は数々ありますが、その中でも誕生日は誰もが持つ個別の大きな節目です。私は昨日その節目を迎え、54歳になりました。

54歳の誕生日

40後半位から、誕生日だからといって大した感慨もなければ、おめでたい感もなくなり、いつもと変わらない感じで淡々と日常と同じ過ごし方をするのが常になっておりますが、それでも友人の数人は私の誕生日を覚えていてくれてプレゼントをくれたりメッセージを送ってくれたりと、うれしくありがたい気持ちにさせてもらってます。私は若い時に肝臓を壊していたこともあり、まさか自分がこんな歳まで生きながらえるとはよもや思っていませんでした。この度、医師に死亡予告をされた「長生きしても50歳」との年齢を大きく超えて4年目に突入したと言うのは流石に少し感慨深いものもあります。54歳になったのを自覚して、戦国武将でかの有名な武田信玄が天下統一を目前にしながら53歳で亡くなったと小説で読んだのを思い出し、自分は信玄を超えて長生きしているのだと気がついたとともに、一回だけの人生が生きながらえているだけで、薄っぺらい人生になっていないかと自らを省みる機会にもなりました。

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天命を全うする折り返し

54歳と言う誕生日の節目を迎えて、今年1年でこれをやりたいといった抱負みたいなものはさすがに別段ありませんが、この一年が過ぎると55歳という五十代後半に差し掛かる最後の年と言う事で、「天命を知る」と孔子が言われた50歳の時に定めたセカンドキャリアに向けての準備を確実に進めようと思っています。ちなみに、あと6年後の還暦を迎える60歳でこれまで創業者として代表を務め、社業を牽引してきた株式会社四方継と台湾の事業所、菫菫国際設計有限公司の株式を全てスタッフに譲って、建築事業から私は引退、現在も取り組んでいるもう一つの事業である一般社団法人職人起業塾での活動に専念する計画を立てています。天命とは少し大袈裟ですが、50歳になった時、起業した際に掲げたミッション「職人の社会的地位の向上」を叶えるには、建築会社を切り盛りしながらの片手間では到底できないことに漸く気づき、自分が吐いた言葉の責任を取ることができる状態を整える10年間にすることにしました。来年にはその折り返し地点に差し掛かるわけで、それなりに気合を入れなければと考えています。

明確で詳細なキャリアプランが必要

私が子供の頃からリスペクトし続けている織田信長は、人生50年と敦盛の舞を踊り、烈火の如く人生を駆け抜けてその通りに50歳でこの世を去りました。上洛の途で病に伏す事なく、もう少し長生きしていれば天下を手中に収めていたはずだと言われる武田信玄も享年53歳で志半ばでこの世を去っています。かの英雄達の短い人生に凝縮された偉大な功績の数々に触れる度に、もっと自分にも出来ることがあるのでは無いか?と思うと同時にもっとハイテンポに人生のストーリーを描く必要があるのではないか、なんて思ってしまいます。決してのんびり、安穏に日々を送っているつもりはありませんが、自分が立てた志を実現するには、やっぱり強い意志を持って人生をコントロールするくらいの気概が必要だと思いますし、今現在、それが十分に出来ているかと問われると、胸を張って出来ていると言い切る自信は残念ながら私にはありません。50代の折り返しを目前にして、改めて自分自身のキャリアプランを明確に描き直す必要を感じています。

人生という時間の塊を何に使うか

誰しもが持っている人生という時間。それを何に使うかはその人の自由なのは間違いありません。ただ、私が思うのは、1年や2年で出来ることはたかが知れているし、人間一人の力も大したことはないにしても、10年、20年の時間をかけて、志に共感してくれる協力者を募り力を合わせることが出来れば、意外と大抵のことは叶う可能性があるのではないか、ということです。私のミッションは、自分自身の出自が道具のように扱われてきた孫請け職人ということもあり、自分や自社のスタッフをはじめとしたモノづくりの担い手がもっと夢と希望と誇りを持って働ける環境に変えたいという、至って自己中心的なところから始まっています。ただ、そのミッションは建物をつくるには職人がいなければ話にならない原則を鑑みたとき、圧倒的な職人不足に陥っている現在の建設業界における大きな課題になっており、社会からの課題解決の要請でもあると思っています。職人不足の解消は、今、現場で働いている職人達が輝き、若者達に憧れられる存在にならなくては一向に進みません。それは、労働環境の整備、キャリアパスの構築等の人事制度を整える雇用側の意識改革と、職人も今まで通りの働き方から一歩足を踏み出して+@の付加価値を生み出す意識改革の両面が必要です。60歳から20年間の私の人生を使って、なんとか建築業界の構造を変えるきっかけ位は生み出したいと考えています。武田信玄が及ばなかった天下統一の境地に私が辿り着くとは言いませんが、全国の業界のスタンダードを変える一助となれればと思っています。信玄超えの1年間、気張ろうと思います。

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私の志を実現するための事業です。



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