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兆しの変換。

令和3年3月2日雨

春の雨

今日の神戸は早朝から雨。しかし、夜明け前から気温は15度もあり、冷たい冬の雨ではなく、優しい春の雨の風情でした。私は毎週火曜日、早朝から神戸市倫理法人会のモーニングセミナーに通い続けており、人としてのあり方、自然の摂理と符合した原理原則について姿勢を正し学ぶ時間としています。今朝も雨の中、夜明け前から起き出して張り切って会場である神戸ポートピアホテルへと向かいました。倫理法人会のモーニングセミナーでは毎週、会員メンバーさんによる実践報告的な講話が行われます。本日は兵庫県副会長の濱田さんの講話で、高砂市で地域ナンバーワンの美容室を作り上げられ、30年間もその地位を維持されてきた豊富で波乱万丈の経験から、商売の要諦は自分自身を振り返ることだと非常にありがたいお話を聞かせてもらうことができました。やはり、長年実績を積まれてきた方のお話は重みが違います。濱田副会長、大変勉強になりました、ありがとうございました。

兆し

メインのセミナーの前に、神戸市倫理法人会の竹達直明会長からの会長挨拶で、ご自身が監督の役職を務められている全日本スキー連盟の指導員試験での気づきをご披露いただきました。先月、兵庫県最高峰の大山で行われたスキーの指導員試験の受験者が、40歳後半から60歳手前位の人ばかりだったことを受けて、一昔前とは年齢に対しての意識が大幅に変わったことを実感されたとの事でした。そして、壮年から初老の年齢になってもまだ新たな資格に挑戦される人たちの顔は非常に生き生きとしていて羨ましく感じたとの事でした。
竹達直明会長がホワイトボードに「兆」と言う事を書かれて、人は誰しも変化に対して兆しを感じ、その兆しに対して「逃げる」こともできるし、「挑む」こともできる。兆しと言う漢字はそのどちらでも選択できることを表しており、できることなら前向きに挑戦し続ける人でありたいものだとの非常に良い話をされておられました。なるほどなぁ、と感心しながら聞いていたのですが、ふと思い出したのは最近読み進めている「スマホ脳」と言う本の中に書かれていた人間の脳が持つ本能的な部分の記述で、そこには、「人は2万年とも言われる長年の厳しい環境を生き抜く為の進化の過程から生存する欲求を満たすことを第一義にしてきた習性が脳に刻み込まれており、新しい兆しに対して逃げることを本能的に選択してしまう」と書かれていました。

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逃げるのは人間の本能

近年、急速なテクノロジーの進化と情報革命、世界中の大多数の人が手にするようになったスマートフォンと言うデバイスの普及で圧倒的にそして急激に生活環境が変わり、十数年前までは考えられなかった量の情報が「誰でも、いつでも、どこでも」手に入るようになりました。この短期間での環境の変化は人間の脳が進化してきた2万年の年月を考えれば、ほんの一瞬であり、現代では人の脳はそれに対応することができず、環境と人間の能力に大きなキャップが生じているとその本には書かれていました。その本の著者が住まうデンマークでは現在10人に1人が抗うつ剤の薬を服用しているとのことで、日本人でも4百万人が鬱の傾向があると言われています。鬱とは元来、生存本能から反射的に導かれる防衛行動であり、あらゆる動物が危険を察知したときに穴蔵にこもって危険が過ぎ去るのを待つ逃げの選択です。現在、スマフォを通して届く様々な情報は言い換えれば兆しであり、それら全体を俯瞰してみると危険を煽る情報が大半を占めます。そもそも、メディアは人の興味をそそる情報を配信するのが生業であり、危険を煽るのが最も大衆の耳目を集めるのは非常に分かりやすいロジックです。先のアメリカの大統領選で陰謀論が拡散されたり、新型コロナの感染拡大防止に対してマスク警察が全国で出没するなどの過剰すぎる反応も、今の世界が危険を煽ることで利益をあげる企業に大きく影響されていると感じずにはいられません。

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適応した者だけが生き残る

とにかく、世の中の急激な変化に人間の脳の対応が追いついていないのは少なからずリアリティーがある様に思います。今後、人間の脳に適合する様に世界が変わっていくのか、変化に対応できる人間だけが生き残っていくのかはわかりませんが、ダーウィンの進化論で示唆された様に、賢い者でも、強い者でもなく、変化する環境に合わせて適応した者だけが生き残り、進化を遂げていくのは悠久の地球の歴史を鑑みれば確かに一理あると思います。それでは、現在、私たちが迎えている人類史上例を見ない劇的な変化に対して適応するにはどうするべきなのか?との問いに対しての私の答えは、兆しに対して過敏に反応しない様にして、冷静な判断で挑むか、逃げるかを選択するしか無いように思います。そしてそこで重要なのは、兆しの感じ方です。TVやインターネット上の煽り報道や、怪しげな正義を振りかざしたポジショントークにあまり入れ込む事なく、自分自身の普通の感覚(平常心)で感じる違和感や直感を信じるべきだと思うのです。
そして、情報の取捨選択と同時に行うべきは感覚(感性)を磨く事ではないかと思うのです。人間の本能とも言える感性を研ぎ澄ますのに必要なのは感じる事、心を動かす体験を積み重ねる事しかないと思います。それは自分自身の行動の結果もたらされる直接の体験でも、書籍や映画などの間接的な体験でもどちらでもよくて、それらを集積する事で感じる力、感性を研ぐことができると思うのです。漫画キングダムに登場している麃公(ひょうこう)将軍の様に私も、できることなら兆しを敏感に感じ取って、挑戦につなげられる生き方をしたいと思っていますし、そのための学びを続けたいと思った次第です。良い気づきを頂ける学びの場に参加させて頂いている事、ご縁を頂けていることに感謝です。(^ ^)

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