ワンデイプロジェクト@三重 Vison(ビソン)と伊勢角屋麦酒 その3 まとめ
先日、「本業で社会課題を解決する」をテーマに高い志を持った経営者が集まる経営実践研究会の活動でワンデープロジェクトなるイベントに参加して来ました。今回の開催地は三重。数多くのメディアで取り上げられ大きな話題になった地域創生の大規模複合施設Visonとcraftビールの有名ブランド伊勢角屋麦酒の本社工場を訪問、多気町で地元商工会や観光組合のトップを務められ、地域創生を牽引されている万協製薬の松浦社長と、天正から続いている伊勢名物老舗餅屋の21代目当主であり、国内外のクラフトビールコンテストで金賞を総なめにしている伊勢角屋麦酒の鈴木社長との超有名経営者のお二人に(共通して)どん底から這い上がって卓越した業績を残されるまでのリアルで赤裸々なお話しを聴かせて頂き、非常に充実した素晴らしい機会に恵まれたことに喜びました。大量のインプットをしたので数回に分けて備忘録がてら気付きをまとめています。今日はその三回目、先代から事業を引き継がれとは言え、ゼロから卓越したビジネスモデルを構築されたお二人からいただいた示唆をまとめてみたいと思います。
一回目の記事、万協製薬の松浦社長の講演とVison視察の模様はこちら、
2回目、伊勢角屋麦酒の鈴木社長の講演と私の感じた内容はこちら、
共通項としてのまとめ
今回のワンデイプロジェクトなる研修イベントで松浦社長と鈴木社長のお2人と出逢って私が感じたのは、製薬会社とクラフトビール醸造会社と全く業種業態は違えども、激しい競争を勝ち抜いて確固たる地位を築きあげられたお二人には数多くの共通点があると言うことです。今回の学びのまとめとして、その共通点を中心にまとめとして以下に書いておきたいと思います。
過酷な経験と不屈の精神
まず初めに、お二人それぞれの自己紹介を聞いて、非常に過酷な体験を乗り越えてこられていると言うことがあります。これは誰にでも真似ができることではありませんが、お二人は自らその過酷な環境をわざわざ選ばれています。人生は選択で形作られていると考えると、過酷な道を選んだその選択の思考こそが共通点だと思います。松浦社長は阪神大震災で社屋が倒壊し、社員が離れた後、無理して製薬会社の事業を再建しなくても飯ぐらい食える状態にあったにもかかわらず、莫大な借金を背負って三重県多気町に移り、たった1人から事業を起こし直されました。鈴木社長は大学の空手部に所属され、全国大会で準優勝される程の部で主将を務められた猛者で、血反吐を吐きながら、疲労が溜まりすぎて傷が治らない位に厳しい稽古を積まれたと言われてましたが、生半可な厳しさでは無い事は容易に想像がつきます。私は、精神力はセルフイメージに由来すると言うのが持論ですが、厳しく過酷な経験をくぐった人ほど高いセルフイメージを持ち、困難に立ち向かえるのだと改めて感じさせられました。
深く、重いPDCA
経営実践研究会が目指す大きな目標の1つに持続可能な循環型社会の実現があります。中小企業経営者が集まるこの組織でそれを目指すのはすなわち、まず初めに会員各社が持続可能なビジネスモデルを構築するということに他なりません。循環型で安定的な収益を生み出せる企業になってこそ、本業で社会課題を解決することが可能になります。そのヒントとして、今回のイベントで2人の卓越した経営者が口を揃えて言われたのはPDCAを高速で回すと言うことでした。プラン(計画)ドゥ(行動)チェック(検証)アクト(改善)を回しながら業務改善を行っていくと言う手法は、日本のものづくりが世界に名を轟かせた典型的手法であり、圧倒的な成果を生み出してきたのも事実ですが、時代の変化とともにその中央管理型、ヒエラルキー構造前提の組織運営の印象が強く、最近は見直される風潮になってきています。圧倒的なテクノロジーの進化で、時間の流れが速くなり、仮説を立ててPDCAを回すよりも顧客ニーズに対する観察調査を深く行い、まずは小さく素早く行ってみて、それをブラッシュアップしながらスケールする、もしくは軌道修正してやり直す方が時代に則しているとも言われます。しかしそれは、表面的で形式的なPDCAサイクルを行うからであり、1つのファクターを深く重く見つめて丁寧にそして高速に戻す事はやっぱり業務改善の基本なのだと改めて感じさせられました。
飾らない=本質思考
前回の記事で松浦社長、鈴木社長のお二人ともリアリストであると(勝手に私が)決めつけましたが、お二人に非常に共通していたのは論理的な部分だけではなく、印象というか態度も非常に近しいものがありました。それは、飾らない、構えない、自分を誇大に見せないと言うところです。多気町の地域活性化に尽力されている松浦社長は自分のことをよそ者で悪者だと言ってのけられたし、自社のブランドだけではなく伊勢のブランドも背負って世界で戦い、素晴らしい評価を得られている鈴木社長も別に世の中を良くしたいとか大それたことを考えているわけではなく、ただうまいビールを作っているだけだ。と口にされました。大上段に考えるのではなく、今やるべきことに集中して成果を積み重ねていくしなやかで真摯な姿勢こそが、結果的に大きな社会課題の解決に結びついているのだと感じました。
理論と実践の両輪
破綻しかけた製薬会社を1人で再建し、これまで前例がない経営品質大賞を2度も受賞された松浦社長、老舗の餅屋の21代目当主を継いで、全くのゼロから世界トップの品質を認められるクラフトビールメーカーを作り上げられた鈴木社長、今回お二人のお話を聞かせてもらう機会に恵まれ、事業経営の肝はここかとつくづくと感じさせられたのは圧倒的なインプット量とそれをアウトプットし、実業に実装する実践の力です。まさに経営実践研究会の研修イベントにふさわしい会だったと思います。目的を明確に持って同業他社の追随を許さないほどの学びを継続し、その理論をいち早く実装、成果が上がるまでブラッシュアップを繰り返すことで事業は螺旋的成長のサイクルに入る事が出来、持続可能な循環型ビジネスモデルの構築に一歩ずつ近づいて行くのだと改めて納得させられた次第です。結局、人生やるか、やらんかです。このように文章にしてしまうと手垢がつきまくった耳に馴染み過ぎたありきたりな言葉にしかなりませんが、意外とこの世の真理はシンプルで、結局それを知ってやりきれるか、その情熱を持っているか、自分にはできると言う高いセルフイメージを持っているかどうかにかかっているのだと言うことだと思います。私も謙虚に学ぶ姿勢を保ちつつ、分かっていることを愚直に1つずつ進めていきたいと思った次第です。終わり。
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次世代に引き継がれる丁寧な価値のあるものづくりを目指してます。
共感し、助け合う持続可能な循環型コミュニティーを作ってます。
誰もが笑顔になる四方良しの世界の実現を目指しています。