人を人として見る。〜職人不足問題の根本解決〜
国産材を活用した木の家の設計、施工の学校、MOKスクールに今年からスタッフがお世話になっています。関西を中心に、全国から受講者が集まる非常に人気のある研修会で、毎回、受講申し込みは受付開始に合わせてPCの前で待機して開始と同時に即座に申し込まなければリアル会場での参加が叶わず、オンラインの画面越しの受講になるほどの人気ぶり。
今回は、昨年、神戸でのイベントに基調講演とパネルディスカッションでお世話になった日本を代表する建築家、堀部安嗣氏と、木造建築で独自の工法を編み出されており、私共の案件のサポートも頂いている秋田のもるくす建築社の佐藤さんがスピーカーとして登壇されると聞きつけて私も初めて参加してみました。会場の大阪木材仲買会館は超満員、熱気に包まれていました。
住宅建築トップランナーのコミュニティー
MOKスクールは木の家の設計、施工の研究を行う実務者向けの学校で、意匠設計、性能設計、デザイン、素材、施工と幅広い内容で最先端の情報が共有される場になっています。登壇される講師陣も業界のトップランナーがずらりと勢揃い、もはやこだわりを持った木造の注文建築に携わる人の間では誰もが知っているし、参加したいと思っていると言っても過言で無いくらいの知名度を誇ります。当然、参加している実務者の方々も各地でトップランナーとして活躍する錚々たるメンバーが揃っています。遠くは鹿児島や関東からも参加されている方もおられました。
堀部先生と佐藤さんの講演が終わった後、理事を務められている三澤文子先生のモデレートで3名のトークセッションが行われました。もちろん、木にや住宅設計、デザイン、そしてローカルエコノミーにまつわることが主なテーマでしたが、その中で職人不足問題も取り上げられました。この辺りは流石、実務者向けの勉強会だと感心することしきりです。
重要なテーマは職人不足問題
ディスカッションのテーマが職人育成の話題になって、三澤先生が会場にいる私を目ざとく見つけて、職人育成の学校であるマイスター高等学校の紹介するようにと、マイクを渡してくださいました。以前、三澤先生に、学歴社会から溢れた子供達をモノづくりの事業所が学校として引き受け、キャリアパスを運用しながら育成するマイスター高等学院のスキームをご説明する機会があり、熱烈にご賛同頂いた経緯があり、建築業界の職人不足を根本解決する唯一無二のスキームであり、目的なき教育と揶揄される日本の学校教育に本物のキャリア教育を根付かせる運動だとご理解頂けたようでした。地味な活動を続けていますが、こうやって少しずつ、共感の輪が広がることで、きっと全国に事業所が教育機関としての役割を担うべきだとの私たちの取り組みがムーブメントとなっていくのだと感じました。ちなみに堀部先生も10.10に職人不足を考える会を予定しているとのこと、問題意識は確実に広がってます。
人を人として見ない
短い時間ではありましたが、登壇者に代わってマイクを預かった私は超満員のオーディエンスに向けて、最も伝えたいコンテンツを一つに絞って話させてもらいました。それは、職人不足の原因は「人を人として見ない」に尽きる。ということです。職人は道具ではない、便利に使えるうちは使い倒して、いらなくなったらポイと捨てる。必要な時だけ引っ張ってきて、暇になったらなんの保証もせずに知らん顔。それが建築業界の常識になってしまっている、ここを正さないと職人になる若者など増える訳もないし、そもそも、若者には職業選択の自由が保障されているのを忘れてやしないか？そんな厳しい目のメッセージを伝えました。受講生の中には若手の大工さんも混じっておられ、懇親会では「心に響きました、鳥肌が立ちました。」との嬉しい感想を述べてくれる方も数人おられ、私が伝えたかった本質が伝わったのだと喜びました。
職人育成はCSV経営の実装
街の工務店をはじめとするモノづくりの事業所がWスクールの学校としてOJTで子供達に技術を教えるマイスター高等学校は、職人の正規雇用、キャリアパスの運用を大前提に誰が見ても安心して若者が就職出来ると思ってもらえるように未来創造企業の認定取得を義務にしています。ブラックでブレーな業界だと目されている建設業界のイメージを払拭し、地域の大きな課題になっている子供達の不登校問題の解決策として未来を保証した選択肢を提供する地域貢献企業になることで、最新のビジネスモデルとも言われるCSV経営へのシフトを叶えます。プロモーションを駆使して新規集客を集め続ける薄っぺらいマーケティングではなく、地域に存在意義を認めてもらう事業所になるには、学校としての機能を有し、真に地域に根ざした機関になることがこれからの地域企業としての在り方だと考えています。毎週、オンラインでの事業説明会を行っておりますので、ご興味がある方はお気軽にお声がけください。職人不足問題の根本解決を提示します。
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人を人として見る、真の民主化のための活動をしています。