ウイズコロナのライフデザイン
平成の終わりから、多くの人が世界が大きく変わることを繰り返し預言されていました。圧倒的なテクノロジーの進化とモバイルデバイスの普及とインターネットインフラが整ったことで、情報伝達のスピードが大きく変わり、AIとIotの実用化ってこんなに凄い変革をもたらすのだと気付かされたのが私が世界が変わると感じた兆候でした。しかし、コロナによる世界的なパンデミックはまるで次元の違う真逆と言っていいほどのパラダイムシフトを世界に起こしました。この1年間はVUCA(不透明、不安定、複雑、曖昧)化が一気に、しかも本格的に世界を席巻した1年ではなかったかと思います。
時代の変化に適応するビジネスモデル
歌は世につれ、世は歌につれ、とは紅白歌合戦でよく耳にする言葉ですが、もちろんビジネスも同じです。世の中が変われば人のニーズも変わるし、提供する側もそれに沿って変わらなければならないのは当然。コロナによって人々の意識や価値観が大きく変わった今、私たちは本格的に提供するサービスについて見直すべきですし、ビジネスモデル自体を再構築するくらいの勢いで、大きな環境の変化に向き合う必要があります。私たち株式会社四方継も一昨年、一年間かけてスタッフと話し合いやワークショップを繰り返し、20年慣れ親しんだ社名まで変えて、事業ドメイン自体を大きく書き換えました。私たちと同じように昨今、リブランディングや事業再構築に取り組まれる事業所が多いのは時代の大きな変化に対応した動きなのは間違いありません。ただ、リブランディング流行りの昨今の風潮を見ていて私が気になるのは、事業内容を見直し、サービスを刷新するにあたっての根本的な考え方というか、根底に流れる価値基準が今までの延長線上になっていないか?という疑問です。世界のパラダイムがひっくり返ったと言われる現代、ただ単に集客の方法や見た目のデザイン、業務フローなどのやり方を変えただけでは新しいサービスもあっという間に陳腐化してしまいます。決して簡単ではありませんが、そこは力を入れて上っ面ではない本質的な価値転換に目を向ける必要があると考えています。
デザイン思考への転換
今までのマーケティング思考の中でビジネスモデルを刷新しようとすると、一番初めに「自社の強みはな何か?」との問いを立てて、これまで培ってきた自社の強みを最大限活用する、もしくは価値を発揮出来ていなかったリソースを発掘して振り回すことから始めるのが常套手段でした。しかし、世界が逆転のパラダイムへとシフトして、これからはこれまでの延長線上にないと考えれば、そのロジックも根本からひっくり返すべきです。見直すべきは自社の強みではなく、顧客のニーズであり、価値観、もしくは顧客は誰か?との根源的な部分からではないでしょうか?
ビジネスモデルを見直す、もしくは新たなビジネスモデルを考案するにあたり、ビジネスモデルキャンバスと言うフレームワークがこの数年になってよく使われます。これはマーケティング的な思考ではなく、デザイン思考と呼ばれていますが、その際、最も留意すべき点はワークを進める順番であり、それは「顧客は誰か?」を1番初めに考えて、その次に「提供する価値」を明らかにすべきだと言われています。新しい時代になり、顧客のニーズが大きく変わる中、自社のリソースに合わせてビジネスモデルを考えること自体がナンセンスと言うわけです。
Life designの見直しから始めよう
「顧客は誰か?」との質問はなかなか悩ましい問いであり、大きな時代の変化に伴って、ユーザが本質的に欲しているものは何か?と合わせて考える必要がありますが、おいそれと簡単に答えが見つかるものでもありません。そもそも、モノと情報が溢れかえり、安心快適便利な生活を誰もが送れるようになっている今、新たなニーズを掘り起こすのは簡単ではありません。マーケティングの大家、コトラー博士もその著書、マーケティング4.0に顧客の自己実現に寄与することだと表されていましたが、ニーズ(欲求)の変化に対するヒントをマズローの人間の欲求5段階論に求めれば、暮らしの安定、物質の欲求を満たされた後の最終的な欲求は「自己実現」になっており、いまどきの言い方に変換すれば「理想のライフスタイルの実現」になるのではないかと思います。ユーザが求める理想のライフスタイルに着目すれば、その答えが見つかるかもしれません。
理想のライフスタイルを考え、計画することをライフデザインと言う言い方をします。それは、働き方、お金、住まい、所属するコミュニティー、持ち物、身体、趣味、宗教、そして生き方等々のそれぞれをどの様にしたいか、それらに共通する思想や理念は何かを改めて見つめ直すことで本当に求めているlifestyleが明らかになります。複雑怪奇な現代において、ビジネスは自社の強み、リソース、できることから考えて表面的にモノやサービスを提供だけではなく、ユーザーの自己実現、ライフデザインに寄与できるように同じ世界観を共有した価値提供にシフトすべきです。そして、その入り口として、まず、自分自身のライフデザインを考えてみるのは決して無駄にはならないと思います。そこから新しいビジネスモデルへのアイデアが生まれると思うのです。
Q:あなたが理想とする働き方、お金、住まい、所属するコミュニティー、持ち物、身体、趣味、宗教、生き方とはどの様なもので、それらの底辺に流れる理念は何ですか?
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