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社会課題解決モデルこそ持続可能型事業への道

先日、大阪で行われた経営実践研究会の特別講演会は100名以上の経営者が集まり、琉球アスティーダの早川社長と藤岡会長の話を熱心に聴き込んでいました。そこで一貫して語られたのは「志」であり、これまであまり注目されてこなかったキーワードが新しいビジネスモデルの軸となり、新たなビジネスモデルがこれからのスタンダードになりつつあるのを強く実感しました。

フォーブスに掲載された早川社長

ゲームチェンジ

3年前に新しく発足した卓球のプロリーグのTリーグで参戦して3戦目で優勝し、同時に上場を果たした早川社長はアメリカの雑誌フォーブスで今年の顔100名に選ばれるほど注目を浴びています。私はその事業モデルの話を伺うのは今回で3度目ですが、何回聞いてもスポーツ×地域課題解決×テクノロジー×志のビジネスモデルが複雑に組み合わされた収益構造は圧巻で、それらの事業を通じて志を叶え、社会課題を解決する姿はすごいと言うよりも感動さえ覚えます。早川社長は明確に「私たちのような社会課題解決型事業モデルこそがこれからのマーケットに受け入れられる。」と口にされました。私が数年前からこれからはマーケティングの時代ではないと言い続けているのと同義ですが、ここまで圧倒的な実績を叩き出されると誰もが素直に受け入れ、納得するしかないと感じました。まさにゲームチェンジです。

CSRのジレンマ

企業が社会課題に対して向き合うべきだと言う議論は別段、今に始まったことではありません。CSRという名称で大手企業などは収益の1部をボランティア活動や社会貢献を行っている団体などに寄付するといったことを以前から行われています。しかし、それらは本業での営みと切り離して、納税の代わりに社会的に見て良さそうに見えることに資金を投入するといったプロモーション的な側面も否めず、収益状況が悪くなると当然そのような活動は取りやめてしまいますし、持続可能な社会貢献とは少し違うような気がしています。(もちろんすばらしい活動されている企業もあります、)そして、収益優先の事業モデルは同時に社会課題を自ら生み出してしまいます。私は以前から大きな矛盾を感じていました。

強欲がスタンダードな世界

日本は戦後、アメリカの庇護の下、西洋型の資本主義経済にどっぷりとつかってきました。そこでの会社の定義は「株主の利益を最大化すること。」とされており、公益性も社会的なモラルも富の再分配も置き去りにされて金儲け一辺倒に規模の大小を問わず日本中のほとんどの企業が走ってしまいました。私自身も、昭和から平成を生きてきて、そのような価値観にどっぷりとつかり、今思えば赤面するほど恥ずかしいですが、若かりし頃は今だけ、金だけ、自分だけ良ければ良いと思って生きていたのが正直なところです。

渋沢栄一 ウィキペディアより拝借

日本型資本主義の原型

20数年前に曲がりなりにも経営者になってから、様々な学びの場に足を運び、経営とは、事業とは何かを考える機会に恵まれたおかげで、本質的な価値創造に気がつくことができたように思います。二宮損得先生は本来あるべき経済の形をたらいに入れた水に例えて、相手側に押しやれば押しやるほど回り回って自分のところに帰ってくると表現されました。渋沢栄一翁は経済と倫理はどちらを優先するものでもなく、表裏一体であると「論語と算盤」の中で説かれています。明治維新から昭和の時代にかけて西欧諸国以外で世界で唯一植民地にならずに独立国として声を列強と渡り合っていた時代のスタンダードは、世のため人のためと言われた社会課題解決と、経済の隆盛を同時に目指したものでした。行き過ぎた資本主義経済の生み出した解決できない数多くの問題を抱える現在、事業は公益性を持ったあるべき姿に戻るべきだと思うのです。

事業ドメインと共に社名変更したつむぎ建築舎

世界平和は中小企業のパラダイムシフトから

琉球アスティーダの早川社長が明言された、これからの事業は社会課題解決型モデルがスタンダードになると言うのは、単にトレンドが来ているとかではなくて、パンデミックが起こり、世界同時インフレになり、戦争が起こっている、混迷を極める今の世界から抜け出すには必要かつ不可分な思想であり、パラダイムだと感じています。私が代表を務める株式会社四方継が2年前に行ったリブランディング、事業ドメインの変更は建築の枠を取り払い、地域の活性化、空洞化が加速する地域経済の課題解決に根ざした試みです。地域のために自分たちが持つリソースを最大限使って貢献することでご縁が循環して建築の事業にも信頼関係に基づいたオファーが巡るようになり、収益が還元されることを目指したチャレンジです。規模感はかなりこじんまりしていますが、それでも明確に地域社会の課題解決にコミットした事業に転換したのは決して間違いではなかったと今になって強く思う次第です。日本中、世界中の企業が本業を通じて社会課題を解決するとのスタンスに立脚して事業を遂行するようになれば世の中はもっと良くなるし、平和になると思うのです。

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四方良しの平和な世界の実現を目指しています。

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