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暗闇で疾走する者達へのささやかなエール

「健康が全てでは無いが、健康を損ねると全てを失う」とはよく聞く誰かの格言、と言うか誰もが知る自明。私は若かりし頃に肝臓を壊してしまい医師に余命宣告を受けた事がありまして、確かに予告通り死ぬな、と一度は40歳であの世に旅立つ覚悟を決めました。ただ、やり残した事が多過ぎて素直に静かに死を受け入れる訳にもいかず、ワンチャン無いか?と時間の取れる範囲で運動を始めました。かれこれ10数年前のことです。
当時、私が始めたのは毎日少しの筋トレと週に一度のランニングだけですが、それが功を奏して医師の目算は外れ、2年を待たずに肝臓は治り、肥満も解消してフルマラソンを完走したり、毎年富士山に登る程、健康思考の人に生まれ変わりました。今では多分、平均年齢位までは元気に生きるだろうと人生設計を組み替えました。寿命が倍になったのです。(笑)

運動こそが人生の生命線

運動の習慣を持つ事で人生(運命?)を大きく変えた私としてはそこを守るのは文字通り生命線であり、マストなタスクとの位置付けでスケジューリング、タイムマネジメントの中でも最優先事項になっています。そんな訳で日曜日の午前中のスケジュールを年間通して押さえて運動の時間に当てて、10数年間に渡って習慣をずっと続けています。もちろん、まだまだ隠居している訳ではないので、たまにはイレギュラーな仕事や所用が入ることもあります。そんな時はランニングの日程を振り替える様にしているのですが、今月は流石に師走、いつになく日曜日の予定が重なり、なかなか厳しい状況で、振り替え日を見つけられずに悩んでいます。

滋賀の湖西での茶の湯のお稽古

習慣は執着が保つ

昨日の日曜日も茶の湯のお稽古がありまして、午前中のランニングが出来ませんでした。茶の湯のお稽古では3時間以上に及ぶ長時間の正座をする関係で直前、もしくは前日にランニングをするなんて絶対にしてはならない自殺行為なのです。ちなみに、お稽古の後もあまり宜しくはありませんが。。
週明けの月曜日も予定が早朝から詰まっているし、しょうがなく私がとった苦肉の策はお稽古を終えて帰宅した後、とっぷりと日が暮れた夕方から走りに行く事でした。習慣を継続するにはちょっとやそっとでは諦めない執着心が必要です。ただ、いつも走っている河川敷のコースは非常に街灯が少なく、真っ暗で足元がやっと見える程度なので危ないのが気がかりでした。チラッとコース変更も考えましたが、アスファルトの道路を走るよりも土の上を走りたい気持ちの方が勝って「ま、いっか、」と、そのままスタートを切りました。

ハインリッヒに顔向けができない

暗闇の中をライトも持たずにランニングするとどうなるか?少し考えれば誰もが大凡の予想がつくと思いますが、結局、私の昨夜の顛末は木の根に躓いてまーまーの勢いですっ転びました。膝も勢いよく打って「子供かよ、」と思わず自分でツッコミを入れてしまうくらい膝小僧を擦りむいてしまいました。大体、事故やトラブルなんてものは全く予想だにしていない出来事なんてことはあまりなく、ハインリッヒの法則(1つの重大災害には29回の小さな事故事例があり300回のヒヤッとした体験があるとの分析により導かれた労働災害の発生比率)の通り、事前に予兆を感じるもので、それに気付かない、気付いても見逃す、分かった上で対策を講じないのが災害や事故が起こる主たる原因だと言われています。建設現場に長年従事してきた者として恥ずかしい限りです。

リスク回避をしないのはマイノリティーか?

ヤバいかもなー、と思っていても計画を変更しない、キッチリと対策を取ることを怠る、予防措置を講じない、分かっているのにそのまま突っ込んでいくのはバカがやることの様に思えますが、実はこれって、今回、暗闇の河川敷を疾走してコケた私だけが特異な例ということではなく、非常に多くの人の事例として散見されます。というよりも、リスクヘッジを完璧に整えてから行動を起こしたり、事業を立ち上げたりする人の方がどちらかというと少数派と言っても過言でないと私は思っています。長年、大工育成を行っていると、事前に気をつけるように注意したにもかかわらず、予告ホームランを打つかの如く想定通りの失敗をすることは珍しくもありません。どっちがマジョリティーかマイノリティーか悩ましい程、危険予知が機能しないことが多いのが実情です。

リスクに対する向き合い方

今回、自分自身の小っ恥ずかしい体験を通して、改めてリスクに対する向き合い方を考えました。結論から言えば、リスクの無い夜ランなど面白く無かろう、コケて膝小僧を擦りむく程度のリスクなら面白くもなんとも無いアスファルトの道を走るよりも鬱蒼と竹が生い茂る河川敷を走る方が楽しいし、私はこれからもこちらを選択し続けるし、なんなら足元が見えない所はもう少しスピードを緩めれば大きな問題では無いと思っています。懲りないタイプと失笑を買いそうですが、人は冒険に心ときめく生き物で冒険とはリスクが伴うからこそ冒険です。一回切りの人生、石橋を叩きまくってなかなか一歩を踏み出せないよりも、最低限、橋が崩れ無い程度の確認で走り抜けてみる方が絶対に後になって振り返った時に後悔は少ないと思うのです。

人生は冒険の旅!

もちろん、危険の察知や綿密な計画策定、予防や対策が必要無いとは思いませんし、元来私は全ての結果や成果は状態に由来するとの原理原則の信奉者です。常日頃から状態を整える習慣を持ち、パフォーマンスを発揮出来る自信を持てる様に努力する前提がそこにはあります。無鉄砲やいきあたりばったりはいたずらに失敗を積み重ねるだけですが、起こりうる全てを把握する事は出来ないと考えれば、完璧な準備を目指す意味は薄いし、どこかでリスクを取らねば何も出来ないと思うのです。そもそも人生って冒険の旅みたいなものだと思うのです。

暗闇を疾走するしかない

平成の終わり頃から令和はVUCA化が進むと言われていました。まさか世界中がパンデミックに巻き込まれ鎖国してしまうとか、すぐ隣の大国が戦争をおっぱじめるとは予想だにしていませんでした。連鎖的に円安やインフレ、木材の供給不足に世界的なエネルギー不足、食糧問題の顕在化、世界中で難民が溢れているのに受け入れる国が無い分断と憎しみが燃え広がる世界はまさに先行き不透明で不安定です。こんな世の中にあっても世の中を良くしたい、業界を変えたい、地域を幸せにしたいと高い視座と広い視点を持って前向きに事業に取り組む経営者は沢山います。まさに暗闇を疾走するかの如く。リスクだらけの道だと思いますが、状態を整えつつ、次々に足を踏み出して貰いたいと思うし、そんなリスクを取りながらも志を叶える為に頑張る人がマジョリティになるべきだと思うのです。社会課題解決型ビジネスモデルに取り組む方々を心から応援しますし、自分自身もその様に在りたいと思う次第です。

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混迷の時代こそ原点回帰、原理原則と共有価値創造の現場実務者向け研修を行ってます!

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