膝蓋腱炎、アキレス腱炎、足底腱膜炎に対して体外衝撃波は有効なのか
こんばんは。
今日は、最近よく話題に上がる衝撃波のレビューをご紹介します。
一度破壊することによって、回復を促すというこの衝撃波が新たな治療としてかなり認知されてきています。
よかったら、読んでみてください。
抄読文献
【腱症状の問題】
腱炎は世界的に増加している問題であり、アスリート、労働者、高齢者など幅広い人々に影響を与えています。
膝蓋腱炎(PT)、アキレス腱炎(AT)、足底筋膜炎(PF)は下肢腱症の一般的な形態であり、性別、年齢、職業、身体活動のレベル、スポーツの種類などがリスクとして認識されています。
PFは人口の3.6〜7%に見られています。
膝蓋腱炎は膝伸展筋の高負荷で発生するもので、アスリートに多く見られます。
アキレス腱炎はアキレス腱に過度な負荷がかかることによって、発生する絵印象です。
本研究では、これらに対して、腱炎に効果的であるとされる、衝撃波療法(ESWT)の適用と臨床的有効性についてレビューします。
【足底腱膜炎(PF)に対するESWTの効果】
Gerdesmeyer et al. (2008)はPFに対するESWTの有効性を検証するRCTを実施しました。
この研究では、ESWTグループとプラセボグループに分けられた患者が、短期間(4週間から12週間)および長期間(最大1年)で追跡調査されました。
結果として、ESWTグループは痛みの著しい軽減と機能の向上を経験したことが報告されています。
これは、PFにおけるESWTの長期的な有効性を示唆する強力な証拠の一つです。
【膝蓋腱炎(PT)に対するESWTの効果】
Zwerver et al. (2011)による研究は、ジャンプ競技に従事するアスリートを対象に、PTに対するESWTの効果を検証しました。
この研究では、ESWTを受けたグループとプラセボを受けたグループの間で、痛みの軽減に有意な差が見られませんでした。
この結果は、PTに対するESWTの有効性が限定的である可能性を示しています。
【アキレス腱炎(AT)に対するESWTの効果】
Rompe et al. (2009)は、AT患者を対象としたESWTの有効性を検証するRCTを実施しました。
この研究では、ESWTグループがプラセボグループに比べて、短期間(4週間から12週間)での痛みの著しい軽減が見られましたが、機能改善に関しては有意差が認められませんでした。
この結果から、ATにおけるESWTの短期的な痛み軽減効果は認められるものの、機能改善に関しては追加的な研究が必要であると考えられます。
【考察】
ESWTはPFに対しては高い有効性を持ち、治療選択肢として積極的に推奨されるべきです。
しかし、PTおよびATに対するESWTの利用は、患者の状態や他の治療法との比較を慎重に検討した上で、個別に判断されるべきです。
また、これらの結果は、未来の研究における新たな治療法の開発や、既存の治療法の改善に向けた基盤となり得ます。臨床家は、これらの知見をもとに、患者にとって最適な治療選択を行うことが求められます。
【どのように活用するか】
体外衝撃波は有効であるということは、本レビューからも明らかであるし、機会があればぜひ行ってみたいと思う。
しかし、現状機器を揃えて実践するには設備的なハードルが高い。
整形外科クリニックなどで、先進的な投資をしているところに関しては、実施可能かもしれないが、実際行える場所はまだ多くはないかと思います。
衝撃波の治療は外部からの徒手的な操作では絶対に行えない内容になってくるかと思います。
それだけ、強い力をかけ、いわば侵襲に近い形の外力をかけることになるかもしれません。
そのリスクをとってでもあまりあるメリットがあるのが、この治療の特性でしょう。
当校でも少し購入を検討しましたが、他に整備したい機器が多く、泣く泣く諦めた経緯はあります。
ぜひ、機会があったら試して、教えてください!
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!