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「マッキンゼーが解き明かす生き残るためのDX」を読んで、あらためて考えたこと【読書メモ】

ひょんなことで、この本の著者の一人であるマッキンゼーの黒川通彦さんとお話をする機会がありました。その中で、現在追い込み中の出版のことを聞き、Amazonで予約注文していた本が届きました!

黒川さんと言えば、「マッキンゼー緊急提言 デジタル革命の本質:日本のリーダーへのメッセージ」(PDF)を以前、うんうん頷きながら読んだことが記憶に新しいです。

どうも勘違いしている人が多いDX

最近、DX関係に関わることが増えてきて、いわゆる「関係者」の人と話すことがあるわけですが、そこでこんなふうに感じる事があります。

何か勘違いしている人が非常に多い

DXのDはもちろん、デジタルなわけです。
そこで、いろいろな教科書的な資料を読んだりすると、DXは3つのステップから・・・

1.デジタイゼーション(Digitization)
2.デジタライゼーション(Digitalization)
3.デジタル・トランスフォーメーション

詳しくはググってもらえばたくさん出てきますが、DXのことを勘違いしている多くの人のパターンは次の2つだと思いました。

【勘違いその1】

なんかデジタル技術を駆使してスゴイことをやらないといけない。

【勘違いその2】

変革もなにもない単なるデジタル化をやることで、DXをやってる気になっている。

まぁ、どっちもどっちですね。
デジタイゼーション(いわゆるデジタル化)が進んでいない会社や組織が、いきなり、やれビジネスモデルの変革だと叫んでみても、自転車しか乗れない人がいきなりF1カーでサーキットを走るようなものですよね。

DXの本質

この本の「はじめに」の中で、DXの本質について次のように述べられています。

DXの本質とは、「生き残るための自社の企業文化の破壊と創造による企業価値の向上」だと考えます。もう少し説明を加えるならば、DXの本質とは「DXをきっかけに、世間の常識からみて、古くなった”自社の常識”を自ら破壊すること」。そして「従業員の意識、共通認識、行動様式を、時代に合わせて創造し直すこと」。その結果、「従業員が、消費者・顧客に選ばれ続けることを目的として、自律的に課題解決を行うこと」「最終的に、驚異が来たときに生き延びられるように、自社の企業価値を圧倒的に高めること」であると考えています。
(P5 はじめに より引用。太字は松田による。)

特に大きな組織や、長く続いている組織を見るとよくわかると思います。どう考えても時代遅れだけど、その組織の中ではそれがフツウ。そんなことってありませんか? 私の周りにはたーっくさんあります。

業務のデジタル化やITの活用は手段であり、その先に何を目指してそれを導入し、活用していくのか?というところが、大いに勘違いしやすいところだと思います。

トップダウン型で、目標をブレークダウンして課題に落とし込むやり方においては特に顕著で、「〇〇すること」「〇〇を入れること」だけが目的にすり替わりやすい傾向にあります。大事なのは「なぜやるのか?」と、それを通して自分たち自身がどう学び、成長し、変わるのか?を考えること。

日本企業の課題1:経営陣の同床異夢

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これも身近に思い当たることです。
日本の企業のおっちゃん達は、圧倒的にデジタルやデータに疎い人が多いと思います。そして、学ばない。いや、学び方を間違えているのかもしれません。

私が考える、今必要な学び方は、「知識を覚える」ことだけではなく、「アウトプット」を前提としてのインプット、そして自ら行動を起こすことです。社外の勉強会やセミナーにガンガン出かけている経営層なんて、ほとんど見ないのではないでしょうか?

日本企業の課題2:デジタル人材不足

これはもう、圧倒的ですね。内部にデジタル化に対応できる人材を持つことを、自ら拒否するような行動を取り続けてきたツケです。

本の中では、IT業務のアウトソース化が大きな要因として挙げられていますが、他にも「社員が外に目を向けることを良しとしない」こと。これが大きいような気がします。

これだけ世の中で、デジタル、ICTに関することが話題になって話題になっていても、「システムのことは苦手だから」と頑なに学ぼうとしない人がたくさんいます。

日経新聞やネットニュースを読んで、言葉を知ってるだけではだめなんですね。

僕らは何をするべきか?

あらためて大切だなと思うことは、

1.外に目を向けること
いや、外に目を向けるというよりは、視座を外に置くことかもしれません。外から見ることで初めて、自社や自分自身を相対的に見ることができます。そして外に目を向けるということは、多様な価値観を持った多くの人と出会い、話をすることもできます。

コロナ禍になって、人と合わなくなった。確かにリアルに合うことはめっきり少なくなりましたが、自分自身について考えたら、人とのコミュニケーションは以前にも増して、広く深くなったと思います。理由はわかりますね。こうやってnoteを経由して私の記事にたどり着いたこともその一つかもしれませんね。

2.学び続ける
学びにもいろいろあると思います。資格取得のために勉強するのもいいでしょう(私の周りでは、kintone認定資格にチャレンジし合格された方がたくさんいます)。資格を取得することも、大切なアウトプットの一つです。

これはまた別の機会にお話しようと思いますが、学びというと、インプットだと思い込みがちですが、「アウトプットを前提としたインプット」これを意識することが非常に大切な気がします。

アウトプットは、資格でもいいし、こうやって文章を書いたり、勉強会やセミナーで登壇すること、さらにはTwitterで学びについてのつぶやきを継続するのもいいでしょう。

新しいITサービスが出たら、すぐ飛びついて自分で触って経験して試してみることも、大きな学びの一つです。ニュースやワイドショーで「怖い」「危険」と言われていることをそのまま信じてしまうより、自分で使ってみて体験してみて自分で考えて判断できるようになりたいと、私は思います。

3.横のつながりを広げる
ずっと組織の中にいると、そこには横のつながりは狭く、上下のつながりが重要視された世界になっていることも多いと思います。しかし、これからの世の中で強い力となるのは、とにかく「横のつながり」だと感じています。

SNS上のつながり、オープンに開催されている勉強会やコミュニティー活動に参加してみること。そのどれもが、社会的地位や組織内の役職、年齢によらず、フラットにつながり合える世界です。

これこそがDXの本質かも

こうやってフラットな目で物事を見ることができ、新しいもの好きで、学び続けることをやめない、広く横のつながりを持っている人。

組織の中にこんな人が増えてくると、なにかおもしろいことが起きそうなきがしますし、変革に対しても勇気を持って冷静に対応できるような気がしませんか?

この世の中の構成員である私達一人ひとりが、アップデートし続けること、これこそが、これからの世の中で求められていることなんじゃないか?

こんなことをこの本を読みながら、あらためて考えていました。
あなたはどんなことを感じ、考えましたか?

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松田正太郎@プロジェクト・アスノート
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