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『ただのお母さんはえらい』という話

母から娘へ


先日、図書館で「母から娘へ伝える昭和の食卓」というレシピ本を借りた。
これぞ家庭料理、懐かしい料理の数々が掲載されていた。


私はstand.fm大人の給食室で、食の思い出、忘れられない食にまつわるエピソードを聴かせて頂くコラボ収録を行なっている。

先日で8回目となった。
ゲストさんの懐かしくも思い出深い食の話を聴かせて頂くと、毎回温かい気持ちになる。

ゲストさんも、記憶の中に眠っていた思い出を蘇らせる良いきっかけになったとおっしゃる。
おばあちゃんの味、お母さんの味、そして私の味。

「代々伝えてね」と言われた訳ではないのに、自然と受け継いでいる。
身体の中に染み込んでいる。

それが家庭料理なんだと思う。

ただのお母さんはえらい


「母から娘へ伝える昭和の食卓」、この本のあとがきに書かれていた内容が心に響いた。

私は今まで、専業主婦の母のことをお料理じょうずな「ただのお母さん」としか見ていなかったが、ただのお母さんほど立派な人はいないことを、思い知らされた。
(中略)
食べるのは簡単だが、作るのはいくら好きだとはいえ、大変なことだと思った。
野菜を洗って切る、もうそこから、食べてもらう人に対する愛の作業が始まっているのである。

「母から娘へ伝える昭和の食卓」松原惇子 著より


私の母も一日三食、毎日作り続けた。
さもそれが当たり前のことかのように… 。

それがどれほど大変なことだったか、当時の私は分からなかった。

家庭料理は単に空腹を満たすだけのものではない。
心も満たしてくれる。
それは作ってくれる人の「手」が加わっているから。
「手」から「愛」が伝わってくるから。

だから私は家庭料理の大切さを伝えている。

そして、これからも伝えていきたい。

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