大学院の進学を検討している方へ
最近、何人かから大学院の進学についてご相談を受けるので、ちょうど進路について考える皆さんに読んでもらえればと思いました
私も自分の大学院のことしか知らないですが、もしご参考になれば幸いです^^
※冒頭の写真は、修士1年の入学したての頃、自分の大規模調査準備に追われながら、別の調査の被験者となり食事コントロールをしていたんですけど、被験者が終了した時のご褒美のケーキです笑
1、そもそも大学院とは?
文科省では、
「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。」
「 大学院は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめて、文化の進展に寄与することを目的とする。」
とされています。
大学は、自分の好きなことや専門性を高めるために知識を授けてもらいながら研究のための能力をつけるところ、
大学院は、自ら研究を進んで行い、文化の発展のために貢献するところ、
という感じでしょうか。
(そう考えると、、、私はあまり文化の発展のために貢献した研究ができたのか、、、曖昧なきがしています💦 )
2、大学院の種類
大きく分けると4つほどあるようですが、栄養士の大学院は1~3が多いのではないかなと感じます。
私の大学院では、もともと1,で、近年3,も取り入れられた形となっているのかなと思います。同じ大学院ではありますが、3,の専門性を高めるコースに入った同期もいます。
1.学部のある大学院
学部のある大学院とは、学士課程(学部)の上級機関となる研究科のことです。例えば、理学部のある大学に理学研究科があるといったことです。研究科には他にも、法学研究科や文学研究科など多くあります。
2.独立研究科
独立研究科とは、その学問に対応する学士課程(学部)を持たない研究科のことです。例えば、エネルギー科学研究科などがあります。さまざまな学部の卒業生を受け入れることで、新しい視点を取り入れたり、新しい研究分野を創出したりしています。
3.専門職大学院
専門職大学院とは、研究を目的とするのでなく、高度に専門的な職業人を養成するための機関のことです。つまり、実務に根差した機関と言えます。
4.大学院大学(独立大学院)
大学院大学とは、学士課程(学部)自体を持たない機関のことです。「独立大学院大学」や「独立大学院」などとも呼ばれています。引用大学院大学には、総合研究大学院大学や政策研究大学院大学などがあります。(引用元)
3、修士?博士?
大学院によって違いもありますが、大体以下のような携帯になっているのかなと思います。私は、修士2年と博士3年が別れている大学院に通っていました。(そのため博士になるためには再度入学試験を受験する必要があります。)
私は、大学院の入学試験を受験して、研究発表をして卒業という形でした。博士の場合は、修士の場合の条件に加えて、卒業までに学会誌などに論文を何本以上掲載されないといけない等の制約があった気がします。
大きく違うのは卒業後の進路かもしれません。修士の場合は企業などへの一般就職も多いですが、博士まで進学した場合には、研究職としての就職や大学に残るなどの選択をする方が多い印象があります。
(図引用元)
4、狭き門?
入学試験自体は、英語、小論文、専門科目のところが多いかなと感じます。英語もどこまでのレベルが求められるかにもよりますが、英検準2級、TOEICも対した点数を取れなかった私でも合格できたので、頑張ればなんとかなるのではないかと感じます。(もちろん、大学院の種類やレベルにもよると思いますが!)
私の代は大学卒業後、大学院に進学したのは、管理栄養士・栄養士の学科約300人中10名くらいでした。また、外部の学部を卒業して母校の大学院に進学した方と実務経験を踏まれて入学された方を合わせて10名ほどおり、20名弱の同期がいました。(同期は、学部から調査を一緒に行ってきた仲間、公認スポーツ栄養士、栄養教諭勤続20年以上のベテラン、産婦人科で働いていた栄養士、元産婆さん、中国からの留学生など本当に豪華な顔ぶれでした。)
5、大学院のメリット・デメリット
【メリット】
・専門職の更なる情報収集ができる
「EBM(Evidence-Based Medicine)」を常に言われ、週に1本くらいのペースで論文を読み漁るので、情報収集能力や読解力、思考力などはとても身に付きます。
・学生料金でさまざまな経験ができ、人に覚えてもらいやすい
学部生の延長かもしれませんが、学生の身分なのでさまざまな面でお得があります(笑)ただ、学部生と違うのが栄養士の養成校を卒業された方であれば、学生ですが有資格者であるということ。また、人とあった時に栄養士の大学院生ってまだまだ少ないので覚えてもらいやすかったなと感じます^^その時のご縁から現在のお仕事に繋がっているものもあったりします。
・就職の選択肢が増える(かも)
特に国や行政、JISSなどで働きたい場合は、修士や博士の取得が必須条件になることが多いので有利に働くことが多いと感じます。ただ、逆を言えば、そういったところに興味がないのであれば、この面でのメリットはないかもしれません。
【デメリット】
・学費など費用がかかる
私の母校は学部は高額といわれていますが、大学院は一般的といわれています。それでも、数百万のお金がかかってきます。もちろん、入学試験や入学後の成績によって奨学金がいただけたりする仕組みもあります。
・社会に出るのが遅れる
修士2年だとしても同期と2年の差がつきます。大学院で学べることもありますが、社会での学びもあると思います。そして、大学院卒業後に年齢だけ見られると中堅的な年齢になっている場合もあり、その年で社会のことを何も知らないの?といわれることにもなりかねません。ただし、大学院の種類が3,専門職大学院などの現場におとづれる機会が多い場合は、そこまで大きな問題にならないかもしれません。
・研究が忙しい
自分で研究計画を立てて、進めていく力が必要になります。研究で扱う調査をする時期は平日は当たり前ですが、土日も返上で準備する、なんてこともありました。(今では懐かしい思い出ですが。笑)
6、実際どんな生活なの?
私の生活が参考になるかはわかりませんが、とある1日をご紹介します。
ちなみに、私がメインで行っていたことは、以下です。
講義:栄養学修士取得に必要な単位、栄養教諭専修免許に必要な単位
調査:中高生対象の調査、中高生の部活動の栄養サポート
論文:貧血関連
6:30 起床・朝食
7:30 家を出る、電車で通学
9:00 研究室到着
9:20 講義・調査準備・調査データ集計・その他
12:30 ランチ
13:10 調査
19:00 学部生対応・調査データ集計・その他
21:00 研究室出る
22:30 自宅到着・夕食・風呂など
23:30 講義課題・論文読むなど
26:30 就寝
こんな感じ。これだけ時間あるなら余裕でしょ、とか思うんですけどね。
栄養学修士だけなら講義数は少ないんですけど、栄養教諭専修免許によって講義数が多くなり、自分の調査でも外出することが多かったのですが、教職でも現地見学に行くことがあったため、修士1年はひたすらバタバタしていました。だから、大学院以外のことを考える余裕は全くありません。笑
修士1年が終わる頃にやっと落ち着いてきた、と思ったら、論文発表の準備に取り掛かるという日々。
しかし、この少し落ち着いたくらいで今お世話になっている栄養士さんやトレーナーとも出会う機会が多く作ることができて、今があります。
私は大学院内外での生活の中でさまざまな方と学会やセミナーなどを通して学びはもちろんですが、繋がりを広げられたので進学をしてとてもよかったと感じます。
もちろん、修士を卒業しながら今のキャリアなのかという声もあるかと思いますが、後悔はしません。そもそも私は研究をしたいというより、学部でサポートしていた中高生を継続してサポートを継続したいということで大学院に進学しました。(大学院の種類としては1,学部のある大学院で、研究が必須だったので行いましたが。)進学の目的はさまざまだと思いますが、その目的が大学院でしか達成されないのであればチャレンジしてもいいのかなと感じます。
大学院は、何より担当教授との相性などもあるので、そこは先輩たちにヒアリングするなど要チェックすることを強くオススメします!これだけこもっているので、合わない人たちと一緒に生活すると本当に病むのではないかと思います。。。
私は同期や先輩・後輩に恵まれ本当に幸せに大学院生活を過ごすことができました!!なので、迷っている方は、一度教授や大学院生に様子を伺うのが一番かと思います!(特に変わったことが言えずに申し訳ありません。)
大学院生時代にお会いした今でもご縁のある栄養士さんたち
ずっと一緒に活動していた2研究室の同期と後輩
よろしければサポートをよろしくお願いいたします!いただいたサポートは管理栄養士としての活動費に使わせていただきます!