勝ちたいならトンカツは食べない。果物は夜に食べる。
プロのスポーツ選手やオリンピック級のアスリートには、個人またはチームに専属の栄養士がついて食事指導をしています。
こういう栄養士は「勝つためにトンカツを食べろ!」とは絶対に言いません、たぶん(笑)。
昔のスポーツの世界は、「たくさん食べて、ひたすら練習」といった単純なものでした。
しかし今では「食事内容の良し悪しで選手のパフォーマンスが大きく変わる」と広く認識されているようです。
食事内容の良し悪しでパフォーマンスが変わるのは、スポーツだけではありません。
頭脳を使うときもそうでしょう。
将棋の棋士が対局中の食事やおやつに何を食べたかという記事やニュースをこのところよく見かけます。
そのいっぽうで
「もっとパフォーマンスを意識した食事内容に変えたほうがよい」
と栄養士がコメントしている記事も見かけたことがあります。
棋士にも専属の栄養士がつく時代が来るのかもしれません。
アメリカの学校では、通常の科目のほかに、わざわざ
「学力向上を目的とした食事指導」を時間割に組んでいる
ところがあるそうです。
食材を選び、脳の活性化につながる食事パターンに従うことで、学力が向上すると考えられているからです。
そうした学校で指導されている内容をいくつか挙げると、こういうもののようです。
「高タンパクの食べものを小分けして勉強の合間に食べなさい」
「ナッツと人参、セロリを混ぜたサラダを食べなさい」
「勉強中は、十分に水分補給をし、脳のエネルギーレベルを維持しなさい」
「空腹時には甘い菓子を避けなさい」
食事内容はタイミングによっても変わります。
アスリートには「試合の日」という「本番」があります。
将棋などの棋士にも「対局の日」という「本番」があります。
学生の場合は「試験の日」という「本番」があります。
ビジネスパーソンにはたとえば「プレゼンの日」のような「本番」があります。
そのため、こうしたパフォーマンス目的の食事指導では、
「本番」当日の食事
「本番」前日の食事
「本番」前の1週間の食事
ふだんの食事
を分けて考えることが多いようです。
プロ野球のようにシーズン中に毎日のようにゲームがある場合は、
シーズン中の食事
オフシーズンの食事
トレーニング期間中の食事
というふうに分けたりします。
最近は「時間栄養学」という学問が研究されてきているため
朝に食べるもの
昼に食べるもの
夜に食べるもの
を分けて食事指導をする動きもあります。
たとえば前述したアメリカの学校では、「果物は夜の8時~9時半に食べなさい」という指導が行われているようです。
食事指導が緻密になってきています。
食事をこのように細かく管理するのが良いことなのかどうかは一概にいえません。
その人の価値観によっても違うでしょう。
「食事は楽しむものなのに、そんな細かいルールを課せられたら楽しめない」
という人もいれば、
「食事をコントロールすることが目的達成につながるなら、そうする」
という人もいます。
あなたはどうでしょうか?