【学生取材 #3】プラントベースを通じて、食と地球と人をつなぐ 学生団体LiNK
こんにちは! 食マネジメント学会です!
学生取材第3弾は、学生団体LiNK 共同代表の食マネジメント学部3回生 鈴木 実来(すずき みく)さんにお話を伺いました。
LiNKは、『プラントベースを通じて食と地球と人をつなぐ』をコンセプトに、大学生協食堂との連携によるプラントベース*のメニュー導入やネクストミーツなどの企業を巻き込んだイベントの企画・実施、大学外での様々なイベント参加、Instagramでの情報発信、また、ヴィーガンメニューを導入したい他大学の学生への情報共有やアドバイスなどを行っています。これらの活動を通じて「プラントベース」を切り口として、あらゆる食の課題やサスティナビリティに働きかける学生団体です。
活動のきっかけ
高校時代にオーストリアへ留学をしていた当時、仲が良かったスペインからの留学生の友だちがヴィーガンの食事に切り替えた事に関心を抱き、その彼から勧められたドキュメンタリー映画「COWSPIRACY (カウスピラシー):サスティナビリティの秘密」を観た。その中で工業的畜産が生産過程でもたらされる
・水・土地・穀物などの資源の大量消費
・家畜のエサとなる穀物や大豆を育てるための大規模な森林伐採
・大量の温室効果ガス排出が畜産に及ぼす大規模な地球環境への影響など
工業的畜産とサスティナビリティとの密接なつながりを知ったことで、現代の食糧システムに危機感を抱き、「今の自分にできるアクションを起こしたい」という思いが芽生えた。それから、1番身近ですぐにできるアクションである、食生活をプラントベースに切り替えることから始め、1回生の秋に立命館大学の学食にプラントベースメニューを導入することを決心し、2回生の春、国際関係学部の学生2人と共に学生団体LiNKを立ち上げた。
プラントベースを選んだ3つの理由
1つ目は、プラントベースの食事は動物性中心の食事に比べ生産過程での環境負荷が圧倒的に少ないという、地球環境へのメリットから。2つ目は、プラントベースの健康面のメリットから、鈴木さん自身、食生活をプラントベースに切り替えたことによって、腸内環境が整い、ニキビができにくくなり、アレルギーが改善し、だるさや疲れを感じにくくなり、以前よりも活発に動けるようになった、など、元々体が弱かったという自身の健康状態が劇的に改善したことを体感!(なんと…!)また、プラントベースの料理を作り始めてから、「肉や魚なしでも、栄養豊富で満足感のある、美味しい食事が作れる!」と発見!そこで、鈴木さんの家族にもプラントベースの夕飯を作ると、家族から「えー!これ本当に野菜だけなの!?」という驚きや笑顔を浮かべておいしそうに食べてくれたそうだ。そして、弟や妹がスポーツや学業で元気に活躍する姿を見てどんどん元気になっていくことを実感した。このような経験を経て、プラントベースは地球の健康のみならず、私たちの健康にも良い影響を与える事ができると考えたためだという。3つ目には、食の多様性への対応という観点からもプラントベースは可能性を秘めていると考えたからだという。大学入学後、学生数が多く、また留学生も多く在籍する多様性に富んだ立命館大学の学生食堂において食の多様性に対応できていないことに課題意識を感じたと話してくれた。プラントベースは、植物性の食品のみを使用するため、食品アレルギー(乳製品・卵・甲殻類など)や宗教や個人の志向による食の制限などの食の多様性に幅広く対応できるというメリットもある。プラントベースメニューを学食に導入することで、そのような食の制限や志向を持った学生たちの食の選択肢を増やす事にもつながると考えたのであった。
これまでの取り組み
食堂へプラントベースメニューの導入を実現させるまでには、コロナ禍の影響などもあり、働きかけを始めてから約1年の期間を要した。去年の11月、BKCのユニオンカフェテリアで、初のプラントベースメニュー(石焼マーボー丼 ソイミート餃子付きセット)の導入を実現させた。今では、生協食堂の方々の協力的なサポートの下、衣笠キャンパス(KIC)を中心に、定期的なプラントベースフェア「VEGE WEEK」を実施し、人気のソイミートからあげをはじめとする多様なプラントベースメニューを提供している。先月には、BKCとKICの2キャンパスにて、VEGEWEEKを同時実施し、どのメニューも売れ行きは良く、特にキーマカレーはお昼休みが始まってすぐに並んでも売り切れてしまうほどの人気だったという。
さらに、VEGEWEEKを行う傍らで、一食につき20円がアフリカやアジアなどの途上国の子どもたちの給食として贈られる「TABLE FOR TWOプログラム」の導入にも成功し、ソイミート唐揚げをTFTの対象メニューとして多くの学生に食べてもらうことで、計1057食の給食を届けることができた。他にも、ヴィーガンシェフを大学に招き、食堂のキッチンを「ジャック jack」して、ハンバーガーや牛丼、サラダラップなどの本格ヴィーガン料理を提供する「キッチンジャック」企画、食堂以外でも、学生キッチンカーSizとのコラボなども実施していた。
これらの取り組みを行うことで、学生がプラントベースを切り口に、食の多様性や食のサスティナビリティについて考え、学び、話し合う機会を創り出していきたいという。
これからの団体
「継続性」を鍵に挙げていた。今は、定期的なフェア実施を通じてプラントベースメニューを販売しているが、本年度中に衣笠キャンパスにてレギュラーメニュー化することを目標に働きかけを今後も行っていきたい、メニュー導入のみならず、今後も企業との共同開発やトークイベントの実施なども視野に入れながら、LiNKの活動に関わってくれる人の輪を広げていきたいと話してくれた。
また、鈴木さんら創設メンバーが卒業した後も、持続的に大学の食堂にプラントベースメニューが並び、今後も多くの後輩たちにプラントベースメニューを食べてもらえるよう、引き継ぐ学生メンバーが安定した働きかけを行えるための活動の「仕組みづくり」にも取り組んでいきたいという。
最後に、大学の授業などで環境問題やSDGsについて触れる機会も増えていると思うが、それらの社会課題に対して、誰もが、すぐに取り組むことのできるアクションの一つとして、「プラントベースを選択する」ことを提案したいと話してくれた。学食にあるヘルシーでおいしそうなプラントベースメニューを選んで、「今日はちょっと地球にいいことできた」という気持ちになる人が増えていくことで、少しずつでも社会に良いインパクトを与えていけるのではないかと思う、と話してくれた。
ということで、プラントベースを切り口に様々な企画に挑んでいる学生団体LiNKさんでした!プラントベースごはんを食べることで、お腹も満たされて、環境問題に貢献できるのは、一石二鳥ですよね!こんなに魅力や可能性の詰まったプラントベースやLiNKさんの動向に今後も注目ですね!!
LiNKについてもっと知りたい!という人にはこちら↓
・LiNKのInstagram:https://www.instagram.com/link_rits/
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