大切な場所を守るための小さな約束
あなたにとってのお気に入りの場所はどこだろう。
かしこまった場所ではなくて、
例えばバターの香りがたっぷりするパン屋さん。
すでにケースに並んでいるのに、
揚げたてのが美味しいから1分待ってって元気な女将がいるコロッケ屋さん。
いつも行くと顔馴染みの店員さんがいるコンビニ。
きっと人それぞれ違うと思う。
そんなお気に入りの場所が遠ざかってしまいそうなこともあるかもしれない。
好きな場所だけど、あんな気持ちになりたくないし。
そうやって遠のいてしまう時があるかもしれない。
私は最近部屋にお花を飾るのが好きで、時折お花屋さんに行く。
顔馴染みの店員さんが、今日はこの子達が新しいお花ですよと手入れの仕方を教えてくれる。
少し前にお花を買いに行った。
先客がいる
小さい女の子とお母さん。
女の子がお花屋さんの中を飛んだり跳ねたりしてる。
お母さんはお花を選びながら、そういうことしないのって言ってる。
我慢できなくなったのか女の子がお花屋さんの中を走って、私にぶつかった。
お母さんが、ほら!怒られるから辞めなさいって注意する。
いつも穏やかな店員さんはハラハラした顔をして私を見る。
あれ。
なんだっけ?
この感覚昔もあった。
怒られるから辞めなさいってなんだ?
あの時確か・・・
ああ、あれは私が小学生の時、おばあちゃんとスーパーに買い物に行ったんだ。
スーパーで小さい男の子が走り回ってておばあちゃんにぶつかった。
その時男の子のお母さんも同じセリフ言ったんだ
ほら!怒られるから辞めなさい。
あの時おばあちゃんたしか。
ああ、そうだ!
思い出した。
私は、ぶつかった女の子に目線があうようにしゃがむ。
ねえ、ここのお花屋さんのお花綺麗だよね。
私ね、ここ大好きな場所なの。
私は歩けるし、今みたいにぶつかっても怪我は多分しないと思う。
でもね
走って花瓶が倒れたり、それで怪我したら痛い思い出になってさ。ここにくる時思い出しちゃうかもしれないよね
お花もびっくりしちゃうと思うんだ。
ここのお花屋さん好き?
女の子がうんって頷く。
誰かに怒られるから走らないんじゃなくて、大好きな場所大事にしてくれたら嬉しいな。
女の子のお母さんに顔を合わす。
ここのお花屋さんって生き生きしてて元気になるから小さい子は走りたくなっちゃいますよね。
私、お母さんになったことないし独身なんですけど。お母さんっていつもすごいなって思うんです。
やっぱり大変なこと私が想像する以上にたくさんあるんだろうなって。
私ここのお花屋さん大好きなんです
きっと一緒ですよね^^!
ぶつかったお詫びをと言っていただいたので、私に似合いそうなお花を選んでもらった。
小さい女の子が、黄色似合う!元気色!って言ってくれた。
一緒に手を繋いでおばあちゃんの家に帰る時
おばあちゃんね、
あそこのスーパー好きなのよ。
店員さんいつも声かけてくれるでしょ。
強い言葉で誰かを否定してもその時だけしか効果がないの。
またあの場所に行きたいなって、
そうやって思える方がお互い楽しいじゃない?
自分の大切な場所はね、自分で守りなさい。
守り方はね、1つじゃないから。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
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