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お前の意見に左右されるほど人生暇じゃねぇんだよ

帰り道、ふと耳に引っかかった会話があった。

いつも通る道にイギリス風のパブがあって、入り口のそばで男女がタバコを吸っていた。
男性はスーツ姿、女性は綺麗めな服装。仕事終わりに寄ったのかな?関係性は不明。
大したことない光景だったのに、妙に耳に残る。男性が言ったんだ。

「タバコ吸う女の子って、なんか勿体ないんだよね。俺、そういうの好きじゃない」

典型的な“俺の好み”アピール。別に聞いてないのに、求めてもいない価値観を語る人っているよな、と思いながら通り過ぎようとした瞬間、その女性がさらりとこう言った。

「お前の意見に左右されるほど人生暇じゃねぇんだよ」

その声の軽さが、なんというか、最高だった。

男性の言う「勿体ない」って何だろう? 彼の頭の中には“こうあるべき女性像”があって、それに外れるのが「勿体ない」らしい。なるほどね、自分の好き嫌いを基準に他人を判断しちゃうのか。
わかりやすい。

でも、「勿体ない」って本当は自分の都合を押し付けてるだけ。
タバコ吸うかどうかなんて、健康リスクは本人が一番わかってるだろうし、それをわざわざ「俺、好きじゃない」って言ってしまう感じ、まるで自分がその人の親か監督か何かみたいだ。しかも男性はタバコを吸う。なぜだ。
ちなみに私はタバコが好きじゃない。喘息が悪化する。
タバコを吸う人が好きじゃないんじゃなくて、喫煙マナーを守らないで吸う人が好きじゃない。

で、その後の「暇じゃねぇんだよ」だ。これがもう、本当にスッとする返しにしかみえない。


世の中、暇じゃない人が多い。自分の人生に追われて、目の前の課題に集中して、他人の意見を気にしてる場合じゃない人たち。きっと彼女もその一人だったんだろう。

タバコを吸う理由なんて、単純に好きだからかもしれないし、ストレス発散かもしれない。理由は何だっていい。自分で選んでるだけの話。それを他人にとやかく言われたって、「いや、こっち忙しいんで」って感じだろう。

でも、この返しをただの“切り返し”で終わらせないあの軽やかさがすごい。黙らず、愛想笑いをせず、彼女のテンポで返す。これが「暇じゃない人」の余裕なのかもしれない。

他人の「こうしたほうがいいよ」とか「こうしないともったいない」とか、そういうのに振り回される時間が一番もったいないってこと。

人生の時間は有限だ。誰かに合わせて、自分を変えたり、我慢したりする余裕なんて、本当はどこにもない。もちろん、時には相手を思いやって歩み寄ることも必要だけど、何でもかんでも他人の価値観に寄り添っていたら、自分の時間なんていくらあっても足りない。

タバコを吸うか吸わないかは、その人の自由。自分の人生の主役は自分しかいないんだから、他人の価値観なんかで動かされる必要はない。

結局、暇じゃないほうが幸せ

帰り道、その女性の言葉がずっと頭に残ってた。「暇じゃねぇんだよ」って、すごくシンプルなのに、あらゆる人間関係の答えみたいな気がする。

暇じゃない人は、自分の人生を自分のために生きてる。他人の価値観に振り回されないし、逆に他人を支配しようともしない。余計なことを言わないし、言われても軽やかに受け流す。そんな生き方に、ちょっと憧れる。

パブの前で立ち止まっていた彼女の姿を思い出しながら、私はそのまま家に帰った。そして次の日、少しだけ背筋を伸ばしてみた。
「お前の意見に左右されるほど人生暇じゃねぇんだよ」
そう言える自分でいられるように。

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きっとこの言葉遣いにも、女の子なのにと眉を顰める方もいるでしょうか。
自分の人生は自分のもの。
モンスターになりきれない、もんすたーには、合掌をして私たちは私たちの人生を奏でましょう。

大切な時間を使って読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます。
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