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いただきますとごちそうさま。⑲
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摂食障害は、医師やカウンセラーなど、専門家のサポートを受けながら治療を進めていくというのが、本当は一番理想的だと思います。
臨床の現場で、数多くの患者さんを診ているプロだからこその、視点や気付き、アドバイスなどは、いくら私が独学で勉強したところで、とても得られるものではないからです。
実際、SNSやブログなどを見ていると、すごく多くの方が、そうやって病気を克服しているようです。
だけど、私の実体験としては、病気の根本原因まで手を伸ばし、根っこから病気を改善しようと、真摯に伴走してくれる医師やカウンセラーは、極めて少ないです。
その多くが、例えばイライラが収まらないとか、夜眠れないとか、お腹が痛いとか、その時々の私の訴えに応じたお薬を処方し、診察の際は「調子はどうですか?」です。
きっと、素晴らしい医師やカウンセラーに、私が巡り合えていなかっただけだと思います。
それに加え、相手に頼るように治療に臨む私の姿勢も悪かったと思います。
…今思えば、患者としてのレベルが低かった。
医師やカウンセラーの使う専門用語も、薬の種類も出されるがままで、自分でそれがどういう意味なのか、どういう薬なのか、まったく調べようともしなかったんですから。
「治療の全権限と全責任を持つと決めた「私」の専門家である私ですが、ちょっとサポートをしてもらっていいですか。」
本当はそのくらいのスタンスでよかったんだと思う。
とにかく、医師やカウンセラーの力を借りて治療を進めるのであれば、主体性を持って臨むこと。
でなければ、私のようにドクターショッピングを延々と繰り返すことになってしまいます。
なかには、自分の治療方針に異を唱える患者、意見する患者を良く思わない専門家も居ます。
ここで挫けたり、悲観してはいけない。
「私」の思いや意見を伝えた上で、それよりも自身のエゴやプライドを優先するような専門家であれば、その自称専門家に何を期待するでもなく、さっさと別の機関にかかれば良いだけです。
私のことに関して、一番真剣なのは私なんですから。
真剣でない人を、絶対にチームに入れてはいけない。
…かなり精神的にはキツいですけどね。病院を変えるというのは。
結局、私はチームを組めるような専門家には巡り合うことができず、一人で治療を行ったわけです。
(それが良かったのか、それとも、そのせいで治療に時間がかかってしまったのか、今となっては分かりようがありませんが…。)
とにかく、専門家のサポートを受ける、受けない、どちらにせよ、「私」が「私」を治すと決めること。
そうすれば、誰だって摂食障害を治すことができるんだと、私は信じています。