お墓参りハイキング
ここのところ、週に一度は父の墓まで行っている。我が家から徒歩5キロ。行って帰っていい運動なのだ。
思い立って、今日はいつも歩く道ではなく、丘陵のハイキングコースから行ってみた。見える風景の感じと方角的な感じで、あのハイキングコースと、いつも歩く車道とは絶対に繋がっているはずなのである。
先週、娘と歩いた時に、わたしが車道から脇道に入ろうとするたびに、ひどく怒られたから、今日は一人。絶対、繋がっている道を見つける!
歩き出す。大好きな道である。緩やかな丘陵の頂の小道。子供たちが小さな頃は良く歩いたが、近頃はご無沙汰していた。久しぶりすぎて、嬉しくて仕方ない。
おや。途中の牛小屋の牛たちがいない。藁はそのままだったから、急にどこかに行ってしまったかの様。牛の鳴き真似をすると、みんな挙動不振になってキョロキョロしたのが面白かったのに、また、牛と話ができる日は来るのだろうか。
先へ進む。脇の生け垣の背が伸びている。
しかし鬱蒼としていた樹々は切られて明るくなっている。植樹、と言いう立札を見て安心する。また、何年かしたら森の中の小道の様になるだろう。
幸せだ。歩いてるだけ。でも、本当にいい道なのだ。
スマホの地図で確認して、ここだ!という脇道に入る。奥の畑に人がいたのでコッソリモード。突き当たってしまった。しかし、下に轍が見える。斜面の獣道を下る。娘がいたら絶対怒られた。
しかし、今日は、やった!通り慣れた車道に出た。
父の墓のある霊園に到着。まだ販売エリアが広々と空いている。父のお墓に手を合わせて、そのまま気持ちの良い芝にゴロンと横になって空を見た。
ここのところ、よく鳥のさえずりが聞こえる。世界はこんなにのどかだったっけかな、と思ったら、いつのまにか眠ってしまっていた。
他に人なんて見当たらなかったから、誰にも何も言われなかったけれど、お墓の中の皆さん、すみません。
しかし、深い眠りだった。見ていた夢の内容は起きた瞬間に忘れてしまったけれど、感覚が不思議に残った。帰りの道で、ひどく可笑しい気持ちがして一人で笑ってしまったから、どうやら楽しい夢だったのだろう。
帰りの道では、また、チャレンジしたい脇道があった。
入ってみると思っていたより藪。つまり、ハイキングコースに繋がらない。藪をガンガン進む。引き返すのが嫌なのだ。
娘に借りたジーンズできた。ドロボウ、がくっついたのが知れたら、怒るだろうな。やっと、藪を抜けた。わかる道だ。
そのまま、帰宅。
肉体は心地良い疲れ。心はとても幸福。1日が経つのが早い。
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