7月第3水曜日 実家手伝い
ケアマネさんの月次訪問、生協宅配物の整理、キッチン清掃、母の話を聞く
ケアマネさん。
さすがに暑いので、最近はマスクを外しているが、初めに会ったときからずっとマスク姿しか見ていないので、マスクを外した顔になかなか慣れない。目の印象から、勝手にマスクに隠れた鼻と口を想像してしまうものなのだな、と思う。
電動車椅子導入に向け、訪問リハビリの際に玄関の段差乗り越えの訓練に力を入れている母。最近はかなり上達しており、涼しくなったころに電動車椅子に切り替えたいという話をする。
同席していた父に、ケアマネさんが話を振った。このごろは出ていなかった「たまには母にショートステイに行ってほしい」という話が久々に出る。ケアマネさんが、近所に比較的自由度の高いショートステイの施設があると言っていたので、スマホに施設名をメモ。涼しくなったら一度見学に行ってみてもいいかもしれない。でも、食べられないものがやたら多い母。食事がネックなんだよな…と思う。
ケアマネさんが帰ってから、なんとなく母とゆっくり話す。
私の娘が近所の公園でやたら人慣れしている猫と遊んだ(全然逃げないので、かなり長時間のどあたりをなでていた)という話から、母のペット遍歴の話に。
私が実家にいたころは猫、うさぎなどを飼っていたが、私が生まれる前にもいろいろ飼っていたらしい。初めて聞く話だった。
文鳥を飼っていたこともあったという。やたら人になつく文鳥で、かごから出すと母の体にまとわりついてくる。あるとき、足元にいることに気づかず、うっかり踏み潰してしまったらしい(…!)。すごくショックだった、と言いつつ、なぜか爆笑している母。
あと、亀を飼っていたこともあり、結構長いこと飼っていたのだが、水槽を洗うのに外に出していたとき、うっかり団地(5階)の廊下から転落し、それが原因で死んでしまったらしい。このときもすごくショックだった、と言いつつ、ずっと笑っている。
私もなんだかよくわからないが笑いがこみ上げてきて、二人でしばし笑っていた。
母は、なんだかよくわからないことで笑いが止まらなくなっていることがしばしある。これが母の持つもろさのようなものとどこかつながっている気がしているが、うまく説明はできない。
さらに、沖縄の母の実家では、豚、鶏、ヤギ、うさぎなどを飼っていた、というような話も聞いたが、細かいことは忘れてしまった。
7月 第4水曜日 実家手伝い
福祉用具の定期点検、いつもの手伝い
8月 第1水曜日 実家手伝い
訪問リハビリ立ち会い、いつもの手伝い
訪問リハビリ時に訓練している玄関の段差乗り越えがだいぶ上達しているということで、訪問リハビリに立ち会い、上達ぶりを見学。介助方法を教わるつもりだったが、特に介助の必要はなく、見守るだけで大丈夫そう。今担当してくれている理学療法士さんは、チャキチャキ、サバサバとしていて気持ちのいい方。
最初のころに担当してくれていた方が異動したり、退職したりで何度か担当者が変わったが、結果、今来てくれている方とは、母はとても相性がいいようで、ほっとしている。
母はリハビリにはかなり前向きなので、理学療法士さんとしてはやりやすいのだろうと想像する。かなり微妙な新興宗教の信者、という側面は、私にとっては大問題でも、仕事として母のケアに関わる方々にとっては、(頻繁に勧誘とかをしてきたり、教義を理由に何かを拒んだりしてこない限りは、)「そうなんですね」という程度のことなのだろう。私が彼女の立場でも、当然そうだろうと思う。当たり前のことだけれど、「そうなんだよな」としみじみと思う。
飲み終わったペットボトルが床に散乱していたりするキッチンを、淡々と片づける。子どもか、と思う。85歳と77歳の子どもが二人で暮らしているのかもしれない、とふと思ってみる。自分の状態によっては、怒りにまみれながら掃除をする日もあるが、この日は不思議と、怒りはあまり生じなかった。
8月 第1木曜日 母の月イチ通院に付き添う
お盆休み前ということで、病院も薬局もいつもより混んでいた。
いつもは血圧のことで、医師と母との間で小競り合いがあるが、今日はもう、この暑さで元気そうなら二重丸、みたいな対応であっさり診察終了。
薬を飲みたがらない母にどう対応したものか、依然として悶々とするが、北風と太陽みたいなもので、私が言い方を軟化したら、母のほうも頑なさが少し抜けた気がする。
8月 第2水曜日 実家の手伝い
かぼちゃ煮、チキンナゲット、キノコマリネ、タマネギの酢漬け 持参
ざっと雨が降ったりやんだり、天気が不安定な日だった。
実家に着くと、母がYouTubeを見ていて、開口一番、「この動画によると、コレステロールの薬はあまり意味がないらしい」みたいなことを言ってきて、少しイラッとする。母は結構な頻度でYouTubeを見ている気がする。「うさんくさい情報も多いと思うから、気をつけたほうがいいよ」と言うと、「変なのは見ていないから大丈夫」とか言ってきて、余計にイラつく。「ちょっと情報を入れすぎじゃない? というか、私が来ているのにずっとYouTube見てるって、失礼じゃない?」と言うと、不本意そうにしながらも視聴をやめた。
両親に怒りを感じる頻度がかなり減ってきてはいる。が、当たり前だが、怒りがゼロになったわけではない。この日はイラつきが少し強かったので、最低限の掃除や頼まれ仕事をして、母とはあまり話さず、さっと退却した。キツさを感じたら、逃げるのが一番。
以下、読んだ本から引用。
図書館で借りていた
・『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』 解説 斎藤環
・『なぜ人はカルトに惹かれるのか ――脱会支援の現場から』 瓜生崇
・『家族』 村井理子
から。
こんなつもりではなかったのだが、読み返し始めたら、『なぜ人はカルトに惹かれるのか』からの引用が膨大になってしまった…
そのくらい、私にとっては身につまされる内容だったようだ。
書き方が全体的に少しナイーブすぎる気はしたし、主な読者として想定しているのは、カルトに入った子どもを脱会させたい親であるようだった。
この本に書かれているような姿勢で私が親にかかわるのは、かなり険しい道だと思う。
それでも、親とのかかわりを考えるうえでのヒントは多かった。
引用しているうちに、オープンダイアローグの本とこの本に書かれている内容がかなりリンクしていることに気づけたことも収穫だった。
オープンダイアローグの本にあった、「対話とは、主観と主観の交換である」、「向こうは主観を話しているけど、私は客観的、という態度ではうまくいかない」という言葉にはっとした。
母に会う直前に、毎回これらの引用をざっと読んでから臨むといいかもしれない、とちょっと本気で考えている。