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Berlin移住9年後のリアル -Berlin生活のポジティブとネガティブ総集編-


はじめに

いざ結婚してみたものの、価値観が合わなくて、この先一緒にいても将来が見えないし、ずっとドイツとの離婚を考えていたが、なかなか離婚に踏ん切りがつかず、ズルズルと9年も結婚生活を続けていた。

でも、ようやく離婚を決意した!

ってな具合で、前回こんなブログを書いて

かつても

こんなブログを書いたのだが、帰国したら忘れてしまいそう&ベルリンどうだった?!と1000%いろんな人から質問攻めになると思うので、ベルリンに約9年住んでの総評を、今感じることを、16カテゴリーごとに忖度なく書いておこうと思う。

ちなみに、毎度お馴染み、これは完全に翔子個人的主観なので、これが絶対ではないので、ふーん、という感じで読んでいただければ。

人それぞれ感じることは違うと思うので。

ぜひ自分でその国へ飛んでみて、自分の肌でどう感じるのか、思うのか、考えていただけばと思う。

総合

ベルリンの壁

今ヨーロッパに来たい!と思っている方は、今魂が来たい!と言っているのだから、人生1回しかないので来たらいいと思う。と、同時に、コロナ&ウクライナ戦争以降、今ヨーロッパ全体エネルギーが落ちていて、ポジティブなエネルギーではないので、移住するには相当な覚悟が必要と思う。加えてベルリンは、歴史的に悲しい過去がまだ癒えていないせいか、非常に気が重い街である。

現在ドイツの経済も政治も下降の一端を辿っており、上向きの兆しはない。EUをリードしているドイツがこんな経済状態では、この先EUはどうなっていくのだろうと不安である。移民が増えてEU全体治安が悪化し、右派が台頭してきたので、移民として生きていくには向かい風である。ビビらせたくはないが、この国でこれが学びたいのだ!これがやりたいのだ!という強い意志がないと、決してeasyではないし、それなりに大変かと。いざ住んでみると、ありとあらゆることが日本よりまともでないので、「海外に来たらキラキラ生活!パラダイスである!」という幻想はあまり抱かないほうがよい。

ポジティブ
・外に出ることで、日本の良さを再認識し、母国愛が強まった
・かつてより日本への興味が湧いた(日本にずっといたら、客観視できずに嫌いになり続けていたかもしれない)
・海外や世界に対する幻想や憧れが一切なくなった
・どこにでも生きていけるような生きる力と自信を得た
・日本で経験できない経験をしまくって経験値と視野が広がった
・以前より自分自身を理解し、自分の好き嫌いなど、自分の取り扱い説明書が分厚くなった
・逆に離れすぎていることで、日本との友達と頻繁にやりとりすることとなり、より仲良くなった(日本にいると逆にすぐ会えるので、ここまでマメに連絡しなかったのかも)
・9年前より、世界との心理的距離が近くなった

ネガティブ
・とにかく、もう色々疲れた
・離婚を決めてから、無にしていた心のロックが外れてしまったのか、色々ドイツ生活が耐えられなくなってきた

社会

かつて、東と西が分かれていた国境、チェックポイントチャーリー

全てがパーファクト!なんて国は存在しないと思うのだが、ドイツ社会も、生きやすい部分と生きにくい部分が共存している。日本のような同調圧力は少なく(外国人だから分からなかったというのもあるとは思うが)、個人主義で伸び伸び生きていける反面、各々個人の主張が強過ぎて、他者への配慮が乏しい。ストレート発言文化なので、裏表がなくて分かりやすいが、はっきりクレームしたり、キレないと生きていけない文化なので、つねに戦闘モードをONにしておかなければならず、疲れる。「自分が一番である」ということは生きる上で重要であるのだが、我(われ)が一番で、他者への配慮が乏しいこのドイツ西洋社会が果たして美しいのか、と言われると、美しい精神性を持っているとは、個人的には思えない。

また、ベルリンは社会主義と資本主義が融合した街であり、東ベルリンにずっと住んでいた翔子にとっては、まだほのかに薫る社会主義をじんわり接する9年間であった。質素倹約で贅沢がよしとされない雰囲気とか、秘密警察の監視社会が長かったせいか、根底に人が人を信頼していないオーラをたまに感じる。自分は、資本主義で育ったのだな、社会主義は合わない、と思う。ただ、いらなくなったものをすぐ捨てずに、道端に置いておいて誰かにあげる、モノをみんなで共有する、という、社会主義の名残はいいカルチャーだとは思う。

よく日本とドイツは真面目で似ている、と言われるが、個人的にドイツと日本が似ているだなんて思ったことは、一度もない。確かに、かつて日独伊三国同盟を結んでいたし、ヨーロッパの中では比較的真面目な部類の人たちではあるが、公共交通が定刻で進むなんて稀だし、社会サービスなんてスムーズに行くことなんてほぼないので、日本に比べて真面目っぷりは全然で、かなり適当である。

日本とドイツが根本的に違うと思うのが、ドイツにはエモ要素が全然ない。ありとあらゆる部分が、可愛くないw ドイツ語は曖昧を許さない言語であるので、そのせいか、ドイツの考え方は合理的で、本当に随所にエモみがない。左脳が強い。日本語はふわふわした曖昧な言語であるし、日本人はここまでドイツほど合理的になれないと思うし、我々は四季の移ろいを愛でるし、もっと情に訴えかける部分が強いと思う。このエモみ少なめな部分が、個人的に長く住んでいて、すごく疲れるし、エモ&パッション系の自分と肌に合わないのを感じる。

ポジティブ
・適当かつ完璧を求められないので、ゆるくて失敗しても許される空気感はある
・いい意味で表と裏がなく、そのままストレートに表現してくる
・みんなありのままGoing my wayを貫いているので、他人が気にならない
・過剰に空気を読まなくていい
・ベルリンは社会的弱者の集まりみたいな街なので、はみ出しものは生きやすい
・機械ではなく、マニュアルではなく、柔軟に人間らしい対応をしてくれる時も稀にある
・何事も合理的な判断を下す
・日本より、コロナ時など緊急時のサービスのデジタル化は爆速で進んでいるような気がする
・アメリカのような銃社会ではないのは、まだマシ
・ドイツのポリスは普通にデカくて怖いので、歯向かえない感がすごい
・いらないものは、zum Verschenken(あげます)と書いて外に置いておくと、一瞬でなくなるのはすごい
・やたら捨てないし、モノを大事にする


ネガティブ
・歴史的に悲しい過去があったせいか、まだ浄化されきれておらず、街の気がかなり重たい
・街の気が重いので、自分が病むとダークサイドにどんどん引きずられていく
・少しずつ綺麗になってきてるものの、第二次世界大戦〜90年代のオーラが未だどことなく漂っている
・THE中世ヨーロッパ!、という長い歴史を感じる建物がベルリンにはない
・無愛想で笑わない、塩対応、不親切な人が多い
・シンプルに、ドン引くレベルで、人として失礼な態度を取られる時がある
・他人のことを配慮しない、自分が一番!ということが多々見られて疲れる
・ストレート発言すぎて、自分勝手すぎて、いい加減ちょっとは空気を読んでほしいと思うことがある
・向こうに非があっても、基本謝らない(自分のことが正しい、と思いがち)
・自分には責任がない、ということをやたら強調してくる
・クレームしたり、キレないとなかなかやってくれない(クレームの手紙を書くことが、B2のライティングの試験となっているらしい)
・つねに戦闘モードをONにしないと生きていけない
・アジア人差別はある
・日本より無論治安は悪い
・ベルリンは、ヤク中、精神異常の方々が結構多い(街を歩いていてすぐわかる)
・公園は基本大麻の香りが漂っている
・6、7割くらい、みんなどこぞかにタトゥーが入っている
・長年東ベルリンは監視社会だったせいか、人が人を信頼していない、と感じることが多々ある(隣人の行動を監視し、密告するみたいなのがコロナ中にあった)
・東ベルリンと西ベルリンの格差や差別はまだある(日本人だと詳細にわからないのだが、ドイツ人曰くまだあるらしい)
・質素倹約、おしんみたいな美徳がある(いい加減ケチくさすぎる!と思うことがある)
・ドイツにエモ要素、KAWAII要素がない

生活・暮らし

お釣りが戻ってこない博打のコインランドリー

ベルリンはインターナショナルな都市であるので、ドイツ語ができなくても英語でそれなりに生きていけるので、移民としては生きやすい街と思う。また、英語圏ではないので、英語に対するプレッシャーも少ないとは思う。

しかしながら、本当にEUを引っ張っているのですか?と疑うほど、社会サービス、インフラサービスが日本に比べて結構ポンコツである。デジタル化も少しずつ進んでいるものの、社会主義の名残なのかなんなのか、なにかと手紙で一筆書かないと、サービスの解約ができないのが面倒。日本のように「お客様は神様」では全くないので、謎に逆ギレされることもあるし、ありとあらゆる手続きが遅い。そして、ミスが多く、間違っていても謝らない。

以前は、ロンドン、パリより物価が安かったので、安いという面でオススメ都市ではあったが、コロナ&ウクライナ戦争後、物価は爆上がりし、9年前より、物価は約1.5-2倍くらい上がったと思う。(さらに円が弱くなり、約130円から170円ほどになってしまったので、余計に。)今年(2024年)に行ったパリと、ベルリンの物価はさほど変わらないと感じた。

ポジティブ
・ドイツ語ができなくてもなんとか生きていける
・多言語対応など、公的サイトのアクセシビリティー、分かりやすさは日本よりイケてる
・ベルリン市内は交通が発達しているので、どこでも車なしで移動できる
・必要不可欠品は、安い価格になっている
・物欲が減り、日本よりお金を使うことがない
・進捗を管理したり、あらゆることをプッシュしないとやってくれないので、ドイツ生活をするだけで、プロジェクトマネージメントスキルが向上する
・クレームしたり、キレないといけないことが多々あるので、舐められずキレるスキルが向上する
・ドイツのSIMを持っておくと、旅行中EU圏全てで通信できる

ネガティブ
・何事も日本よりまともではないので、マイクロストレスが多い
・街が汚い
・もはや安い街ベルリンではなくなり、物価が高い
・アメリカほどではないが、サービスが微妙な上に多少チップ社会なので面倒
・あらゆる手続きが基本的にスムーズにいかず、必ず1回や2回は問題が発生して、アホすぎてウザい
・サービスのデジタル化やデザインは少しずつ進んでいる一方、人のサービスが最悪
・ドイツに移住しても、テレビがなくてもドイツのNHKみたいなのを毎月支払わないといけない
・荷物がまともに届かないので、何かをオーダーすると無事到着するのかソワソワして毎度ストレス
・知らない人の家に届けられたり、届いてないのに配送済みになっていたり、結構適当なのでDHLは信用ならない
・日本からドイツへ配送時、税関がやたら厳しい(日本から語学の本を何冊かAmazonで購入したら、何の本か翻訳して提出しろ、と税関に突っ込まれた)
・修理ために時間通りにこないとか、予約をすっぽかされるとか普通にある(首都ベルリンに住んでいるのに、プロフェッショナルなサービスと思えないことが多々ある)
・緊急を唱えたり、キレたり、クレームしたり、プッシュしないと何事も色々やってくれない
・ドイツの首都のくせに、意外とFeeWifiがない
・カフェのインターネットが繋がらなかったり、遅すぎたり、信用ならないし、ショボい

気候

とにかくずっと暗くて寒い冬

太陽が似合い、寒いのが大っ嫌いな翔子は、ベルリンの気候は、本当に自分の体質にあってなさ過ぎて、ワラける。とにかく冬が、寒すぎて暗すぎて辛すぎる。寒いのはまだしも、日光がなくてめっちゃ暗いのが病む。夏は、太陽が足りなすぎて、個人的は寒すぎる。早く引っ越したい理由の1つ。ベルリンに移住して一番発言した言葉は、おそらく「寒い」。天照大神の偉大さを心底実感。毎年毎年、冬はベルリンにいれないので、ベルリンより暖かい国へ逃避していた。フリーランスだからこれができたものの、雇われの身だったら、どうしていたものか。想像しただけで恐ろしい。寒さが苦手な人は全くオススメできない。

ポジティブ
・夏は21時半、22時ごろまで明るく、活動時間が増えて開放的
・夏は日本ほど酷暑にはならない
・セントラルヒーティングで、室内は暖かく快適(逆に日本の家の方が寒い)
・ベルリン寒すぎて、日本に戻ると、日本の冬がeasyモード
・日本の夏はクーラーがガンガンで寒くて頭が痛くなるが、クーラーがないので快適
・本気の寒さの中で何を着たらよいのか、分かるようになった
・天照大神の存在の偉大さを、日本にいた時以上に実感

ネガティブ
・太陽にやる気がなく、シンプルにずっと寒い
・あまりカラッと晴れず、グレーな日が多い
・日本ほどの四季がなく、情緒に欠ける(春と秋がほどんどない)
・冬が長くて、暗くて、寒くて病む(5月から9月までがまとも、あとは最悪)
・ガチ寒い時はマイナス10度くらいいく(ただし、昔はマイナス20度くらいだったらしいので、まだまとも)
・日本では素晴らしい4月も、ベルリンでは突如雪が降ったり、雨降ったり、天候が不安定すぎて最悪
・冬は16時時点ですでに、この世の終わりのように真っ暗になる
・冬は寒すぎて、どこも行きたくなくなる
・冬は異常に眠くなるし、朝起きれない
・毎年、冬のうつ病対策に頭を悩まされる
・冬はガチ着しないと死ぬので、そんなオシャレができない
・寒いを通り越すと、痛いになる(ガチで寒い時は、手袋と帽子を被らないと、痛い)
・晴れたら、散歩したり光合成しておかないと、本当に病む(夏は裸になって日光浴をしている人が多い)
・ビタミンDを冬に飲まないと病む
・暑くなっても、クーラーというものはない
・雨を降っても、やたら傘をささない人が多い

滞在許可(ビザ)

ベルリンの冷酷な外国人局

滞在許可については、海外生活の1番のストレスである。これがないと、もともこも始まらない。最初来た時は、会社経由で滞在許可を申請し、その後4回自分で更新した。4回のうち2回は、ビザのサポートをお願いしたのだが、その後は何の書類をどれくらいのクオリティーで提出すべきか分かるようになったので、ドイツ人の友人に一緒に来てもらい、ビザを更新していった。年々小慣れてくるものの、ビザの更新の年は、ソワソワとストレスが降りかかってくるし、外国人局は最悪な場所なので、さっさと永住権をとった方が気が楽と思う。

翔子は結局9年住んでいたが、ドイツの年金を5年払わなかったので、それだけがひっかかり永住権は出なかった。最初は永住権(Daueraufenthalt EU)にこだわっていたのだが、ぶっちゃけ普通に働いて、税金を払っていたら、永住権を持っていても持っていなくても何も変わらない。永住権を持っていても、Daueraufenthalt EUの場合は1年間以上ドイツを離れることができないし、パスポートが変わる度、永住権の更新はある。(おそらく、滞在許可を維持する代わりに、税金もドイツに払い続けなければならないと思う。)

ポジティブ
・アーティストビザもあるし、EU圏の中ではドイツは比較的滞在許可取りやすい
・3年会社に勤めていれば、永住権はすぐもらえる(フリーランスの場合は、5年滞在した後、申請できる)
・真面目に働いて税金を払っていれば、滞在許可は普通にもらえる(日本人でリジェクトされた、というのは、周りで聞いたことはない)
・配偶者ビザも比較的簡単らしい(友人談)
・ここ1年で外国人局がようやくオンライン対応してきたので、事前に書類をアップしておくと、行った時の面接は比較的すぐ終わる

ネガティブ
・外国人局の対応が酷すぎて、我々移民に人権はあまりない
・毎回個人面接があり、ドイツ語チェックされる(日本で外国人がビザを取る場合は面接はない!)
・永住権申請にはB1レベルのドイツ語能力が必要(ただし、それがなくてももらった人たちが周りにちらほらいる)
・外国人局にメールしても、忘れた1ヶ月後に塩対応返信が来る
・対応する外国人局スタッフによって、言うことが違う
・ルールが逐一変わるので、サイトで確認したり、自分で外国人局にメールして聞く必要がある
・ビザサポートのサービスを外注で頼むと500-1000EURかかる
・日本で年金を支払っても合算してくれなくなり(以前はしてくれていたらしい)、ドイツに5年以上年金を支払わないと永住権は取れない
・少しでも書類に不備あると、やり直し
・外国人局が暗く寒々しい場所にあるので、冬にビザ更新だと結構辛い
・書類の用意がめんどくさい

仕事

オシャなコーワーキングスペース

ドイツは雇われの身でない限り、メリットがあまりない国であると思う。翔子自身はほぼフリーランスで生きていたが、稼ぐフリーランスは正直ドイツはオススメしない。税金が高すぎる。

特にベルリンは、モラトリアムな人が多く、働いたら負け!みたいなムードが漂っている都市なので、バリバリ稼ぐ!みたいなオーラが都市にない。自分のハピネスを追及してゆるゆる暮らす都市なので、バリバリ働くモードの人は、東京か、NYとかロンドンに行ったほうがいい。東京と同じマインドで暮らせる都市ではないのは確か。

反対に、低収入の人にはメリットやサポートが充実しているので、稼がずゆるゆる暮らすにはいいとは思う。

ポジティブ
・労働者の権利が強い
・最低賃金が日本より高い(2024年1月時点で、12.41ユーロ=約2000円。ただしそれに伴い物価も上がっている。)
・sick leaveがあり、体調が悪かったり、病院に行って証明書をもらうと会社を有休外で休める(体調悪いのに会社に来ると、逆にドン引きされるので、ゆっくり休める)
・有給と祝日を合算すると、年間で40日ほど雇われの身は休める
・残業したら法律的にアウトらしく、雇われの身はさっさと18時頃に帰れる
・仕事の責任の範囲が、かなり明確化されている(責任範囲外のものは、平気で自分の範囲じゃないからやらないと言える)
・自分のハピネスを追及している空気感があり、東京のようなバリバリ資本主義モードではなくゆるく働ける
・金曜日はほぼ休みモードなので、ビール飲みながら働ける
・満員電車に揉まれて通勤する必要はない(会社員時代は歩いて出勤していた)
・コーワーキングオフィスやカフェも充実しており、どこでも働きやすい
・コーワーキングオフィスは日本よりオシャレ

ネガティブ
・シンプルに税金が高い、消費税19%
・会社員時代は、1人養えるくらい税金が引かれてビビった
・所得税も結構高い(CTOレベルだと半分くらい税金らしい)
・独身者の税金が高い
・意外とドイツの祝日は少ない(日本の方が3−6日多い)
・正月や住みたい気分だが、1月2日から出社スタートとなりウザい
・日本人として、クリスマス休暇やらイースター休みが結構要らない(それより正月休みたい)
・仕事後はみんな即効家に帰り、仕事終わりに飲みに行こう!食べに行こう!みたいなカルチャーではないので、単身者は孤独かつ面白くない
・ドイツは個人主義なので、スタートアップで働くには日本より集団の一体感が少なくて、働いていて面白くない(日本は集団社会なので、集団の一体感があって楽しい)
・働いたら負け!みたいな謎のモラトリアムオーラが都市にある
・スタートアップのイベントなどに行っても、フリーピザとビールで群がる怪しい人たちが多く、まともにビジネスの話にならない
・スタートアップの勢いがかつてほどなくなった
・日本より各担当者の責任が明確なので、しっかりした成果を求められる
・白人はおそらくアジア人より、目が眩しく感じやすいせいか、エコの配慮なのかよくわからんが、夜になってもあまり電気をつけず、日本人にとっては暗過ぎで見えない
・会社によっては、日本の一時帰国で休みが長期取れず、ゆっくり帰ることができない
・その学位を持ってないと、その仕事に就きにくい


住居

うちのトイレとお風呂部屋

住居がまともなところに住めるか否かで、海外生活のクオリティー・オブ・ライフはかなり変わる。この先どうするかわからない1年間くらいだと、そして年齢が若いと、結構耐えれるのだが、3年くらい経つと、自分が好きな部屋ではないと、生きていくのが辛くなっていく。また、周りにまともなスーパーがどれだけあるのか、日光が当たるのか、湯船に浸かれる風呂があるのか、というのも海外のクオリティー・オブ・ライフが大きく左右する。まともな住居が探せなくて、それのストレスで本帰国する人も多い。

翔子自身も、部屋が全然好きではなかったのだが、超競争率の高い中から部屋を探して引っ越すエネルギーが全くなさ過ぎて、ズルズルと同じ場所にいることとなってしまった。

ポジティブ
・日本より比較的広い家に住める
・オーブンがある
・セントラルヒーティングで、建物内は冬暖かい
・家具付きの家に住むと、引っ越しするときは楽
・アパートにいつでも出せるゴミステーションがあるので、いつでもゴミ出しができる
・引っ越す前に元に戻すのなら、おそらく日本より壁を塗ったり自由にできる

ネガティブ
・ベルリンは家探しがとんでもなく大変、簡単に見つからない
・昔のように350−500EURで住めるような場所を簡単に探せる時代ではなくなった(1000ユーロくらい出せば結構見つかるかもしれない)
・家を借りるときに、シューファという家を借りるとき用の個人情報履歴書みたいなのを用意する必要があり、めんどくさい
・隣人が精神障害を患っていたり、狂気じみている人が結構多い
・隣人が若者だと、週末Partyしてて、音楽ガンガンでうるさい
・ボロい家はどんでもなくボロく、トイレやら電気やら、やたら色々壊れる
・盗難、強盗普通にある(うちのアパートもあった)
・古い家は霊がいるのを感じる
・新居であろうとも、施工が雑なので、夏熱くなりすぎて、窓が閉まらなくなるといった、信じられないことが起きる(友人の家がそうらしい)
・うちの家は、年々3%家賃が高騰していくというヤクザシステム
・日が入らない家は、シンプルに病む
・外で洗濯物が干せないので、基本的には部屋干し
・家具付きの部屋は、自分の好きな家具が置けないので趣味が合わないと苦痛
・湯船がある風呂の部屋を探すのも難易度が高い(基本シャワーだけが多い。湯船がないと疲れが取れない、特に冬。)
・キッチンが電気コンロしか対応してない家も多い
・コロナ以降、エネルギー代が高騰しすぎ
・いつでもゴミを出せるが、生ごみステーションには基本ウジ虫がたかっててキモすぎる
・グランドフロア(日本でいう1階)はやたら虫が入ってくる、基本虫と住むことになる
・部屋にネズミが現れる
・天井が高すぎて、蜘蛛の巣が張りまくり、蜘蛛の巣除去に苦労する
・やたら家が壊れたり、自分で直すカルチャーなので、DIYスキルがないとキツい
・水道、電気、ガスが壊れてもすぐ来てくれない、ひどい時は3ヶ月待ち(ガスが壊れて真冬にヒーターが止まった時は、予約がいっぱいで忙しいと言われて、1週間放置された)
・日本より水が硬いので、水周りがカルキまみれで白くなり、掃除が厄介

とりあえずこれ食べておけば大丈夫なヤンチャ飯の代表、ケバブ

ベルリンに引っ越して感じたことだが、日本人は食に対してのグルメっぷりは世界トップである。ドイツは残念ながら、食に対してのパッションがかなり低いので、FOODIEの翔子は住んでいて耐えがたい。ドイツには相容れない、と思うことが食に対しては特に多すぎて、仲良くなれないw 瀬戸内海で新鮮な魚を食し恵まれ育った翔子からすると、なぜこの街にいるのか、、人生の5割くらい損しているのではないか、、と度々思う。ドイツから引っ越したい理由の1つが、食文化がおもろくなさすぎるからである。コーワーキングスペースでは、どうでもいいプラスチックの容器に、サラダかパスタがぶち込まれているものを大体みんなランチで食べていて、翔子が日本式お弁当を用意して食べていると、なんだこれは!とビビられたことがある。

ベルリンの飯は、ケバブ、ハンバーガー、カレーソーセージ、ピザといった、B級グルメが日本より美味しいのだが、アラフォーになってきた身としては、正直そんなteenagersが好むようなヤンチャ飯ではなく、京都のおばんざいとか、鱈の西京漬とか、質の良い美味しいご飯、味噌汁、漬物とかがもはや食べたいのである。外食も日本より1.5倍くらいの量サーブされるので、かなり食べる翔子であっても、アラフォーになってきて、シンプルに食べきれなくなっきた。

ポジティブ
・肉のコーナーが充実しまくっている
・ビオスーパーが至る所にあり、ビオなものがどこでも買える
・日本より加工食品は少ない
・土曜のマルシェで買い物するのは楽しい
・ベルリンはビーガン、ベジタリアンが多く、必ずどこへ行ってもベジチョイスがある
・グルテンフリーのパン屋もあり、意識高い店がベルリンは多い
・独自発展したTOFUがたくさんある
・意外とアジアンスーパーが至る所にあって(正直パリより店が充実してると思う)ある程度のものはベルリンで手に入る
・ベルリンは多国籍なレストランがあり、いろんな国のご飯が食べれるのは楽しい
・ロシアスーパーで、たらこといくらがゲットできる
・ロシア、トルコ、南米、インド、アジアなどのスーパーがあり、カルディーが霞むレベルで多国籍食材が買える
・春に出現する白アスパラは唯一美味しい
・アイスクリーム専門店のアイスは日本より美味しい
・はちみつとチョコレートは日本より質が高く、美味しい
・ケバブ、ハンバーガー、ピザ、中東料理、ベトナム料理、ビール、ソーセージは日本より美味しい
・外食でサーブされる量が多い(日本の1.5倍ほど)
・売られる量がkg単位だったりして、日本より野菜や果物がたくさん食べられる
・オーブンが家にあり、日本より豪快に料理できて、料理が楽しい

ネガティブ
・ドイツ人は全体的に、食に対しての興味が薄い
・ドイツの伝統的な飯は、kalt Essen(冷たい食事)と言って朝と晩は調理しないパン&ハム&チーズのルーティーンで、日本人には飽きるし、夜は温かいものでほっこりしたい気持ちになる
・肉の質がおそらくあまり良くない(フランスとかスペイン、イタリアではそうは思わなかったが、ドイツの肉はプロダクトっぽいというか、変な味がする)
・肉が売られている量が500g、1kgと単位がデカすぎて、単身では食べきれない
・肉が塊で販売されており、薄切りは頼まないと買えないので、日本のレシピを調理するのに難易度高い
・食にお金を使うことに興味がない人&poorな人が多いので、外食を誘うのはほぼ日本人かアジア人になることが多い
・ドイツ料理は重すぎて、アラフォーにはしんどい&レシピを学びたいとは思わない
・ドイツ料理の味は大体大味かつ、盛り付けが面白くない
・ちゃんとリサーチしないと、レストランが博打すぎる(外国人の書いたレストランレビューはほぼ信頼に値しない)
・日本より物価が高くなってしまい、しょぼいクオリティーのものを2500円とか払わないといけない
・アジアンスーパーである程度のものは買えるものの、中国産や韓国産で騙し騙し食材を我慢しなければならないものも多い
・新鮮な魚が気軽に買えない(肉コーナーが9割に対して、魚コーナーは1割)
・魚は基本サーモンがほとんどなので、飽きる
・ドイツを旅行しても、ドイツ料理はどこも大体同じすぎておもろくない(イタリアなどは日本のように地域差があって、面白い)
・真心が込められた、気が入った飯屋が少ない
・日本人で経営しているレストランでも、外国人だからといって舐めたクオリティーで料理を出しているお店もある
・日本よりサーブの量が多いのはありがたい反面、アラフォーにさしかかり結構食べる自分ですら、食べられなくなってきた
・お水は無料で出てこない
・水はそのまま飲めるが、カルキが多すぎて、フィルターを通して飲まないと腎臓に負担がかかりそうで怖い
・作業していて、ちょっと小腹が空いた時に軽く食べられるものが、結構ない(パンも重いし、ケーキも量が多くて重いし、カレーソーセージもガッツリ系)


交通

ベルリンの地下鉄U Bahn

ベルリンは、チャリ都市なので、チャリ道が整備されている。チャリ好きな人はいろんな場所をチャリで行けるので、楽しいと思う。翔子はチャリは寒すぎるので、持っていたものの、ほとんど乗ることなく終わってしまった。

日本に住んでいるとほとんどの交通が定刻に発車し、到着するのだが、日本の外に出るとそんな国はほとんどなく、むしろ日本の正確性の方が異常すぎるので、全くもって期待&信頼しないほうが良い。

ポジティブ
・ベルリンは、ABCとゾーン制かつトラム、バス、電車自由に乗れるので、東京より料金システムがシンプル
・ベルリンはトラム、バス、電車が発達していて、普通に生活するなら車は不要
・ベルリンに住んでいて、1時間以上移動することはほとんどなく、最大でも45分程度(無論住むエリアによるが)
・シェアの車、キックボード、自転車がベルリン発達している
・日本ほどの満員電車にはならない
・電車の中で話しても、周りから何も言われない
・自己表現おじさんとおばさんがいきなり乗り込んで演奏を始めたり、踊り出したり、絵を売りつけたりしてきても、みんな何も言わない
・アプリで切符を買えるようになり、楽
・アプリでタクシーもサクッと呼べる
・ブランデンブルグ空港のアクセスは比較的しやすい
・ドイツ国内どこでも行ける定期みたいなのがコロナ以降49EURで販売されて、どこでも電車で行ける
・EU圏は国内旅行的な感覚でふらっと行ける

ネガティブ
・やたら工事していて、日本でいう山手線や田園都市線みたいな線路が、いきなり止まり、ひどい時には半年動かなかったりして結構ウザい
・モニターが壊れていて、嘘な行き先を平気で書いてる時があるので、自分で行き先を確認する必要がある
・改札がないので無賃乗車ができるのだが、万引きGメンのような切符拝見の人がいきなり乗り込んできて、切符をドヤ顔でチェックしてくるのがストレス極まりない
・ドイツの新幹線ICEは、出発の20分前とかに、いきなり平気でキャンセルになったりする
・定刻に発車することを期待してはいけない
・ゲロがあったり、ビールがこぼれていたり、シンプルに汚い車両がたまにある
・ホームはアンモニア臭がすごいところがある
・切符の自販機は結構の割合で壊れていたり、お釣りが出なかったりでポンコツ(アプリで買うのをオススメする)
・ベルリン中央駅もブランデンブルグ空港も食べるものがなさすぎ&ぼったくり価格なので萎える
・駅弁というカルチャーはないので、移動中の食事がいつも悩みの種
・やたらストライキが多く、特にコロナ以降は、ビクビクしながら電車や飛行機が飛ぶのか祈らないといけない
・ルフトハンザはサービスが微妙すぎる&ストライキが多すぎる&ロストバッゲージが多すぎる(ので、翔子は乗らない、Finnair一択)
・フランクフルトやらミュンヘンやら、ドイツ国内の税関がやたら厳しくてウザい
・ベルリンは首都のくせに、未だ日本との直行便がないので、最低でも2回は飛行機を乗らないと日本に帰れないのがダルい
・ブランデンブルグ空港広すぎて、遠くまで歩かされる


医療

盲腸の術後すぐに出た、入院食がパンハムチーズの呪い

医療が発達してそうなドイツではあるが、医療サービスは正直日本の方がアクセスしやすい。とにかく、簡単に病院にかかれない、基本予約待ち。病院のストレスは甚だしいので、日本の帰国時に診てもらえるものは診てもらうようにしていた。

ただ、日本と違い気軽に病院に行けない分、各々が自然療法に力を入れていること、すぐに薬漬けにしないことはいいことと思う。

健康保険は、公的保険とプライベート保険があり、どちらかに加入が義務ではあるが、一度公的保険を離れプライベート保険に移ると、公的保険には戻れないといった謎システムがあり、ややこしい。公的保険は稼ぎがない場合は少額で良いが、稼ぐと累進課税されていくので、負担額が多い。しかし、子供がいる場合は、公的保険は無料でカバーされる。反対に、プライベート保険は、稼ぎに関係なく払う額が一定なのは良いが、子供ができると子供の人数分まるまる支払わなければならない。プライベート保険の方が、すぐ専門医にかかれたり、サポートはリッチである。

ポジティブ
・入院し手術しても1日10ユーロ払うだけ
・病院に行っても、基本薬代を払うだけで、診療はタダ(ただし自費診療は除く)
・薬はあまり出ず、ハーブのものが処方される時がある(抗生物質もあまりでない、膀胱炎でも1日しか出ない)
・医師は結構英語話せる
・病院になかなかかかれないので、予防医学、ハーブ療法が日本より充実している
・フラワーエッセンスやホメオパシー、ハーブティーが気軽に買える
・引越し前に日本で前歯を折り、日本ではインプラントにしないといけないと言われたが、ドイツではインプラントにしなくていいと言われて医療費が1/10になった
・ドイツで超強力な飲み薬を1年半飲み続けて、5歳から治らなくて諦めていた水虫が治った
・ピルは日本より多分安い(今の日本の値段はわからないが)
・旅行用のワクチンは、健康保険が全額サポートしてくれる

ネガティブ
・KSKというアーティストの保険に入ってない限り、フリーランスの健康保険は最大だと月額約800ユーロ(約13万)ほど払うことになり、生きて呼吸するだけで月額13万円支払うことになる
・月13万円払っても、新規患者をなかなか受け付けてくれず、気軽に病院に行けず、病院難民になる
・看護師は英語話せない人結構多い
・タトゥーバリバリで、長ネイルの看護師も普通にいる
・たとえ体調が悪く病院に電話をしても、英語で話すとすぐ切られ、シンプルに差別されることがある
・体調が悪くなっても新規予約が取れず、最大1年待ちと言われたことがある(3ヶ月待つことは普通)
・血液検査をしても結果は翌日ではなく、2週間後に来いと言われて、もう治ってるし、意味がわからない
・入院食が最高にマズイ、朝晩パンハムチーズの呪いで体力が回復しない
・盲腸で入院しても、術後検診はない
・盲腸で入院して退院した後、傷口から血が溢れ出てきて、傷口が開いて、処置が適当すぎて震える
・担当医師が平気でバケーションに入っちゃうので、知らない医師が当日手術する
・入院時の看護師のサポートが適当すぎ&入院食が不味すぎて、老後絶対ドイツ病院にはお世話になりたくない
・盲腸で救急にかかっても、手足が切断されるような重大なことでない限り、塩対応の中5時間以上待たされる
・公的保険とプライベート保険の違いがややこしく、1回公的保険からプライベート保険に切り替えると元に戻れないという謎システム
・兎にも角にも、移住したらすぐ、まず近所のかかりつけ医を見つけないといけない
・公的保険の場合は、近所のかかりつけ医に行った後、紹介状を書いてもらい、それがないと専門医に行けない(直接専門医に行けないのがダルすぎる)
・産婦人科検診など、自費診療なのだが、日本のように医師と相談して決めるというより「あなたがお金が払うから自分で決めて」と塩対応される

教育

ベルリンの小学校

正直、ドイツの大学に行っていたわけでもないし(ドイツ語学校とフランス語学校を通っていただけ)子供をドイツの学校に通わせているわけでもないので、大したことは書けないのだが、教育系ソフトウエアデザインには何年も携わっていたし、一応Aha!Comicsで、ベルリンの学校を訪問し、先生とも対話し、学習マンガを作っていたので、感じたことを書いておく。

適正と能力に合った教育を日本よりさせるので、できる子はどんどん飛び級して良いと思う反面、日本よりボトム層のサポートをしてくれない気がする。また、10歳時点の学力で、ギムナジウム(大学進学コース)、レアルシューレ(実業高校)、ハウプトシューレ(職業訓練学校)という、将来の進路選択をしなければならず、日本より酷に感じる。

また、ベルリンの移民の割合は、2023年で約23%であるが、移民をたくさん受け入れているベルリンでさえ、先生が不足しており、受け入れ態勢が万全ではないように感じた。日本は現在積極的に移民を受け入れようとしている模様だが、日本の学校現場がそこまで対応できるのか疑問である。

ポジティブ
・頭の良いできる子は、飛び級制度があって良い
・適正や能力に合った教育をさせる
・モンテッソーリやシュタイナー教育が取り入れられている
・自分の意見を持ち、ディスカッションをさせる
・小学校は教科を教える先生と学校生活をサポートする先生の2人体制で、先生の負担が日本より少ない
・できないと、小学校でも留年が普通
・教育費がタダ
・貧富による教育格差は、日本より少ないかもしれない
・宿題漬けにさせない
・日本ほどのお受験戦争はない
・大人になっても学校に行く、というカルチャーが日本よりある
・塾に通うカルチャーがない

ネガティブ
・ボトム層が日本よりボトムすぎる
・先生のサポートが、おそらく日本の方がしっかりしている(結構放置)
・校庭が狭い
・掃除とか部活とかない
・給食が日本より微妙(おそらく、食育が微妙)
・ドイツ語がわからない子は、授業についていけない
・移民が多いクラスは、一斉授業ができないので、公文のようなドリルを各々でやるようになるが、やらない子はぼーっとしていて、全く勉強してない(できない子は永遠に置いていくスタイル)
・移民が多いクラスとそうでないクラスの教育格差はある
・移民が多いクラスの先生の負担が大きい
・10歳で、将来の進路選択をシビアに決めないといけないので酷
・IT教育が日本より遅れている
・親がドイツ語がわからない&日本教育を受けた日本人にとっては、ドイツの教え方がわからないと、子供の宿題を見てあげられない
・イスラム教徒はドイツの先生になれないらしい(トルコ系ドイツ人の友人談)
・日本人の子供は、日本語学校に行かなければならないので忙しい
・ドイツの日本人学校は、社会が日本すぎてドロドロしているらしい(友人談)
・ベルリン芸大は、教育費がタダだが、施設はショボいらしい(武蔵美から留学した弟子談)

恋愛・結婚

ダイバーシティーすぎるベルリン

これは色々苦労した。あらゆる国籍のキモい人たちにも遭遇した。日本も世界もキモい人は存在し、変わらないと悟った。特に、移住して直後は、右も左も分からない状態なのだが、何かヘルプしてあげるといった口実で、近づいてくる&コントロールしてくるキモピーな人がウジャウジャいるので、要注意。

これも人によると思うのだが、ベルリンはパートナーを見つける難易度が高いと感じる。なぜなら、東京で100ピースの中から出会うようなものが、ダイバーシティーすぎて、いきなり1000ピースの中から出会うような感覚陥った。文化、金銭感覚、宗教、食事など、ありとあらゆる変数が一気に増えすぎて。また、ベルリンはノマドっている人が多いというか、2、3年でどこかにいく人が多いので、友達ですら、長期的な関係を築くのが結構難しいと感じる。

ポジティブ
・日本で出会わない国籍の人たちと出会え、視野が広がる
・西洋人よりも若く見え、ミステリアスなせいか、日本人女性はやたらモテる(インディペンデントでスマートな人は、なおヨーロッパではモテる)
・日本より予期せぬ場所でナンパされる
・愛情表現を積極的にしてくる

ネガティブ
・逆にダイバーシティーすぎて、パートナーを見つけるのが疲れる(食、金銭感覚、宗教、価値観が多様すぎて)
・ダイバーシティーすぎて、オープンリレーションシップ(色んな人と同時に付き合う)というのを求められることもある
・挨拶の度を超えて、やたらボディータッチしてくる輩がいる
・結構な確率で、大麻ドラッグをやっている人が多い(特にクリエイティブ界隈)
・責任を取りたくない、大人になりたくない、自由でいたいといった、ピーターパン症候群の人が多く、ダルい
・ベルリンは2、3年経って次の都市に移動する人が多いので、長期的な関係を築くのが難しい
・ケチケチしていて、お金がない人が多すぎる
・友人に紹介されない限り、やることをやっていても、自分が今どんなステータスの状況なのか不明でストレス極まりない
・イエローフィーバーといった、アジア人しか狙いを定めないキモい人たちもそこそこいるので注意
・国際結婚をして子供がいる場合、離婚したとしても共同親権なので、もはや日本に気軽に帰れなくなるリスクがある
・こっちで国際結婚すると、自分はマイノリティーになるので、その中で相手との親族とのやりとりなどをし続けなければならない(自分のテリトリー内で色々できなくなる)
・お互いその国が好きでないと、その国の言語をどちらかが学ぼうといった意思がないと、長期的な関係は難しいと感じる
・相手の国籍によっては、旅行の旅にビザをとらなければならず、気軽に一緒に旅行できない
・国籍によっては自分がマイノリティーの立場になるので、自分をしっかり保っておかないと、相手に依存しすぎたり、コントロールされたり、ヘルシーな関係を保てなくなる

自然

公園でチルするベルリン民

東京よりいいと思うことは、ベルリンは緑豊かな公園が至る所にあることだろう。東京を歩いていると、カフェに行かない限り、座ってゆっくりできないが、ベルリンはお金を払わずしても、その辺の公園へ行き、ベンチでゆっくりできる。天気の良い日は、シートを敷いて、ゴロゴロ横になりながら、本を読んだりすることもできる。また、海はないが、湖はちらほらある。

全くもって自分がアウトドアネイチャー系ではないので、アウトドアアクティビティーはよくわからないのだが、東京のようなコンクリートジャングルが肌に合わない人は、ベルリンは楽しいと思う。

翔子は、徒歩1分が海のところで生まれ育ったので、何かしら気分転換したい時はよく海へ行っていたのだが、ベルリンは海がないのでそれができない。湖はあるものの、開かれた海がない分、なんだか街に気が滞ってる感じがして、浄化されない感じがして、海がないことが、個人的に好きではない。

ポジティブ
・緑、公園が多い
・湖がある
・自然に触れるという、お金がかからないアクティビティーが豊富
・アウトドアで自然好きな人が多い
・環境意識が高い人が多い
・どんな年齢でも体型でもみんな水着を着て(全裸の場合もある)湖で泳ぎ、自由に自然を楽しんでいる
・寒いせいか、日本より、虫が少ない(ただし日本より、家にはめっちゃいる)

ネガティブ
・ベルリンは海がなく、気が浄化されない感じがする
・湖が汚染されていて、今年泳ぐなと警報が出ていた(らしい)
・湖の水温が冷たすぎて、個人的に泳ぎたくない


文化・芸術

どっかのミュージアムのトイレ

ベルリンは、なんとなく街が若い。グラフティーもすごいし、ストリートで絵を描いたり、演奏したり、自己表現する人たちが集まって好き勝手しているので、街がまるで美大。ストリート、アンダーグラウンドなカルチャーが広がっている。エフェクターで言うなら、街に歪系のディストーションがかかっている感じ。テクノ、クラブ、サウナ、クラシック、サッカー、バレエ、哲学などが好きな人には刺さるかもしれない。LGBTQの見本の都市のように、超リベラルなので、他人に干渉されずGoing my wayしたい人は羽を伸ばして生きていける。

自分でも引っ越して気づいたのだが、翔子には全く好きな接点がベルリンになさすぎてビビった。ビール飲んで、パーティして、といった20代は楽しいかもしれないが、アラフォーには街のノリが若すぎて、もうついていけない。もっと穏やかに落ち着きたい。10年前にくればもっと楽しかっただろうな、といつも思う。

ポジティブ
・ありとあらゆる人が自己表現していいといった、オープンな空気感がある
・ベルリンの街自体が、美大のクラブ棟みたいなオーラがある(街にクリエイティブな空気感が漂う)
・LGBTQの都市すぎて、ゲイカルチャーが発展しすぎて、ベルリンはかなりフリーダム
・ベルリンにいるLの女性は、ハード系が多い(フェミニンが少ない)
・ストリートミュージシャンやアーティスト、普通にうまい
・ファッションはオシャレというか、独特の方向性(スキンヘッド女子とか、雑誌Fruitsみたいな人が稀にいる)
・変な服を着ても、たとえ裸でも何も言われない
・ネイチャー系、スピリチュアルな人が多い
・ベルリンはヨガのスタジオがやたら多い
・FKK(Freikörperkultur)という独特なヌーディズム文化があり、男女混合でサウナに行ける(やたらナチュラルが好き)
・サウナ文化が発達している
・トルコ風呂ハマムも行ける
・性が爽やかに解放的
・脇毛や腕に毛が生えていても、ありのままが許されている
・ブラしてなくて乳首がTシャツからおっ立っていても、ありのままが許されている
・すっぴんでも、ありのままが許されている
・しかし、アンダーヘアーのありのままは許されない風潮がある
・ビーガン、ベジタリアン、動物愛護、環境保護の人たちが多い
・SIXX PAXXという、イケメン上裸の男たちが踊るSHOWは意外とおもろい
・ミュージアムがたくさんある
・ベルリン国際映画祭や、ショートフィルムフェスティバルがある
・日本は規制がかかりそうな表現も平気で公開されている
・映画は英語で観れるやつもある
・サブスクすれば、ベルリン中のジムや習い事にアクセスできる
・ベルリンは色々な国の人と出会い、文化に触れることができる
・お金を使わない遊びをすることが多い(きのこ狩り、公園でビール飲みダベる、湖で泳ぐなど)

ネガティブ
アートのレベルがアンダーグラウンドすぎて、文化祭ノリの感じで、全体的にそんなに高くない(個人の展示会に行くと大概がっかりする)
・一流の人があまりいない(東京、パリ、ロンドン、NYの方が集まっている。ただし、クラシックやバレエ業界はよくわからないが多分また別。)
・ストリートすぎて、高貴なアクティビティがない(クラシックやバレエ業界はよくわからないので言及できない)
・有名アーティストはなぜかベルリンにライブに来ない(なぜか、ワルシャワとかには行くのに)
・ベルリンの人は機能的なスポーツウエアみたいなのを着ている人が多く、別にオシャレではない
・基本7、8割の人は黒い服しか着てないので、カラフルな服を好む翔子は、個人的には面白くない
・日本のファッションの方が多様性があり、ベルリンはそんなにない(パンクっぽい人、中二病っぽい服を着てる人はちらほらいる)
・男女ともども、小綺麗な人があまりいない印象
・美容に興味があり小綺麗なメンズは、アジアの方が多い印象
・シャキッとしたスーツを着ている人はほぼ見ない
・基本サウナは男女混合全裸なので、おっさんが普通に横で着替えてくる
・男女混合全裸のサウナで、多様な人種の裸を否応なく見ることになる

言語

半年毎日真面目に通ったドイツ語学校

ヨーロッパにいると、みんな5ヶ国語など平気で喋るし、英語はできて当たり前というか呼吸なので、英語は最低限できるとして、その国でしっかり生きるなら現地語ができた方が良い。言語は、その国の思想、文化を学ぶ上で一番の基本である。移住3年過ぎた辺りから「お前はまだドイツ語ができないのか?」というオーラをひしひしと感じ始めるので、3年以上住む人は、学校に行って現地語をちゃんとやった方が良い。

人によるとは思うが、ドイツ語は英語とは違う概念の文法がガンガン出てくるので、片手間でできる言語ではない(と翔子は思った)。会社員時代は、とにかく慣れないドイツ生活と日々の業務でクタクタで、ドイツ語を勉強するエネルギーなんて1mmもなかった。ドイツ語を中級レベルまで理解できるようになるには、600時間の学習が必要なのだが、結構短期集中しないとなかなか上手くならない。

個人的には、ドイツ語学校にも無遅刻無欠席で行ったし!、600時間以上も勉強したし!、B1の試験は受かったものの!、ドイツ語を話すモチベーションが全くないし、ドイツ語が肌に合わないし、全くドイツ文化から学びたいものがないので、ドイツに9年もいるが、結構話せない。残念ながら、ドイツ語は翔子の人生に不要な言語、と判断したので、これ以上上達することはないだろう。

英語は全然苦手ではないのだが、こんなにもドイツ語に対してヤル気が湧かないのは自分でも驚く。やはり、その国が好きであること、その国から学びたいこと、その国の人と話したい!というモチベーションがないと、何年住んだって、上達しない。語学上達において、これらのモチベーションは極めて重要である、と身をもって感じた。

ポジティブ
・ベルリンは比較的英語が通じるので、英語だけも生きてはいける
・ドイツ人は比較的綺麗な英語を話す
・IT業界はなおさら英語で生きていける、ドイツ人だけという環境の方が少ない
・ドイツ語学校は、公立の学校に行けば激安、私立の学校でもインテンシブコースで月250EURくらい(翔子が行った当時の値段なので、今は知らない)
・英語が第一言語ではないので、英語のプレッシャーは、英語圏に比べて低い
・ありがとうテクノロジーによって、Google翻訳、DeepL、ChatGPTで全然生きていける
・ドイツ語を勉強したことで、英語と日本語しかOSがなかったが、違う感覚もインストールできて視野が広がった
・ドイツ語で怒鳴り散らしてくるおっさん、おばさんが巷にいるが、ドイツ語がわからないと無傷なのでその点は良い
・フランス語よりドイツ語はリスニング、発音しやすい
・ドイツ語が難しすぎて、英語がめっちゃ簡単に思える魔法にかかる
・ドイツ語をやると、英語力も勝手に上がる
・ヨーロッパにいると、いろんな人や言語に触れるので、何言語も勉強したい気持ちになる

ネガティブ
・役所や生活の書類は基本ドイツ語で来るので、解読が必須
・ベルリンは英語が通じる分、ドイツ語をやらなくても生きていけるので気合いを入れないと全く上手にならない
・ドイツ語ができないと、普通に差別されるし、意地悪されるし、良いサービスは受けられない
・年齢が高い人は、英語を話すだけでシカトしてくる時がある
・ドイツ語は、ドイツ語話者が少なく、その後の汎用性が少なくコスパが悪すぎる言語(スペイン語などをやれば、似た言語のフランス語、イタリア語など汎用性があるが、ドイツ語はその後の伸び代が少なすぎる)
・英語と共通の単語が意外と少ないので、ドイツ語の教科書を開くと意味不明で絶句する(フランス語の方が英語と似ている単語が多く、すぐ読めるようになる)
・ドイツ語の文法がややこしく、英語の3倍くらいの難易度がある(男性、中性、女性だけでもお腹いっぱいなのに、さらに単数、複数形で言い方が違う、格によって言い方が違うのがウザい)
・ドイツ語の発音がシンプルに可愛くない
・ドイツ語の単語が長すぎて、辞書を引くときに萎える
・ドイツ語長すぎて、デザインをレイアウトする時にレイアウトが崩れ、ドイツ語だけ対応しないといけないの、結構ウザい
・ドイツ語は、男性中性女性の性別が感覚的にわかりにくくて(慣れたらわかってくるらしいが)、感覚的に話しにくい言語

デザイン

自分の専門デザインで気づいたことも、ちょろっと書いておこうと思う。正直デザインはどの国に居たってイイものを作る!というだけなので、やることは日本と変わらない。

活版印刷が体験できるGalerie P98Aのスタジオ

ポジティブ
・ベルリンでは、IT業界の仕事はたくさんあり、英語でも可能
・LinkedInからもメールがちょくちょくくる
・バウハウスに触れられる(バウハウスの建築が街にあるし、デッサウまでいけば、校舎を見ることができる)
・スタートアップのイベントやデザイナーのミートアップイベントも頻繁にある
TOA Berlinというテックカンファレンスが夏にある
・コーワーキングオフィスに所属しておけば、デザイナーやエンジニア、イラストレーターなどと知り合いになれる
ライプチヒのDruckkunst Museum(印刷博物館)がとても良い
Galerie P98Aのタイポグラフィーワークショップがとても良い
・ベルリンのハンズModulorに行けば、大抵のものは揃う
・Modulorでレーザーカットできる
・爆速返信で、値段も比較的お手頃、ドイツイチオシの印刷所はPrintendo

ネガティブ
・デザイン費がベルリンは安い(ただし近年円が安くなったので、立場が逆転したかもしれない)
・ベルリンはデザイン費が安いので、他の国から稼いだ方が良い
・ベルリンのスタートアップはお金がないので、若くて安いデザイナーを青田刈りして、使い捨てるという噂
・コロナ以降リモートワークが盛んになってきたので、オフィスに行っても人がいないらしい
・各々の自己主張が強すぎて、議論がまとまりにくい
・印刷所に印刷を頼むと、結構落丁多い
・ベルリンも、日本と同様デザイナーのレベルはピンキリ

おわりに

色々思いつくまま、脳内から吐き出し、書き綴ってみたのだが、2万字を超える壮大な本気コンテンツになってしまった!!!ベルリンと離婚する身分なので、ネガティブな要素が多くなってしまったのは否めないが。

ここまで読んでくださった方、お疲れ様です、そして感謝!

ベルリンと自分は合わないことが多すぎて、なんで9年いたんだろうw(おそらく、気づいた3年で違う国に移るべきだったかも)、と自分でもワラけるのだけど、来たタイミングも、去るタイミングも、全ては宇宙の意図通りで、完璧なタイミングと思うので、受け入れている。

なぜこの土地に来なければならなかったのか。

なにを宇宙と神様は、翔子に学ばさせようとしたのか。気づかせようとしたのか。

翔子のお役目は何だったのか。

今の翔子でもすでにその答えはあるのだけども、日本に一旦戻って、ガラッと環境が変わって、またその答え合わせが、気づきが、どんどんやってくるかもしれない。

参考になった方や、心に沁みた方は、9年間ベルリン生活お疲れ様でした!とチップ(投げ銭)いただけると、とてもとても嬉しい❤️

チップ機能のやり方はこちら。
(一番下に表示される「チップで応援する」のボタンからいけます)

翔子はそれで日本で美味しいものを食べようと思う。

noteからずっと応援してくださった方々に多大なる感謝を!

日本にいらっしゃる方は、日本でお会いできたら!

今後もみなさま、応援よろしくどうぞ!❤️

ベルリンの壁の前にて


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ベルリンのしょこたん
みなさまにSpiciiを発信し、届けるためにいろんなとこへ行ったり、ベルリンでサバイブする資金にいたします。