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祈りの力 4

さて前回のつづきです。

アメリカに帰国した私は普段の生活に戻っていました。
毎日が普通に過ぎていき、何も変わりもない毎日。

あれは3月の初旬、当時カナダと国境を接する州に
住んでいたのでまだまだ雪が降っていたのを覚えています。

ある晩、一人でリビングでネットサーフィンを
していました。


すると、気配を感じたのです。

何かがいる。

誰かがいる。

子供の頃から建物や部屋に入った時に何者かの気配を
感じることがよくあったので、
今回もそれだとはわかっていたのですが、
普段よりも「気配」が強いのです。
なんというか、リアルなんです。

「ああ本当にいる」という感じ。

あまりに気配が強いので少し怖くなったのですが、
全身の感覚を研ぎ澄ませて様子をさぐっていると、
明らかに悪いものを感じない。

この存在は私に害を及ぼさない。

というのがわかりました。なので、そのまま安心して特に何もせず、
そのあとはお風呂に入ったんですが、お風呂場からでてきたとき、
背の高い大きな黒っぽい影が動くのをみました。

「え?なんだ今のは?」

一瞬立ち尽くしましたが、すぐに

「ああ、A(当時のボーイフレンド)だなきっと。今仕事中だけど、
私のことを考えていて彼の意識だけがこっちに来たんだ」

と思いました。
ベッドに入ってもまだ気配は感じていて、
ああいるなあと思いながら眠りにつきました。
不思議なことに全然怖くなかったんですよね。

翌朝目が覚めると、「あ、いなくなってる」とすぐにわかりました。
昨晩感じた気配は全くない。

その2日後の朝、一緒に仕事をした例の年上の女性からのLINEで
目が覚めました。そこにあったのは

「Sさんが先日旅立たれました。今お葬式から帰ってきたとこ。私も気分が落ち着かなくて連絡ができなくてごめんね」

とあったのです。

寝ぼけた頭がだんだんとこのメッセージの意味を理解し、
私はことの大きさを理解しました。
そしてそのままベッドの中でずっと大声で泣いてい
たのを覚えています。


長くなっちゃった。続きはまた次回。

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