祈りの力 最終回
前回の続きです。
その晩、ふと私が黒い動く影を見た時間が日本時間の何時だったかなと
思いました。
こちらの時間の夜8時。
日本は翌朝の10時です。
そこで私は、はっとなりました。そう、あの黒い影を見た時間は
Sさんが旅立った時間だったからです。
そう思った瞬間、すぐにあれはSさんだったのだとわかりました。
こういうときの「わかる」という感覚って、
本当に100%確信があるんですよね。
では、なぜSさんは私のところに寄ってくれたのだろう?
疑問がでましたが、またすぐにわかりました。
私はSさんが闘病生活を開始してから、毎日ではありませんが、
思い出すたびに
「神様、Sさんが無事回復しますように」
と祈っていました。そのときの気持ちは本当に回復を祈る想いだけで
他に何もないピュアなもの。
Sさんは意識だけの状態になったとき、全てわかったんだと思います。
私が祈っていたのがわかったのです。
だから光の世界へ行く前に立ち寄ってくれたんだ。
人は体が終わりを告げ、意識だけの状態になったとき(=死んだとき)
時間のない状態になります。だからこの場合、Sさんは祈っていた私の
エネルギーをキャッチしたのでしょう。
これを理解したとき、とても嬉しくなりました。
そして、その少し後に私はバシャールのオンラインセミナーに
参加したのですが、そこでこの話をしました。一つ質問があったからです。
「なぜSさんの影は黒かったのか?」
私のイメージとしては死んだら軽くなって影も白く光っている。
なので黒い影だったということは、Sさんがうまくあちらの世界に
移行できてないのではないか、ハッピーじゃないのではないか、
と心配になったのです。
そのとき受け取った返事はこうでした。
「体を去ったばかりのときは、まだこちらの周波数の
名残があることがあるので、影が黒くても不思議はありません。
心配することはないでしょう。
また、人は亡くなったとき、とくに長く苦しい闘病生活を終えた人は、
3次元での体の重く辛い状態から、一気に体が軽くなるわけです。
通常はあっという間にあちらの世界へ嬉しくて行ってしまいます。
それでも寄ってくれたということはよっぽど執着があったということです」
というものでした。影が黒いからといって心配しなくていいのだ、
ということに安堵したのをよく覚えています。
そして生前は私に対してただの「かわいい後輩」という態度でしか
接してくれなかったSさんが、少しなりとも私に何かを感じて
いてくれたんだなということもわかって(執着、という表現が妥当なのかは置いといて)なんとなく笑顔になったのも事実です。
実は少しだけ似たような経験がその随分前にもありました。思うのですが、人の「想い」が純粋なときって、本当に通じるんですよね。
純粋な想いに勝るものってないんじゃないかしら。
私とSさんの想いが純粋だったのは、私たちの間になにも男女の関係が
なかったからだと思います。本当によかったなと思っています。
Sさんのことを想うときの気持ちってどんななのかというと、
ペットを想う気持ちと同じなのです。ただ、「大好き」しかない。
そこに変なジェラシーも憎悪もなーんにもない。
本当に「好き」しかないのです。
これがもし、二人の間に男女の関係があったら、絶対に多かれ少なかれ嫉妬や相手をコントロールしたいという気持ちや何かがあったと思うのです。
だから、本当に私たちはこれでよかった。
ペットを想うあの気持ちで誰かのことを想えるって最高じゃありませんか?
純粋に愛しかないのだもの。
それはピッカピカのキラッキラの愛です。
少しの、0、1ミリの影もないまっすぐでピュアな愛です。
こんなふうに異性のことを想える状態を与えられた私ってすごい
幸せじゃないかと思います。稀ですよね。
長くなりましたが読んでいただいてありがとうございました。
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