不登校の娘と母の日々 #2

5年生になった娘は、ここへきて、学校の配慮の柔軟になり、眠れない、起きれない、という状況が続いていたのが嘘のように早寝早起きし、学校へ息出した。ただ、教室ではなく別室ルームですごしたり、教室ですごしたりしているようだ。

そんな娘の不登校の始まりは小学校1年生5月23日(だったと思う)。一緒に登校してもらっていた上級生が、もたもたする娘にいらだち「おばからさん」と言われ、娘のがんばりの糸がプチッと切れたのだ。

でもそれは、きっかけで、本当の理由は、入学してから、友だちをたくさん作ってきて、放課後たくさん遊び、解散したあと、娘は今までみたことがないくらい暴れていた。学校どう?ときいても、「言いたくない」というので、うーん、何が起きているんだろう、とおもった。他のお母さんたちに聞いても同じような状況で、どこのご家庭も戦っていた。だから、もう少し辛抱してみようとおもっていた矢先のトラブルだった。

つまり、新しい環境に慣れようと頑張っていて、ぴーんとはりつめていた糸が、上級生の一言でぶつっと切れたのだ。

その日は、休ませた。娘はお布団の上でわめきながらお煎餅をバリバリ食べていた。私はひたすら背中をさすっていた。

学校へは事情を伝えると、学校はその上級生へすぐ指導かつ上級生に保護者にも連絡していた。私は「え?なんで?」と思った。その日のうちに保護者の方と上級生は謝りにきたが、その「ごめんなさい」は言わされているごめんなさいであり、これ、ますます関係が悪化するパターンだよなと思った。案の定、大人のいないところで上級生は「あんたが学校に告口したから私は怒られたんだよ」という態度剥き出しだった。でもそこは子ども同士。「ごめんなさい」はなくても、自然と遊び出し、仲直りをしていた。

数日後、娘の同級生が遠回りをして迎えにきてくれた。娘は嬉しくてランドセルをしょって、みんなと学校へ走った。念のためわたしもついて行った。が、ニコニコ顔が、門が見えた途端に、目が釣り上がり、ロボットのようになり回れ右をして自宅へむかいだした。

え??こんなに体が反応しちゃうの?何があったの?とおもいつつ、その日はだましだまし、教室へつれていき、運動会のそう練習だったので、一緒にグランドの隅で見学したのをおぼえている。ちなみに携帯もなにももたずに私も飛び出たため、その日は無断欠勤。自宅の戻ったあと、職場に電話をした。たぶん事務の方が、ただごとではないとおもい、同僚に伝えてくれたようで、すぐに同僚から電話がきて、仕事の調整をしてくださった。感謝でしかない。

その後しばらくつきそった。1回目は、大丈夫そうだったので、先生にめくばせをして、そっと私は帰ったが、学校から電話で帰りたいといっていると連絡。でも、ちょっとがんばらせる判断をしてしまった。結局午前中で迎えにいったら、いい顔していたので、安心した。

ところが夜になり、暴れ出した。どうにもならなかったので、外に散歩に行こうと誘い、暗い中一緒に歩いたら、なんで帰っちゃったんだとわーと娘が泣いた。娘は滅多になかない。申し訳ない気持ちでいっぱいになり、一緒に泣いていた。

その後は朝から下校まで付き添った。

付き添うと、娘が何に違和感を感じているのか、すぐにわかった。

1、朝の会;名前が呼ばれて返事をする、ではなく、自分で名前を言ったあと、元気です、という。元気がないときは、喉が痛いですというとみんなが、お大事にという。(なんじゃこれはと私が気持ち悪くなった)。

2、国語のひらがなの練習。書けたら前の先生のところにもっていって採点してもらうシステム。娘はそこで固まった。一緒に並ぼうと促すと私の腕をがっちりつかみ、あーこれが苦手なのねとおもった。細かい先生で結構娘ややり直しが多く、それもプレッシャーだったようだ。

3、え?そこ、怒るの?え?そこ、ほめるとこじゃないの?という場面がたくさんあった。っていうか、細かいことで怒りすぎ。先生の枠からはずれると怒られる。先生が子どもに柔軟に対応できそうなとこも。娘は怒られないが、これ、苦しいなと感じた。

7月までつきそい、夏休みの宿題。その細かさに、私は「これさー多いし、お手伝いしましょうとか余計なお世話だよ」と思ってしまい、付き添いの結果からも、「こんなに頑張っていかなくてもいいのではないか」と私が思ってしまった。

付き添いはやめることにしたが、私が時間があるとき、娘に「学校いってみる?」と行くと、うんというので、途中からでも連れて行った。出先からだと娘はサンダルなんだけど、家にもどって靴に履き替えてとかしていると気がかわるかもしれないとおもい、そのまま連れて行った。

で、それもダメ出しされる。だーかーらー、ダメなのはわかってるんですけど、気が変わっちゃっていけないよりいいでしょ!と心の中で私は思いつつ、申し訳ありませんと謝るしかなかった。

学校側は、保健室登校、スクールカウンセラーをすぐに提案してきた。保健室登校は娘が病気じゃないのになんで?ということで却下。カウンセラーは試してみたが、2回目でカウンセラーの先生が地雷をふみ、アウト。

次にスクールソーシャルワーカー。「みんなもがんばってます」と根性論ばかりで、勘弁してくれという気持ちになり、こちらは私から、こういう話し合いはもう結構ですとお断りした。

娘は、それでも門まで行き続けた。どうしても門から入れない。門で10分葛藤する。どうしたものかと思った私は、「一回もどろう」と提案する。で、家に戻るんだが途中で立ち止まり、座りこみ、葛藤する。

そんな一年だった。

年度末、朝荷物だけおいてくるといって出掛けたことがあった。そこで、登校して即帰る娘と、教室から脱走する男子をつれて教頭先生が教室にもどってくる男子とすれ違った。男子が「なんで帰るの」とこれまたしつこい。しばらくみていたが、彼が粘り強く、私は娘に「教室いったん入らないと、これつづくよ」といったら、「しょうがないなー」と娘は教室に入った。

が、ここで予想外の出来事発生。その男子は隣のクラスなのに、娘のクラスの教室の前の廊下に座ったのだ。「ぼく、見張ってる」と。自分のクラスいったほうがいいよというものの、隣のクラスの先生も彼がどこにいるか把握できていればいい、くらいになっていて、放置。仕方がないから、私も廊下に座って彼とおしゃべりしていた。

で、根負けした娘はその日は1日学校で過ごすことになった。

友だちはいるので、入れちゃえば過ごせるんだよなぁと思いつつ、1年目が終了だった。


いいなと思ったら応援しよう!