見出し画像

海外からのマイナンバーカード申請体験記

今回は海外からマイナンバー申請を行ったときの体験について書いてみたいと思います。

私がアメリカに移住したのは2018年のことです。

当時すでに日本にはマイナンバーカードシステムが存在しており、私も自分自身のカードを保有していました。

しかし日本を離れる際に法令に基づきそのカードは無効化され、長らく自分のマイナンバーを持たない状態でこれまでアメリカで生活していました。

ところが2024年に海外在住者でもマイナンバー申請ができるように制度変更があったというニュースを聞いて、トライしてみました。

私は現状で特段マイナンバーカードが必要な状況ではありませんが、日本の家族や友人の話によればPhoto ID(写真付き身分証明書)として運転免許に代わるようなものとして認知されつつあるということで、なんとなく必要なのかな~?

という軽いノリでトライした申請だったのです。
(その後に私を待ち受ける苦難の道のりなど知るべくもなく、、、)

ということで、

まず日本の関係省庁のHPを調べてみたところ、申請が適用されるのは

「2015年10月5日以降に国外転出しており、現在も国外に在住している日本国籍の方」

とありました。

ここで、とてもシンプルな疑問が自分の中に生まれました。

「なぜ2015年10月5日以降に国外転出という規定が存在するのか?」

というものです。

というのは、これまでのアメリカ生活の中でさまざまな日本人と交流する機会がありましたが、

「在米10年以上です!」

みたいな海外在住日本人の先輩方にたくさん出会ってきたからです。

皆さん、とても親切で日本人としての気質を失うことなくアメリカでたくましく活躍しておられます。

私はこれまで彼らの温かいサポートにどれだけ助けられたかわかりません。

それなのに、

「えっ!?私には海外在住マイナンバーカード申請権があって、彼らにはないって、いったいどういう理由で?」

「その区分になにか意味があるのでしょうか?」

とちょっと驚きました。

別にマイナンバーカードを保有しているか、いないかで日本人としての権利が何か変わるわけでもないと思うけれど、日本帰国時に保有していなかったら不便を感じるようなシステムになっているならばどうして全ての海外在住者に均等に申請する機会が与えられないのだろう?

と思ったのです。

いろいろ考えを巡らせてみましたが、私の知識では特に思い当たることはなく、とりあえず申請してみよう!となりました。

申請書類はすべてネットからダウンロードでき、指示に従って記入するだけでした。

私の場合は最寄りの在外公館に郵送するのが一番簡単だったので、アメリカ国内郵便でさっそく申請書類を郵送してみました。

3週間ほど経過して日本の関係省庁から

「個人番号カード申請書IDのお知らせ」

というメールが届きました。

「申請は順調にすすんでいるんだなー」

と安心しきっていたところ、その翌日に同じアドレスから

「写真サイズが不適合なため再申請をお願いします」

というメールを受け取りました。

そしてそのメールには

「再度、申請書類を作成して最寄りの在外公館に郵送してください」

とあり、一気に奈落の底へ落とされた気分になりました。

また一からやり直しですか、、、」

いやいや、私が写真サイズ規定を詳細まで確認しなかったことは100%私のミスですが、時差14時間、地球の裏側からの再申請はちょっとショックです、、。

在外公館で写真サイズが違っているとわかっていたならば、アメリカ国内で送り返してくれたらよかったのに、、。

と思いつつ、

「ここは日本ではないんだ。アメリカではすべて自己責任だよね。そもそも自分のミスなのだから仕方ない」

と言い聞かせて再度書類を作成し、写真も精密に計測して完璧だ!と思える書類一式を在外公館に郵送しました。

そして1週間後、

なんと在外公館からこれまた無情なメールが1通届いたのです。

「写真のサイズはあっているけれど、インクのにじみがあるので写真を再送付してください。」

とのことでした。

「写真がにじむ??」

確かに家庭用プリンターを使用したから、プロの仕上がりとは違うけれど自分が確認した時にはそんなことはなかった!!

と自分的には納得いかなかったのですが、在外公館に正面からクレームつけるような大胆な行動に出る勇気もない小心者の私は、泣く泣く再度写真のプリントを試みることにしたのです。

しかし、ここからが苦難の道のりで、写真データをWalgreen やCVSなどでプロ仕様のプリンターを使って印刷しようとしても用紙サイズの規定がそもそも日米では異なるので、これがかなりの時間と手間を要しました。
(実はメジャーな用紙サイズであるA4も日本とアメリカではサイズが微妙に異なるのです。)

結局5件近くプリントできる店を回って、50ドル以上の費用をかけてようやく日本の規定するサイズの写真を作成することができました。

そして、いざ在外公館に郵送しよう!と思ったときに

「1回目は写真のチェックなしで直接日本に郵送されて、結局最初からやり直しになった。2回目は在外公館で拒否されてやむなく3回目のトライとなった」

もう心身ともに疲れ切ってしまったけれど、これでまた申請拒否されたら、私のメンタルは持ちそうにないな、、、

ということで、在外公館の職員の方々の心証を悪くしないように、そしてかつ自分のこれまでの必死の努力をわかってもらえるように丁寧な日本語を使用した手書きの手紙を添えることにしました。

ところが、

その経緯をずっと私の横で見ていたアメリカ人の主人のひとことがこれです。

「あのさ、マイナンバーカードって、書類の電子化とか手続きの迅速化を目的として策定された制度じゃないの?
だったらどうして写真データを電子化して送ることが許可されないんだ?
君はさ、そもそもそこに疑問を持たなかったの??」

ガーン!!!

「合理性を追求したアメリカ人の妥当すぎる意見に言葉を失いました」

いや、そうだよね。

さすがアメリカ人!!!

毎度のことなのですが、主人の視点や発想の違いには驚かされます。

というか、私が単に鈍いだけなのか??

「そもそも写真データだけでいいはず」

ですよね。

だって、

どっちみちマイナンバーカードに郵送した写真をインプットするために日本で写真サイズを変更する

ことになるのは明らかなのですから。

ということで、神に祈りながら在外公館に申請した3回目の書類は無事に日本で受理されたらしく、現在はただカード発行の連絡を待つ日々を送っております。

今回はこれで終わりです。

お読みいただきありがとうございました。









いいなと思ったら応援しよう!