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美味しいワインはモラヴィアで

プラハでワイン?!ちょっと待て!

チェコ東部モラヴィア出身のチェコ人が話す冗談話(ほぼ本気だけど)にこんなものがあります。

ブルノ(モラヴィア地方のチェコ第二の都市)出身のとあるチェコ人達が、プラハの友人の家に招待され、自慢のモラヴィアワインを持って出かけました。しかし途中でどうしてもワインが飲みたくなり、気づけば手土産のワインは全て無くなり、残ったのは空の瓶のみ。さすがに手土産なしで行くわけにはいかないと考え、途中のガソリンスタンドでどこ産のワインかわからないワインを買い、持ってきたモラヴィアワインの瓶に詰め替えて、プラハの友人の家に持って行きました。友人は喜んで、「さすがモラヴィアワイン!美味しい美味しい!」と言って飲んだそうです。

さて、皆さんこれがどういうことかおわかりでしょうか?これはモラヴィア人のプラハ人に対する皮肉たっぷりのブラックジョーク。プラハで美味しいワインに出逢うことは難しく、普段から良いワインを口にしていないプラハ人には味の違いなんてわかりっこない、というもの。なかなかですよね😅

種類も豊富なモラヴィアワイン

モラヴィアの街中を歩いていると、至る所で「Vinotéka(ヴィノテーカ)」の文字を目にしますが、これはワイン専門店のこと。お店に入ると、店内に並ぶ瓶詰めのワインの他に、カウンターの後ろには樽が並び、樽から直接ペットボトルにワインを注いで販売してくれます。

こちら1リットル約500円くらいで購入可

ブルノ市内からウィーン方面に30分ほど車を走らせると、それはそれは美しい平原の景色が広がってきます。まさにその辺りがワインの産地で、チェコのワイン生産の90%近くを占めているそうで、主に4つの地域にわかれています。

一つ目がMikulov(ミクロフ)
ミクロフのPálava(パーラヴァ)の丘はブルノ市内の高台からも望むことができ、我が家の窓からも見えます。白ワインが特に美味しくて、リースリングやシャルドネがおすすめです。

Pálavaの丘からの景色

二つ目がZnojmo(ズノイモ)。
ズノイモはミクロフに比べて少し涼しい地域だそうですが、ミクロフと同じく白ワインが多く生産されていて、こちらはソーヴィニヨンやリースリングがおすすめです。

三つ目はVelké Pavlovice(ヴェルケー・パヴロヴィツェ)
こちらは赤ワインが有名です。おすすめはピノ・ノワールやフランクフルター(チェコ語ではFrankovka(フランコフカ))などです。私自身はどちらかというと白が好きなので、普段は白ばかり飲んでいますが、たまに赤ワインを頂くと、モラヴィアワインの赤は、赤というよりも、見た目も舌触りもロゼに近いような爽やかな印象で、赤が苦手な人でも飲みやすいと思います。

四つ目はSlovácko(スロヴァーツコ)
ここの地域では白ワインも赤ワインも生産されていて、お隣オーストリアでも多く栽培されているグリューナー・フェルトリナー(チェコ語ではVeltlínské zelené(ヴェルトリンスケー・ゼレネー))やシルヴァーナー(チェコ語ではSylvánské zelené (シルヴァーンスケー・ゼレネー))などがおすすめです。

モラヴィアワインは、本当にスッキリとしていて飲みやすく、悪酔いもしません。私も昔からワインは好きでしたが、お値段関係なく、どうしても飲んだ後に頭が痛くなったり、気持ち悪くなったりすることが多く、心の底からワインを楽しむことは出来ていませんでした。でも、チェコのモラヴィア地方に移り住んでからというもの、ワインが本当の意味で大好きになりました。

普通のスーパーで買う1000円以下のワインでも、とっても美味しくて、特に夏場は冷蔵庫に必ず一本冷やしておいて、仕事から帰ってきて夕飯の準備をしながらワインを飲むのが、自分の中での贅沢タイムです。

スーパーの棚にぎっしり並べられたモラヴィアワイン

皆さんも、プラハに行ったらビール🍺を、モラヴィアに行ったらワイン🍷を飲んでみてくださいね!そして乾杯のかけ声は、ビールでもワインでも「Na zdraví!! (ナ ズドラヴィー)」=健康のために!

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