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チェコとスロヴァキア🇨🇿🇸🇰

チェコスロヴァキア

2025年現在、"チェコスロヴァキア"という国は存在せず、現在はチェコ共和国、スロヴァキア共和国に分かれています。でももしかしたら、まだ世代によってはチェコスロヴァキアの印象が強い方も多いのではないでしょうか。

チェコとスロヴァキアは1993年に解体されたので、私自身も幼少期にはまだ"チェコスロヴァキア"が存在していた世代です。実家にも、昔パイロットをしていた叔父がお土産で買ってきてくれたチェコスロヴァキア時代のクリスタルの花瓶があり、底に貼られたシールには"Czechoslovakia"と書かれていて、今となってはとても貴重な物になっています。

チェコ語とスロヴァキア語

とは言っても元々は同じ国であり、チェコとスロヴァキアは国境を挟んで地続きでお隣さんです。私が住むチェコ第二の都市ブルノは、スロヴァキアの首都ブラチスラヴァから電車で1時間半ほどの距離なので、2時間半かかる国内のプラハよりもスロヴァキアの方が近いです。そのためブルノには沢山のスロヴァキア人が生活しており、彼らは当たり前のようにスロヴァキア語を話します。

チェコ語とスロヴァキア語はとてもよく似ていて、チェコでスロヴァキア語を話しても、スロヴァキアでチェコ語を話しても、全く問題なく通じます。ただ、中には全く違う単語もあり、チェコ語しか話せない私からすると、何を言っているかわからないこともしばしば。さらにウクライナに近い地域の訛りの強いスロヴァキア語となると、もはや理解不能になります。
それでもチェコ人とスロヴァキア人同士は互いの言語で会話し理解し合っています。

私個人の意見にはなりますが、チェコ語はスロヴァキア語に比べて輪郭がはっきりしている印象で、分かりやすく言えば、チェコ語で「ナニヌネノ」と発音するところをスロヴァキア語では「ニャニニュニェニョ」と発音するような感じです。

切っても切り離せないチェコとスロヴァキア

そんな両国ですが、分かれても生活スタイルや文化はほぼ同じなので、もちろんスーパーで売られている商品もほぼ同じです。そのため商品に書かれている文字を見ると、チェコ語とスロヴァキア語両方で表記されているものが多々あります。

ブイヨンの箱
“SLEPIČÍ(スレピチー)”はチェコ語
“SLEPAČÍ(スレパチー)”はスロヴァキア語
こちらは両国で大人気で、1979年から販売されているココアの箱裏。白い文字で書かれているのがチェコ語、薄い水色で書かれているのがスロヴァキア語です。
こちらはきび砂糖の袋。
こちらもチェコ語(上段)とスロヴァキア語(下段)両方の表記があります。


このように両言語ともわからない方がみても、書かれている字面がほとんど同じことがお分かりになると思います。

国が解体されてしばらくは、チェコでもスロヴァキア語のテレビ放送があったりしたそうで、日本でいう平成初期生まれくらいまでの世代は何の問題もなく両言語を理解しています。しかし、最近の子ども達は少しずつ互いの言語を理解しづらくなってきているようです。これから10年、20年と年月を重ねていくにつれて、両国の関係性も少しずつ変わっていくのではないでしょうか。

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