ミッションは、最高のランチをつくれ!買い出しからやったら、見事にサイコーなランチが出来た件
こんにちは、じぶん旅ジョニーです。「遊びが人生の骨格をつくる」をモットーに活動する我らは、子どもたちだけでランチづくりというミッションに挑戦。
やってみると、子ども達の好奇心が刺激される、プロジェクトラーニング(PBL)だった。
まさに子ども達のワクワクからスタートし、その途中経過に気づきがあり、それらが自己効力感の育成につながった。
やはり、「食べる」ってテンション上がるもんね。食への探究は、エンジンかかりやすい。
ポイントは
今回、振り返って、一番のポイントとなったのは、料理は、設計を自分たちでできることでした。なにを作るか、どの材料にするか、そこを自分たちで決められることで、モチベーションと、自分たちのスキルのコントロール、そして思考する過程を積める。さらに、仲間とやることで引っ張られ、普段やらないことでも「やってみた」につながる。
加えていうと、材料の購入時、それぞれの選択の幅が持てる。どのお肉を買うか、野菜を買うか/もらうか、自分たちで決めつつ、予算という条件も加わり、それをクリアした上で最上級の味を目指すというのが、いいプロジェクトマネージメントになる。
プログラム概要はこんな感じ
普段から、経験に価値を置き、まずやってみよう!と、自分たちで野菜やお肉を切って豚汁を作ったり、猟師さんが捕獲したイノシシを捌いたりしている我々ですが、メニュー決めと買い出しから彼ら自身でやってもらうのは、新たなチャレンジ。
さてさて、どうなったかお伝えしましょう
さあ、サイコーのランチをつくるのだ!
1日目
メニュー決め
さて、2チームに分かれ、それぞれチーム名を決めたら(イチゴチーム / ひき肉デスチーム)、メニュー決め。はい、わかっております、ここがいちばん時間がかかりそうだと。
普段調理する子 / しない子、最高のランチってなに?俺は⚪︎⚪︎食べたい。
それぞれの作りたいもの、できる/できない、食べたいもの/食べたくないものetc. をすり合わせ。
そこから、料理の本を見て、「美味しそう」x「できる」の掛け合わせからメニューを絞り込んでいきます。「できる」を優先させるイチゴチームと、「食べたい」を優先するひき肉デスチーム。チームカラーは出てきてます。
ようやく決まったメニューは、
・イチゴチームは、オムライス
・ひき肉デスチームは、チャーハンとスープ
おお!最初に出てくるのがこれだったか。
買い出しする品を書き出し、お店へGO!!
この日は、300円x4名で、1200円が各チームの予算。
買い出し
さてさて、やってきました、地元のスーパーマーケット「ナリタヤ」。田舎のお店なので、地元農家さんの野菜が揃い、スタッフの皆さんも優しい。
1周するかしないかで、子どもシェフ達、あっさり品物を決めレジへ。
早い!驚くスタッフ陣。
そして、両チームあっさり予算オーバー。計算していないことに、これまた驚くスタッフ陣。
「ジョニー呼んできて」と、期待と共にレジに呼ばれるワタシ。
「予算オーバーしちゃったんだけど」と。
「そうか、残念だね、予算内でどうにかしよう」
と告げると、顔が青ざめるシェフたち。余分に出してくれると思ったのでしょうか。甘い甘い。ニヤリ
イチゴチームは、優しいレジのおばちゃんが「なに作るの?」と声かけてくれ、「それなら、人参1本で足りるから」とアドバイスもらい人参のバラ売り購入に変更。そのおかげで予算内に。おばちゃん、ありがとう!
ひき肉デスチームは、予算オーバーの瞬間、作ろうとしていたスープをあっさりやめ、チャーハンのみにシフトチェンジ。これで買うものが一気に減り、予算も大幅クリア。
ここでも、それぞれの分かりやすいチームカラーが出てくる。
調理+試食
さて、調理の時間、子ども達、意外にやりおるのです。
かまどの火をつける係、野菜をカットして炒める係、その合間には、かまどの火加減の調節も必要etc. 各チーム4人しかいないメンバーがてんてこ舞い。だいたい全体を理解している子は、1名くらいしかおらず、その子の指示にみんな従う。
初日だったこともあり、全員で1つの作業をやる動き方が多かったかな。
決して、すごく美しい見栄えではないけれど、自分たちで作ったランチは、美味しかった。そして、「あんなに作ったのにこれで4人分か」と、お腹を満たすには思ったより量が少なかったという意見も(なんせ予定していたスープを急遽やめたからね)。
2日目
そんなこんなで1日目は終わり、2日目スタート。
なんとこの日、2-3品をものすごい集中力と分業で作り出したのです。1日目は、1品作るのにてんてこ舞いだったのに。
大きな違いは、
メニューのレベルアップ
分業制への移行
1.メニューのレベルアップ
1日目にある程度できる感覚と量を掴んだシェフ達は、「いけそうだ!」と更に「食べたい!」にチャレンジ。
予算は1日目より人数が増え、1チーム2,000円。
2日目から、料理大好きっ子も加わり、その子の「できる」を信じて唐揚げにしたひき肉デスチーム。さらに、エビとじゃがいも揚げてエビ揚げ&フライドポテトも作ることに。
え、大丈夫?
エビって予算内で買えるの?揚げ物大丈夫?
オトナが決めていたら絶対にしないメニュー。
しかし、これ、信じて任せると、とても美味しそうに完成。さらに揚げ物慣れている子と交代で、揚げ物初めてチャレンジする子も。「あ、できるじゃん!」と「こんなにおいしくできた」の合わせ技でかなり料理へのモチベーションもアップ。やってみてできた経験が、こんなに自信になるんだね。
また、イチゴチームは、頼りになるメンバーがお休みのため、出来ることを堅実にするメニュー設定として、ポテトサラダに。これなら簡単に出来るだろう。
と思いきや、終わった後の感想は「ポテトサラダがこんなに大変だったとは!」。いつも簡単に食卓に出てくるけれど、こんなに手間がかかっていると気づく。
2.分業制への移行
また、この日の大きなポイントととしては、分業し出した点。
昨日は、「なにしたらいいだろう」と見ていた子達が、だいたいやるべきことがわかり、そして「早く食べたい」という気持ちから、それぞれ分担制に。2日目で、チームが機能し出したのもあったかもしれない。
しかも、誰がどこの担当と言っているわけではなく、飽きたら適度に交代して気分転換しながら、入れ替わり立ち代わり分業しているのです。焚き火、揚げ物、切る係。
それぞれの分担で、あっという間に、美味しいランチが完成。
補足:この日の買い出しは
そして、2日目も、普通にレジで予算オーバーしてきたイチゴチーム。
1日目の反省から、計算機を持ってきていた。けれど計算機をスーパーマーケットに持ってくるのを忘れた。というオチ。
昨日から前進している。けれど、まだ1発クリアには遠いイチゴチームでした。
結果、牛肉を豚肉に変更して予算クリア。牛肉、高かったことが学び。
3日目
そんなこんなで、3日目に突入。この日のチャレンジは、
デザートづくり
おもてなし
の2つ。
1.デザートづくり
美味しいデザート作りたい!
これは1日目から話題に出ており、ついにこの日、寒天ゼリーにチャレンジ。
しかしながら、寒天が固まらないこと。意外と時間かかった。それでも、食後にデザートがあるのは、うれしい。さらに、1日目に1品だったことから考えると、大躍進!
2.おもてなしする
また、最後、来てくださったトーさんカーさんにもおもてなし。せっかくなら美味しいものを食べてほしい。そして、何より、自分たちが美味しいものを食べたい。
最終日のメニューは、「炊き込みご飯」と、猟師さんに頂いた鹿肉ベーコンを入れた「スパゲッティ」。
どれも美味。
そして、来てくれたトーさんカーさんも、絶賛の声いただきました!何が良かった、この味は好きだったetc.こうやって、具体的にフィードバックをもらう機会が貴重でした。
補足:この日の買い出しは
さてさて、3日目の買い出しはというと、計算機も持参し、20円余る。はずが、50円オーバーのイチゴチーム。ご愛嬌。レジのおばちゃんの優しさに触れるのも、やり直し出来るのも、いい経験だね。
じぶん旅でやりたいこと
3日間の大きな変化
この3日間の大きな変化は、「自分たちで出来る」感覚をつかみ、自走し出したということ。
1日目は本を片手に調理していたシェフ達が、3日目、ほとんど本を触っていません。むしろ、「鹿肉」なんて普通の料理本には出てきませんからね。目の前あるものをどうしたら美味しく食べられるか。考えた末のスパゲティと混ぜご飯でした。
何より、自分たちでメニューを決めて、買い出しからやると、自分たちの中で、何をどう作るかのイメージと、何より「これを作りたい!」があるので、動きやすいんですね。
作る過程の把握だけじゃなくて、ゴールの共有&腹落ちが、こんなにも動きを加速するんだと、大事さを実感した3日間でした。