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周りにつられて背が伸びる。夏のじぶん旅@南房総

じぶん旅は、「経験が人生の骨格を作る」をモットーに、自分たちで考え、決定し、答えを作り出していく冒険プログラム。

今年の夏は、2023年8月、千葉県南房総で5日間のキャンプとして実施。それぞれが自分の背丈(できる事)を知り、そして周りにつられて背伸びをしているうちに背が伸びる、そんな冒険時間でした。

ここでは「自分で決める」に特化して、子どもたちの決定がどんなだったかについて触れていきたいと思います。


じぶん旅とは

前提となる「じぶん旅」の詳細についてはこちら。
8月後半、4泊5日、小4〜中学生が、南房総大房岬自然の家で生活をしながら、海 / 山で思いっきり遊びまくります。
ルールは1つ。自分たちで考え、決定し、動くこと。その際の条件は、「嫌な気持ちになる人がいないこと」。

じぶん達で決める

この旅では、「自分(達)で決める」をテーマに過ごします。日々忙しい子ども達。夏の間だけでも、オトナが敷いたレールではなく、自分で決める自由と責任を味わってほしい。

とスタートしたじぶん旅。4泊5日過ごすわけですが、「じぶんで決める」もいろいろなことがありました。

「じぶんで決める」際に、条件として守ってほしいと伝えたことは、「嫌な気持ちになる人がいないこと」。
その条件だけですが、子どもたちの出すアイデアや視点は、我々の想像を超え、本当にいい落とし所やおもしろいことを発明していくのです。簡単にオトナのハードルを超えてくる。スタートしてすぐ「オトナがとやかく言わず、子どもに任せた方が上手くいく」を確信しておりました。

ここではそんな事例を2つ。

その① チーズとピーマンが大嫌いな子と「ピザ」をどう作るか

例えば、ピザづくり。
トッピングのチーズやピーマンが嫌いな子がいる。
ピザにチーズを乗せないと、ただのパン。その班はチーズなし(パン)でいくのか!?それとも、無理してチーズ食べてもらうのか!?
ピザ作りの前は、オトナたちはその班の心配をしていました。しかし、始まるとそんな心配を他所に、「そんなのその子の部分に載せなきゃイイだけじゃん」(載せる部分と載せない部分を作る)とあっさり新たな選択肢で、解決。

「ピザはこうあるべき」にこだわって誰かに我慢をさせるのではなく、「いろんなピザがあるよね」と柔軟に考える。そうすれば、衝突が減るんだな。そんな風に感じる瞬間でした。

その② 言われていたやり方だと魚が釣れない。その時とった行動は

もう1つの事例を。
毎朝5時に起き(最終日は4時半)、漁港に釣りに行く有志メンバー。釣り熟練のネギに教えてもらいながら挑戦。
魚感のいい子がどんどん釣れる中で、慣れないチームはなかなか難しい。サビキを試したり、憧れの投げ釣りにもトライ。

釣れたり釣れなかったり、釣れなかったり釣れなかったり、を繰り返しながら、とうとう最終日。子どもたちが決めて、「投げ釣り」一択のこの日。そして、釣れない。難しい。飽きるの連鎖。既に釣り上級者ネギはおらず、自分たちで考えるしかない。まあ、釣れなくても仕方ないかなと見ていると、何やらあーでもない、こーでもないと話しながら、方法を変えている釣れないチーム。
自分たちでやり方を工夫しはじめたのです。

どうやら彼らは、仮説として、
・上手く投げられない→投げなきゃいい
・投げると引っかかる→目の前に下ろせばいい
と考え、
投げ釣りの竿で、彼らが立つ漁港の岸壁沿いに針を下ろしていきました。
これまた釣れるのです。

釣り道具って、それ専用に作られているだろうから、オトナの頭だと、言われたことを熟練していくことが「解」と思ってしまいますが、子どもたちは「釣る」ことが最優先事項。そのために、今あるものでどうするか、考えた。

「これが正しい方法」「詳しい人がそう言ってた」と決めてその通りにやるのが全てではない、時に柔軟に考えることが大事だと見せつけられた瞬間でした。

次回以降は、子どもたちが「自分で決める」ができるようになるための運営側としての設計をお伝えさせていただきます。


後編はこちら


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