東京都写真美術館『建築 × 写真 ここのみに在る光』『愛について アジアン・コンテンポラリー』
3階の『建築×写真』で、美しい建築写真をたくさん見た後、2階の『愛について』に行きました。
『愛について』で展示されている中には、在日コリアンの家族や外国人カップル、台湾の基地の街などを取材した作品がありました。難解なテーマも多く、オーディオガイドを借りなかったことが心残りです。
どの作家の取り組みも、展覧会の企画も素晴らしいと思います。しかし、美術館のような閉ざされた場所で、有名な建築写真と同じように「鑑賞」することには不安を覚えました。展示室にいる間、そこにうつった生活と被写体に対する尊敬を忘れずに作品を見ているか、ただの面白いテーマとして消化してしまっていないか、何度も自分に問いました。
須藤絢乃さんと陳哲(チェン・ズ)さんの展示は、他の方よりは迷いの少ない気持ちで見られました。陳哲さんの写真集「蜜蜂&我慢できる(Bees & The Bearable)」は、直視をためらいながらもページをめくってしまう魅力がありました。
(2018年11月10日)