市民バイスタンダーのサポート：イギリスのサイト事例British Heart Foundation
一般市民である救助者バイスタンダーが感じるストレスについて、海外のサイトでどう扱われているかを探して、イギリスの例：British Heart Foundationを見つけました。今回は、翻訳ソフトを使って同サイトの内容の日本語訳を載せます。
原文はこちら↓
https://www.bhf.org.uk/informationsupport/support/support-if-youve-given-cpr
心肺蘇生をした後の生活
あなたが心停止している人に心肺蘇生を行った後では、ショックで何が起こったのか理解できないかもしれません。このような人生を変える出来事と折り合いをつけ、あなたをサポートするためのヒントを私たちはたくさん用意しています。
心肺蘇生を行った後の対処
結果がどうであっても、多くの人はあなたが人命救助に踏み切ったことを賞賛し、その行動を起こしてよかったと思ってくれるものです。たとえその行動が正しいことであっても、心肺蘇生を行うことはあなたに多くの理由でショックやトラウマを与えることになります。
ほとんどの病院外心停止は家の中で起こるので、あなたがCPRを行ったのは愛する人であるかもしれません。危うくその人を失うところだった、また同じことが起こるかもしれないと感じることは、心肺蘇生を行ったことがある人にはとても一般的な心配事です。
見知らぬ人に心肺蘇生を行い、その時の突然のショックとその後の難しい感情にあなたは対処しなければならないかもしれません。このような人生を変えるような出来事を経験することは、多くの人にとって辛いことです。新たな感情が芽生えたり、現実に起こったことをどう対処したらいいのかわからなくなったりするかもしれません。
長年の訓練を積んだ医療従事者でさえ、影響を受けることがあるのは理解できます。自分自身を大切にすることが大切です。可能であれば、仕事を休むことも必要かもしれません。友人や家族などの人に話すことも助けになるかもしれませんが、起こったことを処理するために、専門的な人に話すことも必要かもしれません。
心肺蘇生を行った後はどうなりますか？
あなたが心肺蘇生を行った後は、救急隊員が現場で引き継いで、救命処置を続けます。
CPRは、臓器や脳に十分な酸素が供給されるよう、体内の血流を維持します。その後、除細動器（訳者注：AED）が制御された電気ショックを与え、心臓のリズムを戻そうとします。除細動器（訳者注：AED）が近くにあるとは限らないので、警察か救急隊員が持ってきます。
救急隊員の準備ができ次第、患者を病院に搬送します。あなたが知りあいであれば、一緒に病院へ行くように指示されるはずです。その直後は、ショックを受けるのが普通で、何が起こったのか理解できないかもしれません。
心肺蘇生後に助かった場合
その人が一命を取り留めた場合、あなたの介入がいかに大事であるかはすでに分かっているでしょう。
以下の点を心に留めておくことが重要です：
・多くの人は、心停止や蘇生の記憶がありません。
・心停止を契機に生活習慣を変えたり、未知の疾患の治療を受けたりすることで、その人の生活が改善されることが多いです。
・心停止を起こした人の多くは、再発を防ぐための治療を受けます。
・心停止を起こした人が友人や家族であれば、その人と話し、あなたの気持ちを打ち明けることが大切です。
・その人が見知らぬ人であった場合でも、連絡を取り合い、その経験についてあなたの気持ちを分かち合うことが助けになるかもしれません。
心肺蘇生やAEDがうまくいかなかった場合はどうなりますか？
999に電話し、心肺蘇生を開始することによって、あなたはその人を助けるために可能な限り最善のことをしました。しかし、救急治療を受けたとしても、心停止から生還できない人もいます。
その理由は次の通りです：
・心停止の根本的な原因
・心肺蘇生またはAEDを開始するまでの時間
・心停止の種類
心肺蘇生を行ったことによるショックは、心的外傷後ストレス障害（PTSD）を引き起こす可能性があります。以下ではPTSDとは何か、その症状、サポートの受け方について学びます。
心肺蘇生の感情的な影響に対処するための専門家のヒント
エセックス心臓胸部センターの臨床心理士、マルコ・ミオン博士によれば、心肺蘇生を行った後、特にその人が助からなかった場合に、罪悪感を抱くことはよくあることだという。「もしもっと長くやっていたら、もっと早く始めていたら、もっと違う場所に手を置いていたら、、、」と考えることはよくあることです。ただ、心肺蘇生法だけで生死の結果が決まるわけではありません。
たとえ医療従事者が心肺蘇生を行ったとしても、助からない人もいます。それは、心停止の根本的な原因、心停止リズムの種類、心肺蘇生やAEDを開始するまでの時間の長さなどが原因かもしれません。
倒れた人に対して怒りを感じるかもしれないし、怒りを感じることに罪悪感を感じるかもしれない、とミオン医師は言います。このいった感情は正常なものだと覚えておくとよいでしょう。
心肺蘇生を行った後、誰もがサポートを必要とするだろうが、その人が助からなかった場合はなおさらだ、とミオン博士は言います。
「特に罪悪感を感じている場合はそうです。もしあなたが心肺蘇生を行い、苦しんでいるのであれば、かかりつけの医師に助けを求めてください。」
心肺蘇生を行った場合のサポート
メンタルヘルスに関するサポートは、Mind（電話：0300 123 3393、Eメール：info@mind.org.uk）、Anxiety UK（電話：03444775774、Eメール：support@anxietyuk.org.uk）に問い合わせることができる。
知人が心肺蘇生を行った場合には、どのような気持ちであったかを尋ねてみることをミオン博士は勧めます。彼らが話していることに耳を傾け、必要なことをすべて表現する機会を与えてください、と。「1週目には話したがらなかったのに、5週目には話したくなるかもしれませんし、悲しみという複雑なプロセスのような、他のことが重なっているかもしれません。でも、彼らの様子を確認するだけでも、とてもいいことなんです」とミオン博士は語ります。
あなたの回復は、心停止した人と同じくらい重要です。と、自宅で心停止した夫をもつスーさんは言います。
心肺蘇生を行った後の心のケア
心的外傷を受けた後、どのように対処するかは人それぞれで、ほとんどの人は時間が経てば気分が良くなります。必要な時に時間を取ることが大切です。
心的ストレスに圧倒されそうになったら、私たちのヒントを試してみてください：
・友人や家族に自分の気持ちを話す。
・自分が楽しいと思ったり、不安を感じないことをして過ごす。散歩、マインドフルネス、庭で腰掛けるなど。
・医療専門家に助けを求める。あなたの愛する人の世話をしている医師や看護師、あるいはかかりつけ医に助けを求める。
・心停止（および心臓発作と心停止の違い）、心停止した愛する人の世話、あなたが受けることのできる支援について、詳しくはこちらをお読みください。
・カウンセリングやその他のセラピーなど、心のケアについて読む。
・大切な人の看病をしたり、体験と折り合いをつけたりするために、職場に休暇をもらえるよう頼んでみる。職場に利用できるカウンセリング・サービスがあるかどうか調べてみましょう。
・心肺蘇生を行った後、他の人がどのように対処したかについては、Heart Mattersの記事を読んでください。
更なる助けを求めるべき時とは？
「普通」の状態に戻るまでにかかる時間は人それぞれです。愛する人の看病に集中するあまり、自分自身の看病を忘れてしまうかもしれません。
心停止を目の当たりにした後の気持ちには、正しいとか間違っているということはありません。あなたが抱く感情には次のようなものがあります：
- ショック
- 感情の浮き沈み
- 不安やフラッシュバック
- 自分を責める
- いつもよりも、ひとりになりたい
- 無感覚や絶望感
身体的症状には以下のようなものがあります：
- 眠れない、悪夢を見る
- 疲労感
- 興奮や動悸
- 集中力の低下
これらの症状が治まらなかったり、悪化したりした場合は、かかりつけの医師に診てもらうようにしてください。また、これらの徴候は心的外傷後ストレス障害（PTSD）やうつ病の徴候である可能性があるため、心の健康管理についても読んでおくとよいです。
感想：
以下は私の感想です。
なにをおいても、中段にあった「あなたの回復は、心停止した人と同じくらい重要です」というメッセージが一番心を打ちました。心停止になった患者と同様に救命に関わった人もケアする必要があるという点です。
また、ここまで長文で心肺蘇生を行った際、その事後にどうなるのかというのが説明されている点に驚くとともに感動を覚えます。すごくよく分かると思うとともに、この情報にもっと早くアクセスできていればとも思いました。このnoteが未来のバイスタンダー体験した人に届くと嬉しいな。
PTSDというとすごく重たく感じられるのですが、心肺蘇生を行った後には誰しも大なり小なりストレスを感じると思うので、そのストレスを解消に役立つコツを知ること、また事前に知っておくことは有益な役立つ情報かなと思います。
今日はここまで。ここまで読んでいただき、ありがとうございます。