見出し画像

風俗街に磨崖仏/異国で生き残るためのネットワーク(伊勢佐木町近辺)

友達が九州からはるばる車で神奈川までやってきました。走行距離にして1,300キロ。1ヶ月前くらいに九州に滞在していた時、事前にこの友達に「8月の終わりくらいに、名古屋・東京・能登半島あたりに行きますよ」という話を聞いていました。

それに対して「タイミングが良ければ、乗せてもらってもいい?」とだけお伝えしておきました。実際にいつ出発するのか、結局どういう工程になるのかは気にせず、その話はほったらかしにしていました。

とある夜、なんとなく instagram で彼のアカウントのストーリーズをチェックすると、「こういうルートで行きます」という投稿が為されていました。「お、ついに」と思い、超簡単なメッセージを送信。次の日の夜に神奈川に来るというので、そちらでお迎えすることに。

彼は東京・東北・能登半島というルートで巡っていくそうで、私もそっちの方に乗っけてもらってピンとくるところで降ろしてもらうということもできたのだけど、なんとなくの体感覚として関西方面に行くのが良いと判断して、せっかくなので「ご飯を食べよう」という提案をしました。

合流すると、彼は結構ハイテンションでした。ただ、話を聞いてみると昨日車にトラブルがあり、予定していなかったタイヤの修理等に追われ、あまり寝ることができなかった模様。ご飯や温泉などの機会をお贈りすることを考えたのですが、しっかりと睡眠を取れるように泊まる場所をお布施することにしました。

私は3年間でいろんな方に泊めてもらい、ご飯を食べる機会を頂いてきましたが、たくさんそういう機会に恵まれる中で、むしろ「それをしたい」という気持ちがよく生じるようになりました。布施経済の遊びの主軸は2つで、「衣食住のご縁を受け取ること」と「衣食住のご縁を贈ること」だと思っています。自分もそれらを頂いてきて、豊かな気持ちにさせて頂いているのだから、少しばかりのお裾分けを受け取ってもらえると嬉しい。そんな感じです。

パッと安いビジネスホテルを予約したのですが、到着すると、風俗街のど真ん中にありました(笑)色鮮やかなネオンが光り、ツッコミどころ満載のお店達が並んでいて、「巡礼フィールドワーク 風俗街編が始まった」という脳内アナウンスを聞きながら、ほんの少しの散歩を楽しみました。

ビーナス。

お気軽にお入りくださいの文字。
めちゃくちゃ入りにくい…(笑)

入ったら、70代のおばあちゃんがいそう。おばあちゃんが「私も一杯いいですか」と声をかけてきそうです。常連さんのカラオケを聞きながら、複雑な気持ちで楽しむことができそうなお店だと思いました。

やおや。

なんとシンプルなのだろう。
ビーナスと同系統のシンプルさを感じます。

チェーン店なのでしょうか。いわゆる日サロですね。


国内最大級日焼け


結構小さな店舗でした。何が最大級だったのだろう。気になります。

タイ古式マッサージのお店がめちゃくちゃありました。何十軒もある様子。

ついついキングコースの文字に笑ってしまいました。

クイーンコースは無かったので、主に男性向けなのでしょう。どこまでサービスされるのかは知りません😉

風俗街ですので、さまざまなお店があります。

そんなのあんの!?とつっこんでしまったのが、

日本キス協会

という文字。

最高金賞受賞!!

世の中にはまじで色んな協会があるものですね。

調べてみたら、日本キス協会をWEB上で見つけることができませんでした。

これは幽玄会社的な何かかもしれない。

そんな感じで町にツッコミを入れながら、夜ご飯を食べようと中華のお店に。中国人の方がやっているお店で、店内には一人の従業員と、料理担当の店主さんがいました。

メニューを頂きました。

メニューの表紙がこちらです。

突然の磨崖仏!

もう謎が多くて、笑いが止まりません。

なんと安らかな顔をされているのでしょうか。

ちなみに、アップしてめちゃくちゃ画像の解像度が荒くなっているように見えますが、そもそもメニューの表紙自体がボケてました。

ネットで拾ってきたものを引き伸ばしたのだと思います。どうしても磨崖仏にしたかったのだという意志を感じますね(合掌)

さて、肝心の中華料理なのですが、とっても美味しかったです!刀削麺を推しているお店だったのですが、牛肉の刀削麺がこれまで食べた刀削麺の中で1番美味しかったです。この近くに住んでいたら絶対リピートしてしまう。。

横浜市に住んでいる方に向けて、Google Mapのリンク置いておきます😊

お店の名前は「華隆餐館」でした。

お店の人も気さくで楽しかったのですが、ちょっとしたやり取りを見ていて、ほーと思うことがありました。

私たちがお店に行った時、お米が無かったんですよ。

飲食店でお米が無くなっている状況って、なかなかピンチだと思うのですが、「お米無いんですね」って言ったら

「はい、そうなんです!」という言葉と共にキラキラした店員さんの笑顔が返ってきました。

刀削麺を頼めばいいやと思ったので、とりあえずオッケー👌

磨崖仏を推しているお店ですもの。責めることはございません。むしろいつも料理を作って下さり、ありがとうございます。

「お米を持ってきてくれますので!」という言葉も返ってきました。

??

なんだかよくわからないままに、「そうなんですね、ありがとうございます」と返答。30分後くらいに、その返答の意味がわかりました。

なんと、中国系の方がお店に現れ、料理やお米を届けていったのでした。おそらく別店舗の中華料理屋さんから運ばれてきたようです。

あぁ、なるほど。
この町に中国からの方々がいらっしゃって、お互いにつながっていて、助け合う関係性があるのだなと思いました。

お米と料理に対してお金を払う感じでも無かったので、ある時は助けてもらい、ある時は助けるという感じで、お金を発生させないままに助け合いが生じているのだなと思いました。

店員さんは中国からやってきて3年半とのこと。彼女からしたら異国の地・日本ですので、生活も日本語話者の自分と比べると難しい局面をたくさん体感されていることだと思います。

こういう風俗街やそこに近い場所では、戸籍、ビザ無しの違法労働の問題など、いろいろあると思うのですが、自分が見えていないところで助け合っているのだろうと思いました。(このお店の方々のビザがどうのこうのという話ではありません)

こういう光景を見ていると、私は見たことがないけど、高度経済成長期にあったであろう「長屋の隣の家に醤油を借りにいく日本の風景」を想像しました。今よりも人間関係の濃さが特徴的だったのでしょうね。貸し借りや贈与につながりのあり方を見て取ることができそうです。

さて、そんな感じで夜ご飯を食べて、ホテルに帰り着きました。今日も屋根・壁・床があること、宿泊というサービスを布施させて頂けたこと、その背後にこの数日の他の方々からのお金のお布施があったことなどが、今日を生きることにつながりました。

関わる皆さんに感謝です。
では!

頂いたサポートは、生活と創作(本執筆)のために、ありがたく使わせて頂きます!