人生の節目に「どの流れに乗るか」を問い、それに応えること

研究者の知り合いの方から「トランジション本を読みました」と連絡をいただきました。

そして、たまたま別のラインで学んでいた認知行動療法の話とリンクするところがあったらしく、そちらの動画を送ってもらいました。

こちらにもメモとして、共有します。内容は「人生の節目」についてです。

簡単にメモしました。

開放形
・人生の節目の時期は、開放系になり、非連続的な変化が起こる

・開放系:外からのエネルギーが流れ込んでくる、やってくる。選択肢が増える
・比喩的に言えば、節目の時期には、カオスやフラクタルが起こっている、複雑系になっている
 
・どんな文脈を選択するか?という問題がはらむ(私がよく使う言葉でいうと、どういう流れに乗るか)
 
閉鎖系
・それ以外の時期は、近似的に閉鎖系として振る舞い、連続的な変化が起こる / 因果関係的

さらに、体験の回避についても参考になったので、メモ。

・体験の回避は、嫌悪的な状況だけでなく、それに対する自分の反応(嫌悪的な心理的事象)も回避してしまう行動で、様々な精神病理の原因になる。
→回避すればするほど、嫌悪度が強くなる
→つまり、体験の回避によって、認知が行動や感情に対して持つ影響力が強くなる

・アクセプタンスは、「防衛することなく」自分に生じていることを十分に体験する(そのままにしておく)を意味する

動画はこちらです。メモの箇所は23分くらいから。文脈の話の後に人生の節目の話が出てきます。

これを見て、簡単に思ったことはこのようなことでした。

・トランジションにおいて、「受容すること」はとっても重要なこと。アクセプタンスという言葉で、認知行動療法の第三世代で語られていたことを知った。

・受容の感覚がとことん削がれがちなビジネス環境。動くことの価値だけが語られる文脈の中にいると、「ただ何もせずとも価値があってよい」という「在ること」が難しくなることもある。過剰な成長を促す思考は、受容志向を削いでしまう可能性があることに気をつけたい。ただ、あくまでバランスの話だし、成長欲求自体が悪いわけではない。成長欲求の受容と、自分に今生じてくる感覚の受容を同時に成り立たせていくことができる。

・節目は開放形。確かに、と思いました。節目がきているなぁという時には、選択肢が増えるように、自分をあえてこれまでとは違う文脈に置いてみるようなアクションを自分の身体に経験させてあげるといいですよね。
 
その際、私が好きな問いは「自分の身体に何を経験させてあげたいだろうか?」という客観的視点に立ったもの。さらに「今、私に何がやってきているのだろうか?」という問いも好きです。
 
開放形においては、特に大切だと思うのが、やってくることに対して、いったん受け止めてみる余白を作ることだと思います。有効なアプローチとして、何をしない時間を作ることや、これまでとは違う時間の過ごし方を増やすことや、これまでとは違う人との関わりを増やしてみることなど、いろいろと試行錯誤できそうですね!

改めて、私が学んできた仏教思想って何なんだろうか?と考えると、今日の言葉でいうと、「自らの人生を開放形に調え、非連続な変化を受け入れていくこと」を結果的に手助けする思想・技術だと言うことができそうです。

人生をつくるという視点だけではなく、人生自体がやってくる、という視点も大事です。それらが、DNAの二重らせん構造で編み込まれていくように、合わさっていく。そのような学びをいただいているような気がします。

(生きる人たちそれぞれの解釈は異なると思いますので、あくまで一個人の参考として書いています。)



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三浦祥敬(しょうけい)@アートプロジェクト・fuwatari
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