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幕が上がる前の静けさのような、そんなまっ暗闇で、星座を想う

次のプロジェクトの構想を練っています。3月までのお仕事はわりとビジネス色が強くて、その文脈の中に回収され切らない自分自身を日々感じていました。

それがひと段落し、次のプロジェクト何しようかな?と考えているのですが、キーワードには「星」「星座」「人生」「物語」あたりが頭の中にちらほらしています。

ラディカルに、そしてポエティックにやりたいなって気持ちが生じてきています。

「エビデンス」「ファクト」「データ」などが重要視される現代ではありますが、ちょっとフフッって笑っちゃうような、心が温まるような、そんなアプローチを探ってみたい気持ちです。

星を通して語る

星ってすごくいいメタファーだと感じています。

それぞれの星が光っていて、人がそれに関係性を見出していき、その全体を表すのが星座です。星座は絵であり、物語です。それらを見出すのは、地表にいる人の想像力のたまもの。

星座といったら、おうし座とか、水瓶座とか、西洋十二星座のことを思い描きがちですが、星の関連性のあり方のパターンは数限りなくあります。

新しい星座を描くのもいいと思うんですよね。

コロナ禍によって、これまで当たり前のように成立していた社会システムが転換していくかもしれない中で感じるのは、新しい価値観や新しい関連性が生まれていき、これまで支配的だった物語が問い直されていくおおきな転換が起こっていくのだろうなぁということです。

これまで光っていなかった星々も再度、発見され直し、新たな関係性の元で、多様の星座の形が浮かんでくるんだろうと思います。

私たちの価値観が変わってしまうからこそ、見出していく星々や関連性、星座と物語は変わっていきます。

内面の世界の星座

そんな「星座」ですが、内面の世界に想いを馳せる時にもとってもいいメタファーだと感じます。

星座について調べていると、ユング心理学で「コンステレーション(付置)」という概念があることを知りました。

どうしようも人生の場面場面で苦しくなったり、わだかまってしまうことってありますよね。俺もある。みんな、少なからずあるんじゃないかな。

それらがどこかのタイミングでパッと意味ある絵のようにつながってしまう瞬間があると思います。とある瞬間にパチっと化学反応が起こるように発火して絵が見えたり、何かがつながるような感覚が芽生えたりする瞬間が生まれたりすると、これまでの過去に描いていた絵や物語の解釈が転換してしまう。

個々の要素を見ているだけでは、よくわからないことも多い。でもそれらを繋げ合わせた末に見えてくる絵がイキイキとまるで生きているかのように動き出すこともあります。

それは意図的に「こういう物語なんだ!」と決めつけずとも、ある時にそのようになってしまうとも言えるような「結実する体験」なのだと思います。

人間を星だとたとえてみる

人は水素のモヤからできた銀河、星などの化学反応が起こっていった末に、ずいぶんと時間が立って、生じてきている生命です。137億年。言葉にすると数文字で澄みますが、あまりにも途方もない時間で想像できません。

その大きな生命の流れを「いのち」と呼ぶならば、私たち一人一人は、それと不可分の「命」を持っているのだと思います。私たちは星屑の果てです。星を見ると、私たちの歴史に目を向けるようなそんな心地がします。

コロナの一件は、私にとっては、命の一つ一つで起こる内面のコンステレーションが次々に起こるきっかけのようなものだと思っています。私たちの内面で起こるコンステーションが、新しいコンステレーションと出会い、共鳴していく。新たな関係性から物語が生じ、さらに大きなコンステレーションへと合流をしていきます。

どのようなコンステレーションが起こっていくのかはコントロールすることはできません。ですが、内面でコンステレーションが起こる自分自身が周りのコンステレーションとの関わり方を変えていくことで、全体の星座も変わっていくのでしょう。

絶え間なく明るい街の光に慣れ切ってしまって、
夜空の星の光のことを、すっかり忘れてしまっていないだろうか。

私たちは随分と、外の世界に火を灯そうとし続けてきました。それはたとえば経済の火。こんな星座を作るぞー!!とリーダーたちが指し示す星座を作ろうと必死でやってきました。外の世界は圧倒的に豊かになってきました。

でも、今は立ち止まるのも大事なことなんじゃないだろうかと思っています。

外の世界がコロナに影響を受け、暗くなってしまったとしても、命の火はまだ絶えてはいません。

むしろ一度、真っ暗闇に入ることで、自分自身の内面を見つめていく中で、大切にしていた価値観を再認識していくことができるタイミングです。すでにそれらは光っています。ただ、その存在に気づかずにモヤがかかっているだけです。

おのずから光る要素をつなぎ合わせて、関連性を見い出し、コンステレートが起こってしまうその時に、新しい物語が始まっていきます。

今の過渡期は、不確実で脅威だと思える時もあるけれど、絶望の中で希望の物語が始まる、そんなきっかけになると思うのです。

幕が上がる前の静けさのような、そんなまっ暗闇で、星座を想う

あなたの中で生じていく星座と物語を、どうぞ大切に。

暗闇の中をオロオロと、心の星座と物語を頼りに生きていきましょう。

なんでしたっけ。そうそうプロジェクトの構想の Note でした。自分自身の中でのコンステレーションは近いうちに起こると思います。

その時にまた、皆さんにご報告させてください ^^ 


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三浦祥敬(しょうけい)@アートプロジェクト・fuwatari
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