10月の会計報告を終えて
架空の法人 ”幽玄会社テンプル”を2021年の7月7日に創業し、作り始めました。
私は、創作をして生きていくということを念頭に置いて、ドローイングの制作や拡張し続ける一枚布の制作を行なっているのですが、その一方でお金や食べ物などの「生きる糧」を受け取ること無しにそれらを作り続けることはできません。
その要請に応えるものとして、自分なりの形で行っていこうと思い、架空の法人 ”幽玄会社テンプル”というアートプロジェクトをやっていこうと思いました。”幽玄会社テンプル”のアイデアと実験が転がっていくままに、皆さんにその動向を報告していけたらと思っています。
幽玄会社は、贈与の力学を基軸にした活動です。特に、贈与の中でも、頂くこと、贈ることを体現できたらと思っています。頂いたお金と流れる先をできるだけ透明にしていくことを意図しながら、月末・月初あたりに会計報告をすることにしています。今回の投稿は、私サイドから幽玄会社2回目の会計報告(10月分)を眺めながら考えていることについてのメモです。
考えるきっかけとなった、幽玄会社の会計報告はこちらです。
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10月は、なんとか幽玄会社を生かし、なんとか生かしてもらったという感じで終了しました。”なんとか”という表現がぴったりきます。笑
いやー、幽玄会社が存在するようにするのは骨を折る作業ですね。そもそも架空の法人ですので、パッと話し相手に自分の発想が伝わるとは限りませんし、会うたびに一から説明するということにトライしています。
10月は幽玄会社に観点で重要な節目だと感じました。
一つ、印象的だったのは、「(幽玄会社のプロジェクトの一つである)食糧他給センターが存在し始めた」と感じ始めたことです。
これまで食糧他給センターのことは身の周りにいる方々には話してきましたが、10/22, 10/23にイベント登壇の機会を頂き、その場で他給センターについて話しました。そして話すだけでなく、22日のイベントでは必ずしもイベントに参加できない遠隔地に住む方々から、2万円5千円以上のお布施を頂くことができ、多聞さんの協力のもとで参加者の方々に飲み物を振る舞うことができました。それらが流れていく時、"通っていく感じ"がしました。物も巡っていきましたし、食料他給センターという発想も楽しく巡っていってくれた感覚が生じました。
「世の中で一般的に語られていないイメージを現実に引き出していき、それを躍動感をもって展開していくということ」をイベントの場で反応を頂きなが行うことができたことはとっても幸運なことでした。この手応えは、あくまで自分の中に生じたことに過ぎませんが、この心の中で生じた「お、なんかいけるぞ?」という小さな実感が、今後の私自身の活動の火種、そして、幽玄会社の成長の糧になっていくと思います。
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今の段階では、私自身が幽玄会社に布施するという流れが第一にあり、後々成り立ってほしい「多数の方々からパトロネージュを頂きながら、贈与の流れを次々に起こす」というイメージには程遠い状態です。(パトロネージュの金額は500円/月の人もいれば、10万円の人もいるというイメージが湧いています)
このイメージが具現化していくためには幽玄会社というコンセプトを地道に発信していくことや、私個人のアートワークを進化させながら、それが幽玄会社と共進化を起こすようにバランスを取っていくことに注力していく必要があると感じています。
ひとまず、今できることは、幽玄会社が存在する文脈を生む活動を実行していくことや、会計報告をすることなので、まずそれらを継続していけたらと思う次第です。
10月も生き残ることができ、よかったです。
読んだ皆さんの11月が素敵なものとなりますように。