「ふらふらする」意味を噛みしめる/梅田悟司さんとの1on1
今回のflier book campは特別
事務局としても関わらせてもらっているflier book camp。
普段は事務局として各book campのDay1に同席させてもらっています。
そこからの学びをこのnoteに書かせてもらっているわけですが、今回、7月開講のコピーライター梅田悟司さんのbook camp「話している言葉から伝えたいことを掴む力―誰かのために言語化を活かす―」については、受講生として申し込み、4か月間参加してきました。
梅田悟司さん。
以前noteにも梅田さんのご著書「きみの人生に参戦名を。」の書評を書いたことがあるのですが、彼の紡ぎだす言葉が、とても深くて、温かくて、彼のbook campの開催が決まった瞬間に受講することを決めていました。
つい先日、全4回の講義が終わり、そこでは感動のフィナーレが待ち受けていたのですが、今回、ここで書きたいと思っているのが、このbook campの目玉である、講師である梅田悟司さんとの1on1の様子とそこで頂いた言葉についてです。
梅田悟司さんとの1on1
このbook campの参加者は37名。
超多忙な梅田さんが月に一回の講義のほかに、受講生ひとりひとりとそれぞれ1時間、1on1の時間を取ってくれる、めちゃくちゃ貴重な時間を割いてくれるなんて。。。
その目的としては、
「講師との1on1で、言語化を助けられる体験をする」
ということなのですが、受講生としては、梅ちゃん先生(キャンプ内では梅田さんを梅ちゃん先生と呼んでいた)に話を聞いてもらえて、なんなら素敵なコピーももらえるかも!ということで、私のみならず、全員が心待ちにしていた、一大イベントでした。
ここからは、そんな1on1の様子と、そこでいただいた素敵な言葉「ふらふらする」にフォーカスを当てて綴ってみたいと思います。
まず、ちゃんと聴く。
こちらの見出し、エール株式会社の櫻井将さんの著書「まず、ちゃんと聴く。」からのものです。実はこの本のタイトル、梅田悟司さんが付けたコピーなんだそうです。
今回のキャンプでも、相手の言語化を助ける、という目的のもと、相手の話をちゃんと受け止める、聴ききる、ということを何度も言われていました。
そして梅田さんとの1on1当日。平日の11時からという時間帯。
ZOOMに入り、お互い、よろしくお願いしまーすと軽い感じでスタート。
天気の話から住んでいるところ、この時間普段何をやっているかというアイスブレイクから始まり、自然な流れで1on1へ。
ちなみにこの日、私は朝イチで荒木博行さんとVoicyの収録があり、それが終わって一息ついたところで梅ちゃん先生との1on1でした。
よく考えてみると、荒木さんからの梅田さん、めちゃくちゃ豪華な午前中でしたね笑
梅田さんのスタイルは、聴きながらとにかく議事録をとっていくスタイル。このメモを取りながら聴くということの重要性はキャンプの中でも何度も言われていました。
ちなみに私も以前に比べると1on1やMTG、いろいろな場面でメモを取る頻度が増えました。そこから見えてきたものはまた別途書こうと思いますが、相手の言葉が浮き出てくる、とでもいうのでしょうか。私の場合は、この言葉の意味するところをもう少し聴いてみたい、というキーワードが見えてくる、といった感じです。
頂いた「ふらふらする」という言葉
梅ちゃん先生は、私の話を、学生時代から今に至るまでのキャリアヒストリーを順を追ってじっくりと聴いていってくれています。
以下、回想風に書きます。
私はひたすらしゃべる、しゃべる。普段、人の話を聴くことはあっても、聴いてもらうことはあまりないかなあ。というか、聴いてもらうことがあまり得意ではない。なぜかというと、あまり伝わらない感じがするから。
でも、せっかく梅田さんに話を聴いてもらうのだから、とメンタルブロック?を外して、心の赴くままに、とにかく自分がここに至るまでの流浪の人生を語っていく。
梅田さんはひたすらメモを取りながら、そんなに深掘りすることもなく、浅瀬でぷかぷかさまよっている感じで、1on1が進んでいく。
話し始めて1時間弱、私が一通り話し終わると、梅田さんが黙る。
「ちょっと時間くださいね。」と言って。おそらく時間にして20〜30秒くらい?
そして何かを一言キーボードに打ち込み、とっていた議事録を画面共有してくれる。
そこには、
ふらふらしながら、出会う。役立つ。
の文字が。
第一印象は、正直なところ、ほー、、、という感じ。
梅田さんは、とっていた議事録を遡りながら、解説始めます。
「スナフキン、ってかっこいい言葉使っていたけど、そういう言葉じゃなくてさ、ふらふらしていることをもっと誇っていいんじゃないですか?」
梅田さん曰く、私の「まあ、ふらふらしているんですけどね。」という自虐的な言葉が気になったそう。
ふらふらしているキャリア・人生を歩んでいることを、自分は自覚していて、それをあまりいいことだと思えていない、後ろめたさを持っている。
そんな私の内面を、梅田さんは「ふらふらしているんですけどね。」という言葉から読み取ったんだと思う。
そして、あえてその言葉をコピーに使うという。
改めて梅田さんに提示してもらった「ふらふらする」という言葉。
ふらふらするという価値、をどのように表現するか、その前に、そもそも、自分はふらふらしているということをどう感じているのか。
これは1on1が終わってから、自問自答する時間が必要でした。
ふらふらすることで生まれるもの
飽き性な私は、一つの分野に関して、時間をかけて取り組むことが苦手です。その代わり、関心の幅が広く、柔軟な対応が得意なので、興味の赴くままに、フットワーク軽くいろいろな分野に顔を出していくタイプです。
越境者とか、カタリストとか、ファシリテーターとか、かっこいい言葉はたくさんあるのですが、あえてそう言った言葉は使わず、ふらふらしていると言い切り、そんな人が生み出す価値とは何か。
例えば、今私が身を置いているサステナビリティの分野はとても学際的で、地球環境問題からビジネスと人権、はたまた最近だとウェルビーイングまでとても守備範囲が広く、サステナビリティの専門家、という人はいないと私は思っています。
サステナビリティ分野だけでなく、恐らく、複雑性が増すVUCAの時代に、この分野のことだけを知っていれば大丈夫、ということはないんじゃないかと思います。
そのような時代に、ふらふらしながら分野と分野の間を行ったり来たりしながら、時には両方を繋ぎ、またある時には俯瞰しながら問題を整理していく人って必要なんじゃないか。そんな風に思えてきました。
梅田さんの言うように、堂々とふらふらしている、ということを伝えた上で、その価値をしっかりを自分の言葉で丁寧に説明すること。
これが出来たら、自分はもっと自分の人生に誇りを持てるようになる。
いい人生を歩んでいると言い切れる、そうなんじゃないかな、と。
そもそも、ふらふらしている自分は嫌いじゃない、というよりも、とても心地よいと感じる自分がいます。
この心地よさを大切にしながら、堂々とふらふらしていると宣言して、生きていきたいなあ、そんな風に思わせてくれた、梅田さんに心から感謝を伝えたいです。
サステナ界隈をふらふらしている人。
これを、私の新しい肩書にしたいと思います。
サステナ界隈をふらふらしながら、私がふらふらすることでその分野が少しでも進歩し、私が顔を出すコミュニティが少しでも豊かになれば、そんな素敵な人生はないんじゃないかな、と。
最後に、梅田さんがかけてくれた言葉、
「まあ、僕もふらふらしてるんで。一緒にふらふらしましょう。」
この言葉にとても勇気をもらいました。梅田さんに自分も一緒だから、と言ってもらえた安心感。それはちょっとしたリップサービスだったかもしれないけれど、それでもうれしかったです。
梅田さんと1on1をした日。
その日、私の人生に新しいスタートラインが引かれた気がしました。