子どもだけで話してみよう、やってみよう
「将来、会社に入るためにしっかり勉強しなさい!」子どもの頃に先生や親から言われた方も多いのではないでしょうか。将来のためにしっかりと勉強をすることはもちろん大切です。ただ、ここ数年の企業の採用選考基準を見てみると、机に向かって勉強だけしていれば良いというわけではなさそうです。
経団連が毎年発表している統計によると、新卒者の採用選考時に重視する要素の第1位は「コミュニケーション能力」。なんと、2004年から2019年まで16年連続で第1位です。IT技術がいくら進んでも、「人と直接的につながる力」が企業で働く上で必要とされています。これは、会社勤めに限らず、ほとんどの職種においても当てはまるのではないでしょうか。
【選考にあたって特に重視した点(5つ選択)】
1位 コミュニケーション能力(82.4%)
2位 主体性(64.3%)
3位 チャレンジ精神(48.9%)
4位 協調性(47.0%)
5位 誠実性(43.4%)
6位 ストレス耐性(35.2%)
7位 論理性(23.6%)
8位 責任感(22.1%)
9位 課題解決能力(19.8%)
10位 リーダーシップ(17.1%)
(出典:2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果)
ただ、残念なことにこの3年間のコロナ禍の影響も含め、子どものコミュニケーション力を伸ばす機会は減っています。もちろん、感染拡大に気をつけなくてはいけませんが、コミュニーション不足という問題にも同時に向き合う必要があると思います。この問題が日本の将来に大きな影響を及ぼすような気がしてなりません。
このような現状を踏まえ、咲柔館では子どもだけで話す機会、子どもだけでやってみる機会を作るように心がけています。例えば、ある日の稽古ではオニごっこのルール決めから実際に遊ぶまでを子ども達だけやらせてみました。もちろん大人が説明して、仕切ってやった方が早いに決まっています。ただ、それでは子どものコミュニケーション力は育ちません。子ども達にやらせてみると決めたからには、いくら時間がかかっても、うまくいかなくても、よほどの問題が起きない限りは遠くからじっと見守ります。
実際にやってみるとルールが分からないお子さんがいたりと、スムーズにいかないこともありました。しかし、こうした経験を積み重ねることで、子どものコミュニケーション力は少しずつ向上していくのだと思います。
ゆくゆくは、高学年のお子さんたちが稽古を進行したり、みんなの意見を取り入れながらメニューの一部を考えることにも挑戦させたいと考えています。これからも、お子さんたちの伸びる力を信じ、安全面に配慮した上で、子どもだけで話す、やってみる時間を作っていきます。そして、道場の外でも色々な人と話せる、仲良くなれる力を養っていきたいです。
オンラインでのコミュニケーションもすごく便利でとても楽しい。でも、私はやっぱり人と直接会って話す方が「つながっている」という感じがして好きです。
「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館
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