見出し画像

ハードワークを支えるお気に入りの "ハイライト"

本を読まないということは、そのひとが孤独でないという証拠である。

太宰治『如是我聞』

仕事、趣味、スマホに追われる毎日を送る僕らに、本を読む時間なんてないのかもしれません。もし太宰治の言葉が正しいとすれば、現代人は孤独とは無縁になったということになるのでしょうか。

僕が本を読むのは、仕事のため、教養のため、趣味のため——どんな目的であれ、どこか逃げ込むようにすがるように読書をしている気がします。仕事で煮詰まった頭を冷やしたり、資産運用のヒントを探したり、あるいはただただフィクションの世界に没入したくなったり。

こんにちは、キャディの荘司です。CADDi Drawerのプロダクトマネージャーをしています。趣味も仕事も子育ても資産運用も、とにかくKindleで本を買っては、気になったところをハイライトしながら雑に目で追いかけては慰められています。

今日は、そんな日々の中で今の自分の考え方や仕事への向き合い方に少なからず影響を与えていそうな本のハイライト(引用文)をご紹介します。

趣味が合いそうな方、ぜひおすすめの本を教えてください。人からおすすめされると、わりとすぐ読みます。


心に向き合う

何かを、特に自分が勝手に始める時のドキドキを払拭する一節

誰かが始めなければならない。他の人が協力的でないとしても、それはあなたには関係ない。わたしの助言はこうだ。あなたが始めるべきだ。他の人が協力的であるかどうかなど考えることなく

嫌われる勇気(岸見 一郎、古賀 史健)

やっぱりこれが来ちゃいます。恥ずかしげもなく最初にご紹介します。影響は大きいのです。

次、「あ、むかつくなこいつ…!」ってひそかに思ってしまったときに思い出す一節です。

「怒り」を感じたときは、同時に「何が大事なのか」を知るときでもあります。

エンジニアリング組織論への招待(広木 大地)

「おまえのかーちゃんでーべそ!」って言われてむかついたらかーちゃん大好きってことです。機会をもらったな、と思えると随分と楽です。

次、求めてない助言を年長者がくれたときに噛みしめる一節です。

後悔している先人たちはいつだって声がでかい。

インカメ越しのネット世界 (りょかち)

刺さるな〜鋭利だな〜。僕りょかち先生のファンなんです。いわんや年長者のアドバイスをや、無視すべきことこの上なし。(ブーメラン)

仕事に向き合う

僕の中のリーダー像。毎月キャディの新入社員向けの研修の1つを受け持っているんですが、そこでも紹介しています。

「皆さんはリーダーと聞いて、どんな人をイメージされますか?」
すると、未だ三十代と思しき白人男性が立ち上がって答えた。
「天安門広場で戦車を止めようとして一人で立ちはだかった、名も知れぬ若い中国人の男性」(正確には、彼は“an unknown young man in front of tanks in Tiananmen square”と英語で言った)。
それまでの他の出席者からの回答は、「すごいリーダー」のオンパレードだったので、一瞬私はわけが分からなくなった。だが、数秒して、一九八九年の天安門事件を伝えたニュース映像が頭に浮かんできた。世界中の多くの人が知っている白いシャツを着た一人の中国の男性、戦車の前に立つあの青年の背中に、リーダーシップの原点が現れていると、その白人出席者は感じていたのだ。
何と説明したらいいかよく分からないが、その時私は、自分の中でのリーダーシップへのもやもや感が、急速に晴れていくのを感じていた。世間一般で、あの中国人をリーダーと思っている人はあまりいないのではないだろうか。彼のその後の行方は、あの時あの広場で命を落としたと思われる多くの学生たちと同様、不明のままだし、普通の人は、彼の素朴とも言える無謀さを馬鹿にするかもしれない。青年は決してリーダーになろうと思って戦車の前に立ったわけでもないだろう。戦車をただ止めようとしただけだ。しかし、事件の映像を見た人の心には、あの姿がまざまざと残っている。少なくとも、その白人エグゼクティブのように、名も知らぬ彼に共感を覚え、彼をリーダーだと感じている人がいる。
あの青年はきっと特別な人間でも、エリートでもないだろう。自分が戦車を止めることで実現されること、その何かを見てみたいと思い、たった一人で足を踏み出したに違いない。「他の人が見ない何かを見てみたい」という意志をもつあらゆる人の前に、リーダーシップへの道が開けていることを、彼の行動は示しているのではないか。そんな気がしてならない。

リーダーシップの旅~見えないものを見る~ (光文社新書) (野田 智義、金井 壽宏)

天安門広場で戦車を止めようとして一人で立ちはだかった、名も知れぬ若い中国人の男性の実際の映像はこちらです。

「他の人が見ない何かを見てみたい」まさにそう。僕もこう思いながら楽しく仕事しています。

次、ソフトウェアプロダクトの開発に取り組むチームをつくるときに考えたりメンバーに伝えたりしていること。

チームメンバー全員がプロダクトをまるで自分の子どものように愛し、自分の担当領域だけではなく、プロダクト全体のことを考えることを「プロダクト志向」とよぶ。たとえばエンジニアならば、ソフトウェアとしての設計や実装だけでなく、自分の書いたプログラムがどのようにユーザーに使われ、事業に価値を与えるかを考える姿勢のことを指す。
プロダクトを成功させるチームは、プロダクト志向のチームである。メンバー全員がプロダクトを自分ごととして捉え、プロダクトをよくしていくことにこだわり抜く。プロダクトに愛着をもち、「これは私のプロダクトだ」といってあちこちでプロダクトを宣伝して回る。電車の中で見ず知らずの人が自分たちの手がけるプロダクトを使っていると喜び、知人が競合のプロダクトを使っていると悲しむ。日々の生活の中で、自社のプロダクトを使ってもらうためにはどうすればよいか考え、その考えをチーム内で議論してプロダクトに反映することができる。

プロダクトマネジメントのすべて(及川 卓也、小城 久美子、曽根原 春樹)

そんなことできますか?その覚悟がありますか?僕はあります。それくらいじゃないと、仕事は楽しくないですよね。

次、「プロダクトマネージャー大変な仕事すぎません!?」と思わされつつ「やってやろうじゃねーかー!」と熱い気持ちにさせてくれる二節。

成功するプロダクトマネジャーは、飛び抜けて頭がよく、創造的で、粘り強い人間である。
頭がいいというのは、IQのことを言っているのではない。ここで言う頭がいいは、とりわけ、知的好奇心にあふれ、新しい技術をすぐに習得し、それを使って顧客の問題を解決したり、新しい顧客の心をつかんだり、新しいビジネスモデルを作ったりすることができるという意味である。
創造的というのは、ビジネスの問題を解決するために通常の職能の枠にとらわれずに考えられることを意味する。
粘り強いというのは、説得力のある根拠をもって常にコミュニケーションを取り、頑強な反対に直面しても組織の間の橋渡しをし、企業を動かしてコンフォートゾーンから押し出す力があることである。
製品に対する愛情と、顧客の問題を解決しようとする熱意は、誰かに教えてもらうものではない。それは持っているかいないかであり、私がプロダクトマネジャーの候補者を評価するときに、最初に確かめることの1つだ。あなたはそれを持っているとしよう。

INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント(マーティ・ケーガン)

プロダクトマネジャーは9時から5時までの仕事ではない。1日15時間オフィスにいなければいけないというわけではないが、とんでもない量の仕事があり、毎晩、家に仕事を持って帰ることになる。もし良いワークライフバランスを求めているなら、製品開発チームの中でも、ほかの役割のほうがはるかにいい。こういうことを言うと公正さを欠くが、間違った情報を与えることがあなたのためになるとは思えない。プロダクトマネジャーという役割に必要とされる時間と努力は、あなたが製品とその役割に個人的な情熱を持っていないならば、仕事を続けるのが極めて厳しいレベルだ。

INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント(マーティ・ケーガン)

そんな覚悟をもった人たちと、自分も同じく、一丸となって必死でゴールに向かうことの楽しさを教えてくれます。

人に向き合う

過剰に謙遜しすぎたな、と思ったときに思い出すローランド様の一節。

「つまらないものですが!」
この言葉が幼少期からとても疑問だった。つまらないと知っていてなぜ、人に渡すのだろうか?
って。
俺ならば「最高に素敵な逸品です!」と言って渡すのになぁと。
ホストは自分を売り込む仕事。
自分を売り込むときにはエゴイスティックに、世界で最高の俺だけど!
って売り込みをするべきだし、そういう男のほうが全然魅力的だ。

俺か、俺以外か。 ローランドという生き方(ROLAND)

タイトルに惹かれて読みましたが上の一節を除けば出落ち感が否めません。「私以外私じゃないの」も好きです。

最後、独身時代に常に心がけていたことです。

「女の子とうまくやる方法は三つしかない。ひとつ、相手の話を黙って聞いてやること。ふたつ、着ている洋服をほめること。三つ、できるだけおいしいものを食べさせること。簡単でしょ。それだけやって駄目なら、とりあえずあきらめた方がいい」

東京奇譚集 (村上春樹)

「聞いてやる」というのが令和っぽくないですね。

1つ以上ピンときた方、カジュアル面談しましょう。どうぞお気軽に、お待ちしています。

いいなと思ったら応援しよう!