東京マラソン2024への道 [海外レース編] 118/364
東京レガシーハーフマラソン2023、東京マラソン2024の出場が決まって、Garmin965 の新機能「カレンダーでイベントを設定すると自動でトレーニングを作成してくれて日々自動調整される『今日のおすすめワークアウト』」を使いながら、ハーフマラソンに向けて練習してきた市民ランナーのトレーニング記録。夏場の勝負レースとして、オーストラリアはゴールドコーストの「ゴールドコーストマラソン(ASICS ハーフマラソン)」を走る完結編。
(2023年7月1日分)
スタート前
スタート地点から約5kmのサーファーズパラダイス駅前にあるホテルに滞在し、ゴールドコーストマラソン(ASICS ハーフマラソン)当日に備えてスタンバイ。
レースは朝 6:15 スタートで、大会概要には「少なくとも 1時間前の 5:15には会場に到着しているように」との記載があったので、その15分前の朝 5:00には到着するように、起床時間や昨夜の就寝時間を逆算。
レース当日の朝は早く寝たこともあって 3:30 に自然に目が覚めて、シャワーを浴びたり、軽く食事を取ったり、ウォーター(モルテン)ローディングをしたり、軽くストレッチをしたりして、予定通りホテルの前の駅で 4:45発の電車に乗って、予定通り 朝 5:00前に会場入り。
季節が日本とはちょうど反対なので、真っ暗でかなり肌寒い感じ。大会の運営スタッフは全員冬の装い(オーストラリア人と思われる同じブロックのランナーは95%くらいタンクトップw)。
※以下、オーストラリア人のランナー = オージー と省略します。
昨日のうちに会場周辺やコースの往路を下見をしておいたので、会場内の空いてそうなトイレに移動してスタート前の最後のトイレを済ませ、昨日の下見ではよくわからなかった入場ゲートの入口を探索するも、大会運営側もまだスタートブロック設営中だったりして「大体この辺かなぁ…」と思う辺りにスタートゾーンAの入場ゲートの青いフラッグを発見。オージーはみんなのんびりしてるのか、スタートの30分前でもほとんど誰もいませんでしたw
自分の持ちタイム(東京レガシーハーフマラソン 1:27:35)だと、どういうわけか「スタートブロックA(エリートや準エリート、いわゆるプロの選手たちのすぐ後ろ)」になってしまうので、せっかくだし、最前列に並んで(目標タイム1:24:00のペーサーのすぐ後ろについて)いけるところまでいってみることにしました。
わざわざゴールドコーストまで来て、守りのレース展開なんて繰り広げちゃったら、たぶん一生後悔するだろうし、スタートブロックの先頭に簡単に並べるチャンスなんてそんなにないから、とにかくチャレンジでw
レースプラン
なんと、ランニング用パワーメーターSTRYDのシューズに装着するパーツを忘れてしまい(本体は持ってきてた)、当初予定していたターゲットパワーを参考にして走る計画はまったくの白紙に。
日本に忘れちゃったものはもう仕方がないし、Garmin 先生のおかげで身体のコンディションはわりといい感じではあったので、以下の方針とすることにしました。
・1:24:00(3:59/km)のペーサーについて、いけるところまで
・1:30:00(4:16/km)のペーサーには絶対に追い抜かれないこと
要約すると、
「久しぶりの海外レースを楽しむこと(1:24:00~1:30:00 の範囲で)」
といったイメージになります。
また、序盤はわりと高層ビルが多いエリアを走る(Garmin のGPSはアテにならなそうな)ので、5km毎の関門に設置された公式タイマー以外は(自分の時計はなるべく)見ないで感覚で走ることにしました。補給の予定はなし、給水も(かなり涼しい…というか、どちらかというと寒いので、トイレ対策として)最小限に抑えようと決めていました。
レース展開のイメージとしては、
・最初のアップダウンは流れに逆らわず、ウォームアップ代わりに
・以降は 5kmごとの関門のタイマーと身体の状態を確認しつつ、急な加速や減速をできるだけ回避して、最後まで一定のケイデンスをキープする
・イケそうなら 15km以降はロングスパート(ラスト250mは無酸素)で
といったおおまかな作戦を立てていました。
レース結果
結果としては、思っていたよりもずっといい感じのレース展開でゴール。ほとんど時計を見ることもなく、給水は全体で3回くらい。
ゴール直後は、
「めちゃくちゃ楽しかった。ファンランでいいからまた走りたい!w」
という感想でした。
レース分析
Stravaのレース分析は以下の通り。
レース展開の振り返り
スタートは大きなオージーたちに混ざって、ラグビーというかほとんど格闘技みたいな感じでスタート。ハーフマラソンなので、みんな当然スタートダッシュがとんでもなく速いペースで、恐らくスタートロスは10秒くらい。殺伐とした空気の中で転倒しないようスペースを取り合いながら走り出す。
なぜかスタート直後に前方から明らかにペースの遅い(並ぶところを間違えた?)ランナーが現れて、ぶつからないようによけたりといったマイナーなアクシデントはありましたが、ペーサーのすぐ後ろをキープして同じペースのランナーで集団走になっていたので、大きなトラブルもなく最初のアップダウン(結構 キツい上りと激しい下り)を通過。
5kmまではペーサーにくっついてキロ4分前後で走るのもそんなにキツい感じもなく、朝日が昇りつつある海岸沿いのコースをずっと走るので「信じられないくらい美しい朝焼け」に見とれてたこともあって、あっという間。
5km地点を通過する際、わりと冷静に自己分析ができて
「このまま10~15kmくらいまでならイケなくもないけど、そのあとは地獄を見ちゃいそうw(最悪、歩いちゃうかも)」
という本能的な危機感があったので、平均ペースを4:00/kmから4:06/kmくらいまで下げてとりあえず 15km まで確実にもたせる作戦に変更。
「うまく回復できるようだったら、15kmからまた上げていこう」
などと考えてはいたので、心はまったく折れていませんでしたが、12~13km辺りからどうも左足の裏が攣ってるような状態を、頭で検知。
「まぁ、こういうのって走ってると大体そのうち収まるよな…」
とリラックスして姿勢を直したりしながら、あまりがんばらないように走り続けていたら、
「足の裏が収まったと思ったら、爪先がヒリヒリする感じ…なんだろ」
…と、まぁ、止まるほどの痛みではないのでそのまま巡航(この時点ではまだ自己ベスト更新ペースをキープしていて、時計のゴールタイム予測はまだ 1:27:00台を表示)。
15km過ぎからは、汗冷えによるものなのか、前半の飛ばしすぎの(乳酸が溜まって?)影響が出てきたのか、動きが悪くなってきてパワーダウン。左足をかばって走っているせいか、右足もなんだかイマイチになってきた感じ。
シャリバテとか脱水症状っぽい感じの状態で、力がうまく入らず、恐らくランニングフォームも後傾になっていたのか、何をしてもサブ3(4:15/km)から4:30/kmくらいまでペースが落ちるという「地獄の一歩手前」みたいな時間帯でしたが、周りのオージーたちがみんなこの辺からあり得ないくらいのロングスパートをかけていて、大きな身体と長い足を使って、ゆっくりしたケイデンスで、どんどん前に出てくる(しかもそのままどんどん前に行っちゃうw)ので、なんとか極端に置いていかれないようにギリギリでついていく感じの展開。
「オージーは身体が大きくて重そうだけど、その分パワーがあるんだな…」
と妙なところで感心したりしながら、とりあえず、ついていけそうなペースの人がいたら(身体が大きく風除けとして考えると素晴らしいサイズなので)ぴったり後ろにくっついたりして引っ張ってもらいながら、
「あまり練習してないと言っても、ゴールドコーストまで遠征してきて、スーパーシューズまで投入して 90分オーバーなんて絶対にあり得ないだろw」
と自分に檄を飛ばしながら、妻にも出発前に
「なにかあっても 7:45(タイムで1:30:00以内)までにはゴールするよ」
などと宣言しちゃったことを思い出しながら、とにかく絞り出す感じでw
ペースは気にせず、とにかく最後まで止まらないようにケイデンス(ピッチ)をキープ。給水もほとんどしませんでした(全体で3回くらい)。
19kmの距離表示は目視したものの、20kmの距離表示は見逃したのか、いきなり昨日下見で見ていた「あと250m!」のゲートが出現。
「あれ、もうゴール? …思ってたより早く終わっちゃったなw 」
と安堵したものの、足の様子がかなり微妙な感じだったので、ラストはスパートすることなく、この辺からゆっくり軽く流す感じのジョグに切り替えてゴール、ガンタイムは1:29:06 。
公式サイトから以下の記録証が発行されました。
レース結果が公表されているので、自分の順位をいろんなフィルターをかけながら確認していくと、
事前のレースリザルト分析の通り、ゴールドコーストマラソン(ASICSハーフマラソン)2023 は、
全体 701位(日本人 12位)
男子 600位(日本人 8位)
年齢別 21位(日本人 1位)
という結果でした。
2019年のバンクーバーマラソン(年代別トップ、全体でも日本人トップ)に続いて、今回のゴールドコーストマラソン(ASICSハーフマラソン)2023 では「年齢別で(なんとか)日本人トップ」。
いま考えると、もうちょいがんばれたかなぁ…とも思いますが、終盤(恐らく現地での急激な体重増で?)両足とも痛くなってしまったし、そのわりには大崩れしないでラッキーだったかも。それにしても同年代の1位のオージーのタイムが 1:15:07 とか、ホントどうかしてるなw(≒ 褒めてます)
レースで良かった点
・美しい日の出が昇る、夜明けのゴールドコーストの海岸線を、ひたすら走ることができた(信じられないくらい美しい景色だった)
・キロ4分でスタートしても意外と突っ込んでない感覚だった
・5km以降は15kmすぎくらいまで 4:06/km 前後で余裕を持って巡航できた
・16kmくらいからうまく前に進めない状態に陥ったが、気持ちは折れていなかった(回復次第、ロングスパートをかけようと思っていた)
・マイナーな足のトラブルがあっても、走り続けてやり過ごすことができた
(ゴール後に左足の人差し指の先に血豆ができていて第1関節の上側の皮膚がはがれていてかなり出血しており、その左足を無意識のうちにかばって走っていたためか右足のふくらはぎがパンパンに張ってゴール後はやや歩行困難に陥った)
・トレーニングの走行距離があまり多くなかった(月間161~173kmだった)し、ちゃんとトレーニングできていないような物足りなさに近い感覚をトレーニング期間中はずっと持っていたが、実際に走ってみるとレース当日のパフォーマンスは総じて悪くなかった(河川敷の練習レースでもそんなにがんばらずに優勝や準優勝だったし、今回の本命レースでも途中までは余裕を持って自己ベスト更新ペースを維持できていた)。
今後 改善できそうな点
・5km通過地点で キロ4分から4:06/km くらいにペースを落としてしまったが、あのままキロ4分のペーサーについていって、行けるところまで行くべき(もしくはそのくらいの練習はしておくべき)だった
・給水(全体で3回くらい)や補給をせずに走り続けてしまったが、5km毎とか7.5km毎とかで軽く給水したり、10km過ぎくらいでカフェイン入りのジェルを投入しておけば、終盤のスタミナ切れ感は回避できたように思った
・フラットなコースと言われていたし、データもフラットに見えたのでノーマークだったが、ところどころにわりと大きなブリッジ(橋)があって、意外とキツいアップダウンがボディーブローのように効いた(アップダウンのあるコースで練習しておくべきだった)
・本命レースでは足にワセリンを塗ったり、ソックスの選定をしっかりするべきだった(≒ 今回はいつも使っている薄くて軽量のものでなぜか擦れた)
・着地パターンの最適化にフォーカスし、足裏や足指の補強トレーニングを取り入れる(ハンマートゥっぽい症状があるので少しでも改善しておく)
・ハーフマラソンのレース強度に余裕が持てるようなトレーニングを増やす
・ハーフマラソンのレース強度で走り続ける感じのトレーニングを増やす
・ロング走の後半や終盤でパワー出力を上げるトレーニングを取り入れる
・高強度と低強度のランニングをしっかりと走り分ける
ASICS Half Marathon - 1 July 2023 - Live Stream
総括
本当に素晴らしい大会で、自分史上で過去最高に楽しいレースでした。
機会があったらいつかまた、ゴールドコーストを走りたい。