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コメダ。おにぎり専門店で新業態

コメダ珈琲が新業態で「おむすび専門店」を関東圏を中心に開始するそうで、最初は新宿から開始するそうです。

おにぎりが海外で広がり始めている

我々日本人にとって身近なおにぎりが海外で普及し始めています。

フランスではおにぎり専門店の行列が日常風景になっているそうで、オフィス街の平日昼間には50人以上の列が発生するのだそうです。

価格は1個4-5ユーロ(約600-750円)で販売されているそうです。

フランスのランチの価格はサンドイッチなどで5〜8ユーロ。
カジュアルなレストランで、10〜15ユーロぐらいなのだそうです。

2個以上買うとカジュアルレストランと同じぐらいになるので、やや高めの価格設定で、日本のおにぎりの手軽さの感覚より、やや高級な感覚で売っている。という感じではないかと思います。

日本人向けだけではなく、おそらくインバウンドも見越しているのでは無いかと思いましたので、詳しく調べてみました。


コメダ珈琲の新業態「おむすび専門店」戦略における国内・海外市場への展開分析


コメダホールディングスが2025年2月に新宿で展開を開始した新業態「おむすび 米屋の太郎」は、単なる国内需要への対応にとどまらず、グローバル市場戦略の一環として設計された可能性が高い。

同社の企業戦略を「ブランド拡張」「地域性の活用」「インバウンド需要の取り込み」「海外進出の前哨戦」の4軸から分析する。

1. ブランド拡張戦略:既存資産の活用と新市場開拓

コメダ珈琲の新業態は、同社が1999年から展開する和風喫茶「おかげ庵」の成功体験を基盤としている^1

おかげ庵では「和風モーニング」として注文後に手作りするおむすびセットが客の6~7割に選ばれる人気メニューであり、これが専門店化の直接的な契機となったのだそうです。^1

この背景には、既存店舗で検証済みの商品を独立業態としてスピンオフさせることでリスクを低減しつつ、新たな収益源を創出する戦略が働いている。

さらに、コメダ珈琲が国内で1,071店舗(2025年1月時点)を展開するフランチャイズシステムの強みを活用^3

新業態では「おかげ庵併設型」と「単独テイクアウト型」の2形態を用意し、立地特性に応じた柔軟な出店が可能な体制を構築している^1

例えば新宿店はオフィスワーカー向け、川口店は地域住民向けという具合に、多様な顧客層への対応しているのだそうです。^2

2. 地域性の戦略的活用:名古屋ブランドの再定義

新業態の最大の特徴は、名古屋の食文化をコンパクトに凝縮しているところだそうで、23種類の商品ラインナップには、天むす(380円)やうなぎむすび(450円)、味噌ヒレカツむすび(330円)など、名古屋発祥の料理をおむすび形式で再解釈した「名古屋おむすび」5種が含まれる^1

原材料にもこだわり、三河一色産のウナギや愛知県産赤みそ、伊勢湾・鬼崎産の海苔を使用することで、地域産業との連携を強化している^2

この戦略は、「地方発のグローバルブランド」というポジショニングを明確にする事を意識しているものではないかと。

名古屋という特定地域のアイデンティティを強調することで、国内では郷土愛を喚起し、海外では「本物の日本食」として差別化を図ることが可能となる^4

実際、パリやニューヨークでは日本式おむすびがヘルシースナックとして注目を集めており^5、地域性を武器にした海外展開の下地が形成されつつある。

3. インバウンド需要への対応:新宿立地の戦略的意義

新宿センタービル地下1階という立地選択は、観光客・ビジネス客の双方を取り込む意図が感じられる。

同ビルはJR新宿駅直結のターミナルビルで、平日はビジネスパーソン、休日は観光客で混雑する。

店内デザインでは「注文後に手結びする工程の可視化」を重視^10、日本の伝統的な食文化を体験できる点がインバウンド客の興味を引く仕掛けとなっている。

価格設定も戦略的で、主力商品が300~450円とコンビニおにぎりの2~3倍ながら^12、高級感のあるパッケージと具材のボリュームで「SNS映え」を意識^10

これは、訪日客が求める「写真に残せる日本体験」に応える設計と言える。実際、Z世代を中心とした若年層からの支持が先行しており^10、国際的な食のトレンドである「プレミアム簡便食」の要素も兼ね備えている。

4. 海外進出の前哨戦:グローバル標準化への布石

コメダHDが2026年2月期までに海外80店舗展開を目標に掲げる中^4、新業態はその実験として良い機会になる事だと思います。

既にインドネシアのコメダ珈琲店ではテスト的に提供されたおむすびが20~40代女性に好評で^7、シンガポールでのカフェ買収計画と連動した展開が想定される^4

商品ラインで関心深いのが、日本食の普遍性と地域性のバランスです。
天むすやうなぎむすびは名古屋の特殊性を保ちつつ、紀州南高梅(290円)や紅しゃけ(300円)など普遍的な味覚もラインアップに加える^2

この組み合わせにより、現地の味覚に合わせたアレンジの余地を残しつつ、「日本らしさ」を維持する柔軟性を獲得している。

結論:多層的な戦略の相互作用

コメダの新業態は、単一の目的ではなく複数の戦略目標が交差していくのだろうと思います。

国内ではFCシステムを活用した迅速な店舗展開により収益基盤を強化しつつ、海外では「日本食のプレミアム化」を通じたブランド価値向上を目指す。

新宿での実績蓄積後は、2025年度中に埼玉県川口市と大宮市に追加出店し^1、運営ノウハウを磨いた上で本格的な海外展開に移行していくのだろうと思います。

今後の課題として、原材料調達のグローバル最適化が挙げられる。現在は国産米と地域特産品に依存しているが、海外展開時には現地調達と品質維持のバランスが求められる。

また、ハラル認証やベジタリアンメニューの開発など、多様な食文化への対応も不可欠となる。これらの課題克服次第で、コメダのおむすびが世界規模のフードトレンドをけん引する可能性は大きい。

追記

本当に美味しいおにぎりは、なにか力作業をした時に、自家製で握ってくれた素人っぽい、おにぎりにお茶が一番美味しかった記憶があります。

農作業体験などのなにか体を動かす体験ツアーがあれば、こういうオプションは大変喜ばれるんだろうな。と思いました。

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織原松治
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