だれでも聞き上手になれる「質問の技術」
こんにちは!
仕事でもプライベートでも、気になる相手と「距離を近づけたい」「信頼関係を築きたい」と思ったら、まず「質問」から会話を組み立てる人が多いのではないでしょうか。
ただ一口に質問といっても、簡単ではありません。「失礼」の境界線は、相手との関係値や質問者のキャラクターによっても変わります。早い話、同じ質問をしても「AさんならOKだけど、Bさんならハラスメントになる」なんてケースはざらにあるわけです。悲しいかな、それがコミュニケーションの現実であり、そこから目を逸らすことはできません。
とはいえ、まさにぼくがそうなのですが、「自分のことを話すのは好きじゃないし、得意じゃない」という人はたくさんいるでしょう。そんな人間にとって「質問」は、他者と距離を近づけるうえで避けられないテーマです。
今回は、これまで1,000人以上に取材して身につけた「質問の技術」を紹介します。
質問の技術①「援護法」を使う
気になる。質問したい……。でも、以下のようなシーンだと躊躇しませんか?
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確信をもてないとき(相手に失礼にならないか?)
個人的な事情について聞きたいとき
自分の意見だと思われたくない(けれど気になる)とき
批判的な内容に触れたいとき
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そんなときは「援護法」を使うのがおすすめ。援護法とは、外部の情報源を出しながら質問することで、直接的な響きを弱める方法です。
たとえば、こんな感じです。
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◯◯って聞いたことがあるのですが
たしか◯◯の本で読んだ記憶があるのですが
こないだSNSで話題になってましたが
業界では◯◯という噂があるみたいですが
◯◯と教わったので私の勘違いかもしれないのですが
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「援護法」を使うとエクスキューズ感が出せるので、直球で質問するより、相手も受け止めやすくなります。また回答が辛辣になる場合でも、あくまで「援護法で使った情報」が否定されているだけであり、質問者自身を否定するわけではない(ようなやりとりになる)ので、答える側としても率直に意見を言いやすいです。
ただし「援護法」を多用しすぎると、本音で話していない印象が強まるため、関係を深めることが難しい、あるいは時間がかかると思います。そこでおすすめしたいのが次の方法です。
質問の技術② ど直球をど真ん中に
「援護法」とは対照的に、率直に直接的な質問をすることもときには効果的です。一例を見てみましょう。
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今のお仕事ってなにが魅力なんですか?
なんでこの業界に入ったんですか?
どんな瞬間に幸せを感じますか?
あのときの失敗はなぜ起こったのでしょうか?
一番読者に伝えたいメッセージってなんですか?
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ど直球をど真ん中に質問するときのポイントは、「純粋さ」と「安心感」です。「シンプルにあなたのことを知りたくて」という前向きな姿勢と、「なにを言われても、責めずに受け止めます」という覚悟を示すことがポイントです。
ちなみに、ぼくは20代なかばから経営者の取材をするようになったのですが、とくに最初のころは「どうしたら舐められないか?」を考えていました。いろいろ試した結果、かなり有効だったのが、取材の最初のほうで、それなりに調べていないとわからないその経営者(会社)の情報や業界の最新トレンドを話すことでした。「ちょっと伺いたいんですが……」と言いながら質問すると、「おっ、こいつ……」という感じに見る目が変わり、信頼関係をより早く築けるようになったように思います。
なお、「すごく痩せましたよね?」「年収はいくらですか?」みたいなモラルに欠ける質問は基本NGで、相手から話す機会があったら、さりげなく深掘りするくらいがいいとぼくは考えています。
質問の技術③ 深掘りする
質問上手なインタビュアーを見ていると、「広さ」と「深さ」が両立しているように感じます。多角的な視点から質問しつつ、ここだと思ったテーマは徹底的に深掘りしていく。言ってみれば、「拡散モード」と「一点突破モード」の切り替えがうまい、ということですかね。
相手の回答を受けて、さらに掘り下げて質問することで、表面的な会話から一歩踏み込んだ対話になります。たとえば、以下のイメージです。
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①具体例を挙げてもらう
例:「具体的にどのような場面でそれを経験されましたか?」
②理由を尋ねる
例:「どうしてそのように考えるようになったのですか?」
③感情を探る
例:「そのとき、どんな気持ちでしたか?」
④比較を求める
例:「以前の状況と比べて、何が変わったと感じていますか?」
⑤仮説を立てる
例:「もし過去の自分だったら、どのように対応されたと思いますか?」
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ただし深掘りしすぎると、相手は追い詰められたような気分になるので、反応を見ながら適度に使うようにしましょう。
いろいろ書いてきましたが、結局のところ、相手のことを純粋に知りたいという気持ちと、相手を大切に思う姿勢が最も大切なんじゃないかとぼくは思っています。
では、また次回の記事でお会いしましょう。
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