「これ」「それ」「あれ」を減らして伝わる文章を書くコツ
こんにちは!
ふだんのメールやチャットで、こんな文章を見かけたことはありませんか?
一見なんの問題がないようにも思えるものの、受け取った側はちょっと困惑するかもしれません。
「これ」は何を指しているのでしょうか? 競合データの分析でしょうか? それとも新規の企画書でしょうか? それとも両方なのでしょうか?
「その」「これ」「あの」などの指示代名詞は、使い方次第で文章の伝わりやすさを大きく左右します。使い方を間違えると、相手に負担をかけたり、思わぬ誤解を招いたりすることも。
今回は、無意識に使ってしまいがちな「代名詞」の使用ポイントを4つ紹介します。
1. 文章構造を変えて代名詞を避ける
原則として、代名詞を使わないほうが文章はより明瞭で読みやすくなります。代名詞を使いそうになったら、まずは「文章構造を変えられないか?」と考えてみましょう。
この例文、じつは近いものをかつて見たことがあるのですが、最初に読んだときは「?」となりました。送信した本人にあとから話を聞いたところ、Afterの趣旨だったようです。
今回の場合、「これは」という代名詞を使用せずに、2つの文を1つにまとめることで、動作の主体と目的がより明確になり、理解しやすくなります。
2. 「数字」で文脈を明確にする
複数の事柄を代名詞を使って表現したいときは、「数字」を用いるとわかりやすくなるケースがあります。
「これら2つ」と明確に示すことで、読み手は迷うことなく内容を把握できます。「これら」でもOKなのですが、「2つ」という数字を使うことで、読み手に「議題が2つあるんだな」という意識をきちんと植えつけることができます。
もう一点補足するのなら、前半の一文に漢字が多くて読みづらいので、カギカッコで囲んでもいいと思います。こんな感じですね。
3. 「箇条書き」を活用する
複数(3つ以上)の項目を指す代名詞を使う代わりに、箇条書きによって情報を整理しましょう。
箇条書きにすることで、「これら」という代名詞を使わずに済みます。また、誰からどのような依頼があったのかが一目でわかるようになり、情報の整理にも役立っています。
ちなみに、今回のような箇条書きのときには「・」よりも「①」のように数字を振っておいたほうが、返信するときに「①は〜、②は〜、③は〜」と答えやすいので個人的には好きです。
4. 削れる部分は削る
編集者という仕事柄なのか、代名詞が入っていると真っ先に「削れないか」と考えてしまいます。なくても通じるなら、削ってしまったほうがシンプルになります。
「それに基づいて」はなくても通じますよね。こういう「代名詞+α」の言い回しは意外となくてもいいケースがあります。ついつい手ぐせで書いてしまいがちですが、送信前に見直して、不要だと思ったら削りましょう。
メールはもちろん、チャットで細かいやりとりを続けていると、「それ」や「これ」が何を示しているのかがわかりづらくなります。そんなときは今回お伝えした4つのポイントが使えるかどうか検討してみてください。
では、また次回の記事でお会いしましょう。