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春原さんのうたを観て
映画 「春原さんのうた」を観た。
春というノートを書いて思い出した。
この映画のテーマは「風」というより、「風通しのいい」
風通しとはそこに窓と窓、窓と入り口、もしくは人と人を介する。
それらのつながり、循環を見ていると自分の知らない世界のはずが妙な温度をもった世界へと変わる、そしてそれはあたたかい、背後に死を感じながらも実にあたたかい。
窓や家、そこに存在する建物たち、それらは自分よりもずっとそこから景色を見ているし、風を浴びている。
そんなことを考えているとバイクの後ろに乗っているような心地よい風が通り過ぎた気もした。
ここまで風と光を見ると、些細な仕草や出来事全てが魅力的に映り憧れにもなる、観ている人の中にも風が吹く、それが救いの光となるように。
そしていつだって叔父さんは昔から変わらずに大好物のどら焼きを買ってきてくれる、そんな感じ。
映画館を後にした外の空気が一番おいしかった映画だった、冷たく澄んでいたが風は吹いてなかった。
すごく邦画的な映画のはずなのに今まで観たことがない邦画、僕はこんな映画が観たかった、承認の物語。
僕たちはまたも、美味しいどら焼きの話くらいから始めたほうがいいかもしれない。
人生のベストに入る映画。