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中国での密漁

日本のハマグリの密漁に関するニュースを耳にしました(https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=16831149694991)。禁止漁具を使用して、採捕が禁止されている3センチ以下の稚貝も採っていたとのことですが、たまたま中国でも似たニュースがありました。

浙江省舟山市検察院は、被告12人に対して、禁漁期間において使用が禁止されている網目の狭い網を使った漁を行い、合計22.5万キロ以上の海産資源を密漁したことを理由として、1,194万元(約2.4億円)以上の賠償を求め民事公益訴訟を提訴しました(http://society.people.com.cn/n1/2023/0605/c1008-40006188.html)。
検察院によると、上記漁業活動により、稚魚などの水産資源に壊滅的な打撃を与え、海洋生物多様性と海底生物の生息環境に深刻なダメージを与えたとのことであり、約108万元(約2,000万円)の直接損害、約1085万元(約2.2億円)の間接損害が発生したとのことです。また、舟山市検察院は、損害賠償のほか、公への謝罪も要請しました。

中国には公益訴訟の制度があります。中国民事訴訟法第58条では、環境汚染や消費者の合法的権益を侵害すること等の社会公共の利益を損なう行為について、人民検察院等が訴訟提起することができるとされています。
そのため、検察院が訴訟提起したのですが、裁判所や検察も共産党の指導下に置かれています。そのため、倫理的・道徳的な結論か否かという観点も踏まえて裁判が行われるため、「公への謝罪」については、倫理的・道徳的な観点を踏まえて請求されたと思われます。とても中国的ですね。

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