【令和7年度(2025 年度)】共通テスト 英語リーディングの解説してみた【第2問】
いつもお世話になっております。
今回も、2025/01/18(土)に実施された
共通テストの英語リーディングの解説記事を書いていきます。
※ネタバレ注意です。
以下のリンク先から、問題や解答などは確認してもらえればと思います。
大学入試センター https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r7/
東進 https://www.toshin.com/kyotsutest/#sub-english
今回は、第2問に焦点を当てて解説していきます。
今回は2025年度共通テスト英語リーディング第2問を解説していきます。
この問題では「空飛ぶ車」に関するブログを読んで設問に答える形式でした。
一つひとつ丁寧に解説しながら、間違いやすいポイントも押さえていきますので、一緒に頑張りましょう!
第2問:空飛ぶ車乗り物
問1.
Which of the following did all the guest speakers agree on?
(以下のどれが全ての講演者が一致していた内容ですか?)
正解:② Flying vehicles will improve responses to emergencies.
(空飛ぶ乗り物は緊急対応を改善するでしょう。)
該当箇所:
“Second, emergency services would be improved.
Flying ambulances would be faster in large cities with heavy traffic.
Also, they would be better for servicing small towns far from hospitals.”
(第2に、緊急サービスが改善されるでしょう。
空飛ぶ救急車は、交通量の多い大都市でより迅速に対応できるようになります。
また、病院から遠い小さな町でのサービスにも役立つでしょう。)
他の選択肢について:
1. ① Flying vehicles are widely accepted as being safe.
(空飛ぶ乗り物は安全であると広く受け入れられています。)
→ 安全性について議論されていますが、「広く受け入れられている」とは書かれていません。
該当箇所:
“Finally, from a safety point of view, they said that flying technology would need to be well tested and controlled to avoid accidents in the air.”
(最後に、安全性の観点から、飛行技術は空中で事故を起こさないよう、十分にテストされ、管理される必要があると言いました。)
2. ③ Modern transportation problems are difficult to solve.
(現代の輸送問題は解決が難しいです。)
→ 問題が難しいとはどこにも書かれておらず、具体的な解決策が議論されています。
3. ④ Zero-emission technologies cannot be applied to flying vehicles.
(ゼロ・エミッション技術を空飛ぶ乗り物に適用することはできません。)
→ むしろ適用されると述べられています。
該当箇所:
“Air pollution can be reduced by increasing the use of zero-emission technologies.”
(大気汚染は、ゼロ・エミッション技術の使用を増やすことで削減できます。)
ミスしやすいポイント:
• 「安全性」や「問題が難しい」など、よく出る一般論に引っ張られやすい。
特に①は「安全に関する言及」が別の箇所で出てきているため、混同しがちです。
しかし、全員が同意したのは②だけです。
問2.
Flying vehicles will most likely ________.
(空飛ぶ乗り物は___可能性が最も高い。)
正解:④ require proper assessment and regulation
(適切な評価と規制が必要である)
該当箇所:
“Finally, from a safety point of view, they said that flying technology would need to be well tested and controlled to avoid accidents in the air.”
(最後に、安全性の観点から、飛行技術は空中で事故を起こさないよう、十分にテストされ、管理される必要があると言いました。)
他の選択肢について:
1. ① be used in small towns rather than large cities
(大都市よりもむしろ小さな町で使われる)
→ 本文では「大都市での利用」が主に議論されており、小さな町に限定する内容はありません。
2. ② increase the number of traffic jams near hospitals
(病院周辺で交通渋滞を増加させる)
→ 逆に渋滞を減らすことが期待されています。
3. ③ prevent solutions to environmental problems
(環境問題の解決を妨げる)
→ ゼロエミッション技術を通じて環境問題を解決すると述べられています。
ミスしやすいポイント:
• 「小さな町」や「交通渋滞」といった具体的な言葉に引っ張られると間違えます。
特に①の「small towns」は魅力的に見えますが、本文ではこれを主題にしていません。
問3.
One guest speaker’s opinion is that ________.
(ある講演者の意見は___。)
正解:④ flying taxis are too expensive to run
(空飛ぶタクシーは運営コストが高すぎる。)
該当箇所:
“The third speaker answered, ‘No, because the operating costs of flying taxis are too high.’”
(3人目の講演者は、「空飛ぶタクシーの運営コストが高すぎるからダメだ」と答えました。)
他の選択肢について:
1. ① flying taxi centres will be based in rural areas
(空飛ぶタクシーの拠点が地方に置かれる)
→ 地方での拠点についての記述はありません。
2. ② flying taxi technology has already been tested
(空飛ぶタクシー技術はすでにテスト済み)
→ 技術の試験については触れられていますが、このスピーカーの意見ではありません。
該当箇所:
“A few of them are even testing flying taxi services in the middle of their major cities.”
(いくつかの国では主要都市の中心部で空飛ぶタクシーサービスをテストしています。)
3. ③ flying taxis are already widespread
(空飛ぶタクシーはすでに普及している)
→ 普及ではなく、コストが課題であると述べられています。
ミスしやすいポイント:
• 他のスピーカーの意見と混同しないように!
例えば②の「試験(テスト)」については本文にありますが、「一人のスピーカーの意見」ではありません。
問4.
Which of the following is mentioned in the blog?
(ブログで述べられている内容は次のうちどれですか?)
正解:④ Urban trials of flying taxi services
(都市部での空飛ぶタクシーの試験運用)
該当箇所:
“A few of them are even testing flying taxi services in the middle of their major cities.”
(いくつかの国では主要都市の中心部で空飛ぶタクシーサービスをテストしています。)
他の選択肢について:
1. ① Costs of flying ambulance services
(空飛ぶ救急車のコスト)
→ 救急車のコストについては言及されていません。
2. ② Flying transport using solar-power
(太陽光を利用した飛行輸送)
→ 太陽光についての記述はありません。
3. ③ Parking areas for flying taxis
(空飛ぶタクシーの駐車場)
→ 駐車場については触れられていません。
ミスしやすいポイント:
• 「本文に明確に書かれている内容だけ」を選ぶこと!
例えば①や②のような魅力的な選択肢は「書かれていそう」と感じても、本文に記述がなければ正解にはなりません。
最後に:正解を導くためのポイント
1. 本文中に明確な根拠を見つけて選択肢を判断すること。
2. 単語やフレーズが本文に出てきた場合でも、文脈をしっかりと確認すること。
3. 選択肢に惑わされないために、常に「本文に書いてあること」を基準に考える。
個人的に気になったところ
共通テストの英語リーディング問題では、本文と設問の言い換え表現や抽象・具体のレベルの違い、また「似ているが実は対象が異なる」選択肢が多く出題されています。
これは、受験生の「論理的思考力」と「本文を正確に読み取る力」を測る狙いがあると考えられます。
以下に、これらの特徴について説明しつつ、この問題でも当てはまるポイントを解説します。
1. 言い換え表現が頻出
設問や選択肢では、本文の内容が直接的に引用されることは少なく、別の言葉に「言い換え」られている場合が多いです。受験生は、本文の内容と設問の言葉を対応させる能力が必要になります。
例:問4
本文:
“A few of them are even testing flying taxi services in the middle of their major cities.”
設問(選択肢④):
Urban trials of flying taxi services.
このように、“middle of their major cities”(主要都市の中心部)→ “urban trials”(都市部での試験)と簡潔に言い換えられています。
この対応が見抜けるかどうかが重要です。
2. 抽象と具体の違い
設問や選択肢で抽象的な表現が使われている場合、本文の具体例を理解し、それが抽象的な選択肢に該当するかを判断する必要があります。
例:問1
本文:
“Second, emergency services would be improved.”
選択肢②:
Flying vehicles will improve responses to emergencies.
ここでは、“emergency services”(緊急サービス)→ “responses to emergencies”(緊急対応)という言い換えがされていますが、抽象的には同じ意味を指しているため、選択肢②が正解になります。
3. 本文中に言葉があっても「別の内容」を指している場合は不正解
選択肢に本文と似た言葉が含まれていても、それが指している内容が異なる場合は不正解になります。これが特にミスしやすいポイントです。
例:問3
本文:
“A few of them are even testing flying taxi services in the middle of their major cities.”
選択肢②:
Flying taxi technology has already been tested.
本文には確かに「試験、テスト」という単語が出ていますが、これは「複数の国の試験運用」に関する説明です。
一方で、選択肢②は「技術全般が試験済みである」というニュアンスを含んでおり、内容が異なるため不正解になります。
4. 抜き出しではなく「本文全体で考える力」が問われる
選択肢が本文の一部に似ている場合でも、本文全体の文脈や議論の流れを踏まえて考える必要があります。
特に、設問が「全員の意見」や「一人の意見」を問う場合は、その文脈を正確に捉えることが重要です。
例:問1
選択肢③:
Modern transportation problems are difficult to solve.
(現代の輸送問題は解決が難しい。)
本文全体では「現代の輸送問題」を議論していますが、それを「解決が難しい」と断定する記述はありません。
部分的な単語に引っ張られず、本文の文脈全体を見て判断する必要があります。
5. 解き方のコツ
これらを踏まえると、共通テストで高得点を取るための解き方は以下のようになります:
1. 本文と設問の言葉の対応を確認する:
設問や選択肢の言い換え表現を見抜き、本文の該当箇所を探します。
2. 本文全体の文脈で考える:
特に「一部の言葉」に引っ張られず、その言葉が本文全体でどのように使われているかを確認します。
3. 抽象⇔具体を意識する:
具体例が示されている場合、それが抽象的な言葉でどうまとめられるかを考えます。
4. 選択肢を一つずつ精査する:
本文に照らして正しい根拠を持つ選択肢を探す一方、他の選択肢の「誤り」を論理的に判断します。
6. まとめ
共通テストでは、「似ているが違う」選択肢や「言い換え」が頻出であるため、冷静に本文全体と設問の関係を見極める力が重要です。今回の問題はその典型例でしたね。
これを繰り返し練習すれば、間違いを減らし、安定した点数を取れるようになります!
おまけ
語句リスト(本文から)
1. Flying vehicles
意味: 空飛ぶ車両
注釈: 本文全体の主題。「未来の交通手段」として議論されている。
2. Emergency services
意味: 緊急サービス(救急車、消防、警察など)
注釈: 空飛ぶ車がこれを改善するという意見が全員一致で述べられている。
3. Air pollution
意味: 大気汚染
注釈: 空飛ぶ車が「ゼロエミッション技術」でこれを軽減できると述べられている。
4. Zero-emission technologies
意味: 排出ゼロ技術(環境に有害なガスを出さない技術)
注釈: 車両を電動化することで大気汚染を減らす方法として言及されている。
5. Flying ambulances
意味: 空飛ぶ救急車
注釈: 都市部の渋滞回避や病院から遠い地域でのサービスに役立つと述べられている。
6. Major cities
意味: 主要都市
注釈: 空飛ぶ車両が試験運用されている場所として言及されている。
7. Well tested and controlled
意味: 十分にテストされ、制御される
注釈: 空飛ぶ技術の安全性を確保するために必要な条件。
8. Proper assessment and regulation
意味: 適切な評価と規制
注釈: 上記の "well tested and controlled" の言い換え表現として選択肢に登場。
9. Operating costs
意味: 運営コスト
注釈: 空飛ぶタクシーの普及が難しい理由として挙げられている。
10. Urban trials
意味: 都市部での試験運用
注釈: いくつかの国が主要都市で空飛ぶタクシーの試験を行っているという記述に対応。
語句リスト(設問・選択肢から)
1. Responses to emergencies
意味: 緊急事態への対応
注釈: 本文の "emergency services" を抽象的に言い換えた表現。
2. Increase the number of traffic jams
意味: 交通渋滞を増加させる
注釈: 渋滞の解消が主な目的であるため、本文とは逆の内容。
3. Prevent solutions to environmental problems
意味: 環境問題の解決を妨げる
注釈: 本文では「環境問題の解決策」としてゼロエミッション技術が述べられているため、不正解の選択肢。
4. Flying taxi centres
意味: 空飛ぶタクシーの拠点
注釈: 地方(rural areas)について本文では触れられていない。
5. Flying taxi technology
意味: 空飛ぶタクシー技術
注釈: "tested flying taxi services"(試験中の空飛ぶタクシーサービス)とは異なるニュアンス。
6. Solar-power
意味: 太陽光発電
注釈: 本文には直接言及されておらず、不正解の選択肢。
7. Parking areas
意味: 駐車場
注釈: 空飛ぶタクシーに関して本文では全く触れられていない。
語句リスト(ミスしやすいポイント関連)
1. Small towns vs. Major cities
Small towns(小さな町) と Major cities(主要都市) の対比がミスを誘発。
例:問2での選択肢①
本文では主要都市での利用が議論されているが、「小さな町で利用される」と誤解しやすい。
2. Tested vs. Widespread
Tested(試験済み) と Widespread(普及済み) の混同がミスを誘発。
例:問3の選択肢③
本文では「試験中」であると述べられているが、「すでに普及している」という選択肢は誤り。
3. Air pollution vs. Traffic jams
Air pollution(大気汚染) と Traffic jams(交通渋滞) の混同がミスを誘発。
例:問2の選択肢②
本文では交通渋滞を緩和することが期待されているが、「渋滞を増加させる」という選択肢は逆の内容。