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【令和7年度(2025 年度)】共通テスト 英語リーディングの解説してみた【第3問】

いつもお世話になっております。

今回も、2025/01/18(土)に実施された
共通テストの英語リーディングの解説記事を書いていきます。

※ネタバレ注意です。

以下のリンク先から、問題や解答などは確認してもらえればと思います。
大学入試センター https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r7/

東進 https://www.toshin.com/kyotsutest/#sub-english

第3問

今回は、第3問に焦点を当てて解説していきます。

あらすじ

この物語は、バンド「Cat’s Curry」のメンバーたちがコンテストに向けて準備を進める中で、リーダーのTomoが抱える葛藤やバンドの成長を描いています。
Tomoは練習を見直す中で問題を発見し、メンバーたちが自分たちの演奏に対する態度を変えることで、チームとして一つにまとまるまでの過程が語られます。
優勝は叶わなかったものの、彼らにとって「人生で最高のパフォーマンス」を成し遂げたという感動的なストーリーです。

問1

Which person is telling the story?
(物語を語っているのは誰か?)

正解:③ Tomo

本文と設問の関連性

• 本文冒頭で語り手が「I encouraged my band(私はバンドを励ました)」と述べています。
また、「As band leader(バンドリーダーとして)」という表現から、語り手がバンドリーダーであることが示されています。

• さらに、練習後の場面でRenが語り手に向かって「Tomo, you’re too worried. Everything will be OK(トモ、君は心配しすぎだね。すべてがうまくいくよ。)」と名前を呼んだ後、“she smiled at me and waved goodbye(彼女は私に微笑みかけ、手を振って別れを告げた。)” と続いています。
この記述から、Renが語り手に笑顔を向けて別れを告げたことがわかり、語り手がTomoであることが確定します。

不正解の選択肢

1. ① Kei
→ Keiは「bassist(ベーシスト)」で、文中では「彼女が多くの動画をアップロードしている」という説明がありますが、語り手としての描写はありません。

2. ② Ren
→ Renは「drummer(ドラマー)」で、語り手を励ますセリフを発していますが、物語全体を語る視点ではありません。

3. ④ Yuki
→ Yukiは「pianist(ピアニスト)」で、彼女の能力や役割についての記述はありますが、語り手ではありません。

間違えやすいポイント

• Renのセリフ「Tomo, you’re too worried. Everything will be OK」を見逃すと、語り手の名前を特定できない可能性があります。

• 特に、“smiled at me and waved goodbye” という描写が語り手の視点で書かれている点を確認することが重要です。

問2

出来事を順番に並べなさい(ダミー1つあり)
正解:⑤ → ④ → ③ → ①
(ダミーは②)

解説

1. ⑤ The band registered for a contest.
(バンドはコンテストに登録しました。)
本文:
• “However, the Ultimate Music Contest was only a few weeks away and I was kind of regretting that we had entered it.”
(しかし、「アルティメット・ミュージック・コンテスト」が数週間後に迫っており、参加を決めたことを少し後悔していました。)
→ この部分で、バンドがコンテストに登録(entered it)したことが確認できます。

2. ④ The band leader was concerned about the band.
(バンドリーダーはバンドを心配していた。)
本文:
• “I was worried that my band Cat’s Curry wouldn’t be ready. Something felt wrong, but I couldn’t figure it out.”
(私はバンド「キャッツカレー」が準備不足ではないかと心配していました。何かがおかしい気がしましたが、それがわかりませんでした。)
→ バンドリーダー(語り手)がバンドの現状について懸念を抱いている描写です。

3. ③ The band leader identified the problem.
(バンドリーダーがその問題を特定した。)
本文:
• “I carefully listened a few more times. Although it was hard to notice, we were slightly out of rhythm.”
(私はもう何度か注意深く聴きました。気づくのは難しかったのですが、リズムが少しずれていました。)
• “I’ve got it!” (わかった!)
• “Each of us is showing off. We’re playing for ourselves, not for the band!”
(それぞれが目立とうとしている。私たちはバンドのためではなく、自分のために演奏している!)
→ 語り手が練習動画を見直し、バンドの問題(自己中心的な演奏)を発見する場面です。

4. ① The band changed its attitude.
(バンドは態度を変えた。)
本文:
• “From that day on, our focus shifted and the band took a step forward on its musical journey.”
(その日から、私たちの意識が変わり、バンドは音楽の旅で一歩前進しました。)
→ 問題を発見した後、バンドが態度を改め、一体感を持って演奏に取り組むようになった描写です。

不正解の選択肢

• ② The band decided to practise more often.

なぜ不正解か:
• 「練習を増やす」という直接的な描写は本文中にありません。変化の中心は「attitude(態度の変化)」であり、練習量ではありません。

• 本文の焦点は、「練習の質の向上」にあるため、この選択肢は適切ではありません。

間違えやすいポイント

1. “practise” に注目しすぎると誤答しやすい
• 「練習」という言葉が頻出するため、②を選びがちです。

2. 各選択肢を時系列で整理することが重要
• “entered it” → “worried” → “I’ve got it!” → “focus shifted” といった流れを正確に把握する必要があります。

問3

How did the band most likely feel after the competition?
(コンテスト後、バンドはどのように感じたか?)

正解:④ Satisfied

本文と設問の関連性

本文:
• “Although Cat’s Curry did not win the contest, we all felt it was the best performance of our lives.”
(キャッツカレーはコンテストで優勝できなかったものの、私たちは皆、人生で最高のパフォーマンスだったと感じました。)

→ “the best performance of our lives”(人生で最高のパフォーマンス) という表現から、結果に関係なくバンドが満足している様子がわかります。このことから、「④ Satisfied(満足した)」が正しい答えです。

不正解の選択肢

1. ① Awful(ひどい気分)
• なぜ不正解か:
本文には「ひどい」「後悔」などネガティブな感情を示す描写は一切ありません。むしろ、「最高のパフォーマンスだった」と述べられているため、正反対の選択肢です。

2. ② Embarrassed(恥ずかしい)
• なぜ不正解か:
「恥ずかしい」という感情を表す言葉は本文にありません。結果は優勝できなかったものの、「満足感」が強調されているため、この選択肢は不適切です。

3. ③ Independent(独立した)
• なぜ不正解か:
バンド全体が一体感を持って演奏したことが描かれており、「独立した」という意味は本文の内容に全く関連しません。

間違えやすいポイント

1. “did not win”(優勝できなかった)に注目しすぎると誤解する可能性
• 「勝てなかった」という事実だけに注目すると、①や②のような否定的な選択肢を選びがちです。

• しかし、本文では「結果ではなく過程やパフォーマンスに満足している」というポジティブな結論が強調されています。

2. “best performance of our lives” の意味を正確に理解すること
• 「人生で最高のパフォーマンス」というフレーズが満足感を表していることを見落とさないように。

全体を通じて気をつけるべきこと

1. 語り手の視点に注目する
• 語り手(narrator)が「I(一人称)」で話している場合、その視点から書かれた内容を読み取ることが重要です。

• 問1では、語り手が特定の登場人物であることを示すセリフや描写(名前を呼ばれる場面など)に注目 しました。この視点を見落とさないようにしましょう。

2. 時系列の把握
• 問2のように出来事を順番に並べる問題では、時間の流れを表す単語や状況描写を正確に読み取る 必要があります。

• 例: “entered it(コンテストに登録した)” や “I’ve got it!(わかった!)” など、各出来事のタイミングを示すフレーズを確認する。

3. 感情や結果を正確に読み取る
• 問3のように感情を問う問題では、結果だけでなく、語り手や登場人物の感情的な反応に注意 することが重要です。
本文中の具体的なフレーズ(e.g., “the best performance of our lives”)が、正解を選ぶ手がかりになります。

語句リストと意味

1. encouraged  励ました
2. registered  登録した
3. contest  コンテスト、大会
4. worried  心配した
5. figure out  理解する、解決する
6. practise  練習する(※イギリス英語)、practiceとも書く
7. recording  録音、録画
8. showing off  見せびらかす、自己主張する
9. focus shifted  焦点が移った、意識が変わった
10. attitude  態度
11. performance  演奏、パフォーマンス
12. the best performance of our lives  人生で最高のパフォーマンス
13. entered  参加した、入った
14. a step forward  一歩前進
15. felt wrong  おかしいと感じた
16. I’ve got it!  わかった!
17. ultimate  最終的な、究極の
18. capable  有能な、能力がある
19. slightly  少し、わずかに
20. out of rhythm  リズムがずれている
21. embarrassed  恥ずかしい
22. satisfied  満足した

一言感想

今回の問題を通して、物語の流れを理解し、登場人物の感情や行動をしっかりと読み取ることが重要だと感じました。
特に語り手の視点や感情の変化に注目することで、問題を解くための手がかりをつかみやすくなります。
理解の深さが解答に直結するので、細かい部分にも意識を向けることが大切ですね!

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