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なぜ働いているとバンドができなくなるのか
・忙しいから
🎵🔥🎸お知らせ🥁🔥🎵
— okapi (@okapi_band) January 19, 2025
各種音楽配信サービスにて
快速/66 が配信開始しました!
みなさまぜひお聞きくださいhttps://t.co/4nM0cQD1kx pic.twitter.com/FWILJd7rGu
・友達がバンド始めた!!!!!
・全員友達。バンド名は「okapi」というらしい。エゴサだいじょぶそ?
・僕はいま26歳で、友達がどんどんバンドを辞めていく年齢ということもあって、個人的にすごくグッときている。友達がバンドを始めるのがいちばん嬉しい。
・バンドが続くことって本当にすごいことなんですよ。働く大人が3人や4人や5人やそれ以上がスケジュールを合わせて毎週集まるなんて、考えただけで無謀じゃないですか。学生だって大変なんだけど。やりたい音楽が一致するだけでも大変なのに、活動のモチベーションとか各個人の忙しさの違いもあるし、仕事や家庭でライフスタイルが急に変わることもある。
・「スタジオノアの予約をするのがいつも俺で」とか、「グループLINEで『スケジュール決めよう』って切り出すのいつも俺じゃん」とか、「1人2320円の割り勘であいついつも2000円しか払わない」とか。
・作曲したデモ音源をメンバーに送ったときに反応が全く返ってこないとムカつくしね。一緒にやってくれてることが何よりありがたいから、ムカついても文句言えないし。
本質を突いてくるガキ「それはムカついてるんじゃなくて、寂しいんじゃないの?」
快速 - okapi
・かんすけ(ボーカル)の声が良い。
・元々の声の倍音成分が低音に寄っているから、高い音で張ったときに中域に豊かさがあって良い声だ。自分が歌ってもこうはならない。そのかんすけの歌が際立つメロとキーになっているのも良いし、サビのド頭でさら(ベース)のコーラスが入ってくるの嬉しすぎる。ハーモニーがいいね、とかよりも先に脳みそが「嬉しい」になる。嬉しいなあ。
・あきひろのドラムはストレートにロックしてた。いつものんびりクワガタでスタイルと違うドラムばっかり叩かせてすまんな。ビート感は1曲通して一定のままで、キックや刻みのパターン、ゴーストノートの有無で展開感やノリを出していく、このシンプルな味付けが好きです。作り手の工夫や選択の過程が見えてくるような、手の痕跡が残っている作品が僕の好み。
今日も生活掻き鳴らせば
きっと誰かに届く日が来るはず
三番線通過していく
君を追いかける
快速は息が詰まって
ここじゃもうない場所へ向かう
・ひいろ(ギター、作詞)の歌詞が照れるくらいストレートだ。
・彼の別バンド「なちく」の方を見ていた限りだと、散逸して聴こえるくらいに無数の叙情的描写を重ねていく作風に感じていた。その無数の描写の重なりの、濃いところと薄いところがぼんやりとした輪郭になって複雑味を持った心情が伝わってくるのがなちくの歌詞だとすると、okapiではひとつの思いをはっきりと書いたような歌詞になっていて印象的だった。
・このバンドだからこその歌詞、ということなんだと思う(その中でも「かんすけが歌うから」という部分はかなり大きいはずだ)。
66 - okapi
・こっちもかんすけとさらの声が映えまくりじゃん。かんすけの声のリッチな音色と、ソリッド寄りなさらの声がバッチリ合ってて最高。このバンドの特徴を挙げるとしたら、その筆頭が二人の声だと思う。かんすけの声が重心低くどっしりしていてさらの声がキュートなのが対比になってるところも良いのかもしれない。二人ともジメジメしてないさらっと質感な声で、okapiの爽やかさの大きな要素かも。
・かんすけが良い意味で「俺についてこい」じゃないから、四人横並びのチーム感が独特の味になってていいんだよな
・ドラムが美味しいやつ全部盛り。あっちいったりこっちいったり、奏者として気持ちいいところを詰め込んだんだろうというのが伝わる。ドラマーってこういうのが好きなんでしょ?
・曲全体の構成としては、同じフレーズを繰り返したり戻ったりしない、一方通行で駆け抜けていくような展開の曲だ。、Aメロ、Bメロ、サビまでいって、「2番」みたいに繰り返さず別のメロに展開して終わる。Aメロの前半後半も違うメロだし、1サビの1回し目、2回し目もコーラスがあきひろ→さらに変わる。最後のシンガロングっぽいところに至っても、主旋律とハモリが入れ替わりながら展開して、繰り返したりはせずに終わる。わずか3分ちょい。
・「快速」がフレーズを繰り返しながら変化していく曲なら、「66」は一方通行で駆け抜けていく曲、って感じ。
・だけど聴後感はボリューミーで大団円感がある。ライブの最後はこの曲で終わるのかな。
もう昨日を思い出すことはないから
擦り切った僕らの時よ
醒めないで今のままで
このまま
どうか何か一つさえ残せないままで
消えてなくなるその前に
僕ら今冷まさないように
どうか
・こちらも詞はひいろが書いてるらしい。つくづくストレート。真意はわからないけど、これは「僕が生きた証を」みたいな存在証明的な意味合いというよりは、バンドの尊さ(あえて言えば脆さ)を自覚した上で、少なくとも今はokapiというバンドが存在して楽しめていることを讃えているような歌詞に聴こえる。
・ひいろがここまでストレートに書けるのも、かんすけのニンと声だからこそなのかなあと推測する。今後かんすけの作詞も聴いてみたくなった。
・書いてて思ったけど、そういえば友達の歌詞を読むという行為がかなり好きなんだった。
・友達だから知ってる前提知識を抜きにしたらどう聴こえるんだろうね
・社会人になって楽器を弾かなくなった友達もいるし、事務所やレーベルのお世話になって派手に活動している仲間もいる。やってるのかやってないのかわかんないやつもいれば、ユースカルチャーの文脈から離れて趣味として落ち着いて音楽を楽しんでいる先輩もいる。
・ロックンロールは鳴り止まない的な初期衝動や、身近な成功者と自分の将来で悩むモラトリアム期の焦燥はよくテーマになるし、いつの間にか働いて過ごすだけになってしまった社会人の悲哀もよく語られる。
・でも、たぶんどれもしっくりくるものではなくて、大人でも子供でも、その狭間のモラトリアムですらもない、何とも言えないもにゃもにゃしたような複雑な、大学時代にできなかった後悔とか、消費だけして生きる心地悪さとか、「本当はお前とバンドやりたかったのに」とか、「仕事で忙しいと、俺ってこんなに音楽やらなくなるんだ」とか、自分の熱もいつか冷めてしまうかもしれない恐怖とか、「文化的」の対義語としての資本主義的価値観への抵抗とか、それに職場でつい染まりそうになる自分への抵抗とか、いま手放したら本当に終わってしまう気がする妙な直感とか、今だからよりわかるバンドの尊さとか、ここまで挙げたやつ全部を「自己実現だよね」とか知ったような顔で言われるのとか、「いやそんな簡単に括れるほど単純じゃないし、そのマズローの5段階説だって啓発本で流行っただけで後年の実験では階層性は実証されてなくて、」とか…
・みんな今どんなこと考えてる?
・友達がバンド始めるのがいちばん嬉しい。友達が売れたり、デカいステージに立つようになったり、評論家連中にも好まれるような良い作品を出したりするのも嬉しいけど、作り手側に残って板の上に立ち続ける選択をしてくれたそのこと自体が何より尊く、嬉しく思う。
・友達がバンドを始めてくれて、そしてリリースされた2曲が彼ら自身への讃歌であるように聴こえて、ちょっとグッときすぎちゃったよ
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・3/1、稲毛海浜公園野外音楽堂にて、野外ライブを主催します。
・今後も続いていく意思を込めて、タイトルに「Vol.1」と入れました。
・友達のライブがいちばん楽しいので、友達のミュージシャンや、友達の友達のミュージシャンをいっぱい呼びました。もちろんokapiも呼びました。友達のキッチンカーも来てくれて、フードの出店もあります。
・友達に来てほしいので入場無料にしました。当然まあまあな赤字なので、千円札を持ってきていただいて、友達の出店や物販で使ってくれると嬉しいです。
・僕はSugar Spotとのんびりクワガタで出ます。
・これを読んでる友達のあなたや、友達の友達のあなた、まだ友達じゃないあなたが来てくれて、この内輪イベントが少しずつ大きな輪になっていきますように。
・「身内祭り」の血祭りの部分
・また書きます。