類比と比喩は以て非なるもの.クリティカルな違いがある.
類比はロジックの一種であり,思考の道具である.比喩はレトリックの一種であり,説明の道具である.
類比は理解主体が自分であり,比喩は理解主体が他人である.
難しいことを簡単に説明することには慎重になる.本来難しいことを簡単に表現してしまうと,多少なりとも語弊を含むと思うからである.
特に注意が必要だと思っているのが,“比喩”による説明である.
しかし一方で,僕は思考過程において“類比”を使うことは多い.
僕は,“類比”は好んで使うが,“比喩”を使うときには慎重になる.(使わないわけではない)
どちらも似たようなものだが,何が違うのだろうか.
まず,用途が違う.
“類比”は,自分が思考するときに使う.一方,“比喩”は他人に説明するときに使う.
別の言い方をすると,“類比”はロジックの一種であり,“比喩”はレトリックの一種である.
また,もっとクリティカルな違いもある.
“類比”は,特定の性質に注目し,同じ性質を持つ他のものと比較する.
一方,“比喩”は,異なる何かを見立てて説明する.
これこそが,“比喩”が語弊を含む所以である.
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