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Matchbox Technologies佐藤社長の挑戦

「20歳で絶対に経営者になるんだ」という強い情熱と行動力を持った当時19歳だった彼は、東京の大学を辞め、新潟に飛び込んできました。コンビニ事業を立ち上げ、その後メガフランチャイジーとして事業を成長させ、現在は少子高齢化で労働力不足という日本が抱える社会課題の解決に打ち込み、株式上場を目指して事業を展開しています。今回は、HRテックの分野で注目を集める株式会社Matchbox Technologies代表取締役社長の佐藤 洋彰さんについて書きたいと思います。

株式会社Matchbox Technologiesは、本社を新潟県新潟市に置く、⼈材採⽤に関するサービスを提供する会社です。関連会社として、ローソンのメガフランチャイジーとしてコンビニエンスストアを運営する株式会社fusion’sと全国で人材派遣・人材紹介やコールセンター事業を行う株式会社LAWSON STAFFを展開しています。Matchbox Technologiesは、ギグワークシステムのパイオニアとして、独自のギグワーク環境を構築可能なクラウド型システム「matchbox(マッチボックス)」を開発し、企業と働き手を効率的につなげるサービスを展開しています。さらに、企業に限らず、新潟県湯沢町の「ゆざわマッチボックス」など自治体と働き手を結びつける自治体公式のギガワークサービスも提供しています。matchboxは、2021年には公益財団法人日本デザイン振興会主催の「2021年度グッドデザイン賞」を受賞、「HRアワード」運営委員会主催の日本の人事部「HRアワード2021」の人材採用・雇用部門に入賞し、また2022年には公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会主催の「第17回ニッポン新事業創出大賞」のアントレプレナー部門の優秀賞を受賞しています。

NSGグループ「あたご交流会」で講演する佐藤洋彰社長

佐藤社長は静岡県出身で、幼少期は父親の仕事の関係でアメリカで過ごしました。高校生の時に起業を決意し、高校時代は起業の機会を探していたそうです。中央大学に進学しましたが、当時起業するための資金はなく、自分の夢を応援してくれる人に出会いたい一心で、経営者が集まるセミナーや企業の交流会に頻繁に参加していたそうです。東京ニュービジネス協議会の起業支援イベントで、当時NSGグループ代表を務めていた池田弘会長と出会いました。「新潟に来るなら支援しよう」という提案に対し、佐藤社長が本当に大学を辞めて新潟に来ると決めたことに池田会長も驚いたそうです。そして、大学を中退し、NSGグループの応援の下で高校時代の先輩と佐藤社長の兄の3人で1店舗のコンビニから事業をスタートし、19歳の2004年に株式会社Fusion’zを設立しました。

しかし、事業を軌道に乗せるまでの道のりは容易ではなかったそうです。初年度に3店舗を展開しましたが、全店舗が赤字となり、倒産の危機に直面しました。この苦境が佐藤社長の経営者としての転機になったそうです。「人への甘えを捨て、自分の頭で考えて、自分の目で物事を判断し、答えを出していく。」そう意識を切り替えた結果、2年目以降はすべての店舗を黒字に転換することに成功しました。

常に新たな課題へ挑戦する

その後、新潟だけでなく東京、埼玉、神奈川へとエリアを拡大し、2009年には店舗数と売上高で国内最大級のローソンの加盟店となりました。当初の目標であったメガフランチャイジーとして成長することを達成した一方で、自社の事業活動を行う中で新たな課題を発見し取り組みを開始します。今後の日本の人口構造を考えると、人材確保の課題は一層重要なものとなる。そこで、その課題を解決するための専門会社の設立をローソン本部に提案し、2014年にはローソンと合弁でローソンスタッフ株式会社を設立しました。全国のローソンのアルバイトの応募を一括して受け付け、全国に18カ所の研修センターを設け、即戦力となる人材を送り出せるよう体制を整えました。

その後、全ての業種に共通する課題に気が付きます。事業者が就業者を雇用する際には、必要なスキルが業種、職種や内容によって異なり、人材の採用にかかる時間やコストは大きな負担となっています。その課題に対処するためのITを活用した「matchbox(マッチボックス)」というサービスを2020年に開発しました。導入企業は現役従業員をはじめ、OBOGや退職者、登録制アルバイトを中心とした自社独自の人材プールの構築が可能で、アプリケーションを通じて、人材プールに対するシフトの共有から採用までを簡単に行うことができます。勤務が確定した場合は人材に合わせ雇用手続き、給与計算、支払い、全て自動化されています。現在関連特許を国内外に10件以上出願しており、うち6件が取得済みです。マッチボックスにより、企業や自治体と働き手を効率的につなげ、より幅広く労働力を確保することが可能となります。日本にはまだ多くの眠れる労働力があり、その活用により労働力不足という日本全体の大きな課題を解決することに貢献できるものとして期待されています。

情熱を持った若者の挑戦が地域活性化につながる

当初は起業したいという夢と情熱ばかりが目立つ若者だった佐藤社長は、時に壁が立ちはだかることがあっても、すべての経験を活かし、主体的に考えて最良の答えを出すことで乗り越え、常に高い視座から課題解決に取り組むことで事業を発展させてきました。佐藤社長のような若者が地域に次々と現れ、企業を成長させることができれば産業や雇用が生まれ、その地域は活性化します。強い情熱を持った若者の活躍は地域発展の原動力となると確信しています。NSGグループは意欲ある若者たちのチャレンジを応援していきたいと思います。そして、チャレンジを応援する仕組みづくりに取り組んでいきたいと思います。      〆

株式会社Matchbox Technologiesホームページ

NSGグループホームページ

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