肩甲骨動態と肩関節挙上の関連性について
どうも!しーご(@Hs041300)です。
STMマガジン第2段!
初めて拝読される方が多いと思いますので、これ何のマガジンだ?と思った方は下記の記事を是非ご参照ください!
今回は肩甲骨動態と肩関節挙上の関連性についてお伝えしていきたいと思います。
肩甲骨の役割とは?
肩甲骨は「上腕骨の動きと連動して自由度が高い」
という関係性にあります。
そう考えると肩甲骨と上腕骨は追随して動かないといけないことがわかります。
①肩甲骨の動きを理解し、運動方向の違いを捉える
②動作時の肩甲骨動態【胸椎(郭)の動きも加味する】
③筋活動
私はこれらを注意して臨床を行っています。
もちろんそれぞれ、目には見えにくい部分が多いので徒手での検査などが重要になります。
ここに関して次回以降お伝え出来たらと思います。
①の肩甲骨の動きについて詳しく解説しているので下記をご参考にしてください!
肩関節挙上時の肩甲骨動態について
皆さんは肩関節挙上時の肩甲骨の動態についてご存知でしょうか?
もちろん知っている方も多いと思いますので是非議論できればと思います。
肩関節挙上時の肩甲骨角度変化については
肩甲骨は
・上方回旋
・後傾
・外旋すると言われています。
また、様々な論文がありますが、スキャプラプレーン上の挙上ではなく
いわゆる肩関節の屈曲においては
肩甲骨の内旋/外旋は両方生じるため内旋/外旋角度には有意差がないことも言われています。(Sportsmedicine 2018 No.205より)
このように肩関節挙上について考えたとき
上記のような報告から肩甲骨の内旋や外旋の動きは肩関節の挙上においては動く量が少なく、
肩甲骨の上方回旋や後傾という動きが重要ということがわかります。
その一方で
無症候性の腱板断裂患者の肩甲骨について
上肢挙上時、健常者と比べ
・肩甲骨上方回旋量に変化なし
・肩甲骨後傾量は明らかに低下していた
と報告されています。
肩甲骨の上方回旋においては
・肩鎖関節
・胸鎖関節
の動きが関わっている為、胸鎖関節上の挙上に伴う肩甲骨の上方回旋で補うことが可能です。
まとめると
・肩甲骨上方回旋は胸鎖関節上での運動
いわゆる鎖骨の挙上に伴った肩甲骨の上方回旋で補う。
・鎖骨挙上に作用する僧帽筋上部線維が過剰収縮する。
・肩甲骨の後傾が生じないことにより肩峰下圧が上昇する。
このように負担なく肩関節挙上するためには肩甲骨後傾が重要となります。
肩関節挙上時の胸椎と肩甲骨の関連性
右肩関節が挙上した場合、胸椎や肋骨はどのように連動して運動するかご存知でしょうか。
右肩関節挙上時
・胸椎の右側屈と回旋が上位胸椎で生じる
・この時の肋骨は右が後方回旋/左が前方回旋する
(D.Theodoridis and S Ruston:Clinical Biomechanics Volume 17,Issue 5,June2002,Pages 418-421)
また肩関節挙上時に上記運動に加え、
・胸椎の伸展(第3〜6胸椎、特に第5胸椎)
・肩甲骨の後傾が伴う
(立原久義ら:肩関節 2012年.36巻3号p.765-798)
肩関節挙上と胸椎アライメント、それに伴う肩甲骨動態に関しては
胸椎後弯が強くなると
・肩甲骨後傾や外旋が減少
・肩峰下圧が上昇する
このように胸椎の伸展することにより肋骨が後方回旋(胸椎同側への側屈+回旋)が生じます。
この動きが制限されると肩甲骨の後傾も制限され、肩峰下圧の上昇に繋がります。
まとめると…
⚫︎肩関節挙上時には上方回旋と後傾が重要
⚫︎胸椎伸展の動きには肩甲骨後傾との関連性が大きい
⚫︎肩甲骨後傾が制限されると肩峰下圧が上昇し腱板変性を招く可能性がある…
このように動作時の肩甲骨動態や胸椎(郭)の動きも加味して考える必要性があります。
そう考えると上方回旋量よりも後傾量の重要性が理解出来ます!
勿論両方大事ですが上方回旋は肩鎖関節と胸鎖関節2つ関節の動きが重要となるのでどちらかに、身体は代償する癖があります。
これらを見極める事が重要になります!
ここに関してはまた次回以降議論出来ればと思います!!
今回の知識を臨床に生かして頂けますと幸いです。
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今後の記事の続編は
私の方では肩関節挙上と肩甲骨筋活動や評価についてお伝えしていければと思います。
最後まで読んで頂いた方々、貴重なお時間を頂き有難う御座いました。
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