伊藤匠七段インタビュー「すべてを将棋に懸けている」
現在行われている第9期叡王戦五番勝負(主催:株式会社不二家)において、藤井叡王をカド番に追い込んでいる、伊藤匠七段。2人は同学年ということもあり、ライバル関係的に紹介されることが多くありますが、伊藤匠七段とは、はたしてどのような人物なのでしょうか。そこで今回は、『将棋世界2022年12月号』(発行=日本将棋連盟、販売=マイナビ出版)に掲載された、伊藤匠七段(インタビュー時は五段)のインタビューを再録掲載します。少し以前のものにはなりますが、伊藤七段の秘めた闘志を感じていただければと思います。
(以下『将棋世界』誌面より、段位などの記載はインタビュー当時のもの)
棋士になってちょうど2年の伊藤匠は藤井聡太竜王と同学年で、小学生のときから争ってきた。大器との評判で、昨年度は勝率1位に輝いている。ファンの伊藤への期待は大きいが、新人なので世に出ている話はそれほど多くない。伊藤は何を考え、どういう生活を送っているのだろう。その視線の先には何が映っているのか。未来を嘱望される俊英が自身をさまざまな角度から語った。
――伊藤さんの誕生日は2002年10月10日で、今年20歳になります。1つの節目だと思うのですが、感想はありますか?
「20歳になったからといって生活が変化することはそれほどないので、実感はあんまりないんです。自分は15歳で高校をやめて、それから結構、時間もたったんですけど、もう20歳になるのかという感慨みたいなのものはあります。年齢を意識することはあまりなかったので」
――例年、誕生日はどのように過ごしていますか?
「あまり普段と変わりませんけど、家族にお祝いしてもらっています。対局はもちろん、VSや研究会が入れば普通に将棋を指します」
――いま日本は法的に18歳からが成人ですが、20歳になって何かやってみようと思うことなどはありますか?
「お酒を飲みたいという気持ちもそれほどないですし。師匠(宮田利男八段)には『25歳までお酒は飲むな』と言われています(笑)。だから特にやりたいことはないですね」
――車の免許は持っていますか? 持っていない場合、興味はありますか?
「免許は持っていないですし、取る予定もいまのところありません。東京にいると車を使う機会はそれほどないですし」
――年齢の話をしましたけど、伊藤さんは藤井聡太竜王の次の最年少棋士の時期がしばらくありました。最年少棋士というのはどういうお気持ちだったのでしょう。
「そこを意識することはまったくありませんでしたし、そう言われてもピンとこなかったです。同学年の藤井さんは自分より4年早く棋士になられていて、誕生日の差で自分が最年少になっていただけなので」
――10月に17歳の藤本渚四段が最年少棋士になりました。伊藤さんは2番目に若い棋士ですが、感想はありますか?
「若い方が棋士になってくれたほうが将棋界の活性化というか、盛り上がると思います。今回の三段リーグで10代の棋士が誕生しないと、自分が20歳になることで10代の棋士がいなくなってしまうので本当によかったです」
――これからは伊藤さんも年下と戦うことが増えていきますね。
「やっぱり奨励会のときから、年下には負けたくないという気持ちはありました。今後もそれは続いていくと思います」
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