きのうの結果&あすの対局予定 2022.2.24
前日の対局を簡単に振り返り、翌日の対局をちょっぴりご紹介します(テレビ対局はのちほど)。のんびりです。
また、コメントは見ていた対局を中心に適宜添えています。
朝日杯 本戦トーナメント
準決勝
永瀬拓矢王座●-稲葉陽八段○
佐藤天彦九段●-菅井竜也八段○
後手の稲葉八段の雁木に永瀬王座が右四間飛車を選択し、早い段階から激しい攻め合いになりました。しかし詰みすらありそうな局面がひと段落してみると、じりじりしたペースに変わります。ただ見た目的に押し込んでいる永瀬王座が、攻めをつなごうとやや無理をしている印象だったでしょうか。時間の都合もあり、具体的に良くする順が難しかったのかもしれません。自然な対応から攻め、リードを広げた稲葉八段が勝利しました。
佐藤-菅井戦は菅井八段のゴキゲン中飛車から対抗形となり、佐藤九段が居飛車穴熊を志向します。しかし菅井八段が機敏な指し回しでこれを咎め、駒組みの差で作戦勝ちをおさめます。中終盤も快調にリードを広げますが、佐藤九段の受けと反撃も強靭でなかなか振り切れません。それでも左辺の広さが活き、中段玉を寄せ切った菅井八段が長手数の一局を制しました。結果としては差が付きましたが、両者の持ち味を堪能できた好局だったように思います。
決勝
稲葉陽八段●-菅井竜也八段○
決勝は同門対決になりました。先手番の菅井八段はゴキゲン中飛車を連採します。小気味良く攻めた稲葉八段でしたが、菅井八段の対応も巧みで、なかなかリードすることができません。飛車打ちの攻防手から大駒を締め上げ、自陣の重たい形も解消すると、いつしか菅井八段が手厚い形になっていました。稲葉八段をもってしてもアヤを付けることが難しく、磐石の寄せで弟弟子が快勝しました。
菅井八段は銀河戦に続く棋戦優勝となりました。逆転に次ぐ逆転を見せた銀河戦とは対照的に、本戦の4局はいずれも最終的には完勝といってよく、スペシャリストの技と充実ぶりを感じました。欲を言えば激しい競り合いでの熱い対局姿も見たかったところですが、それは来期の楽しみとしましょう。
菅井八段、おめでとうございます。
2/25の対局
竜王戦 1組
出場者決定戦
久保利明九段-佐藤和俊七段
王位戦 挑戦者決定リーグ
紅組 1回戦
近藤誠也七段-西尾明七段
棋王戦 予選
脇謙二九段-杉本昌隆八段
叡王戦 本戦トーナメント
八代弥七段-服部慎一郎四段
王将戦 一次予選
佐々木勇気七段-上村亘五段
棋聖戦 本戦トーナメント
森内俊之九段-山﨑隆之八段
渡辺明名人-島朗九段
清麗戦 予選
再挑戦トーナメント
室田伊緒女流二段-塚田恵梨花女流初段
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